お隣さん同士のとある日常
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「え!?ま、真昼くん!?大丈夫!?」
「はあ~~~~良かったぁ~…」
「へ?」
「…蒼、スマホの電源切ってたろ。帰りもおせーし、あちこち走り回ってたんだぞ?」
「クロは俺の肩に乗っかってただけじゃねーか」
「…病院だから。一応電源切っておこうと思って、それで切ってたの」
脱力し座り込んだ真昼の隣で人間の姿に変わり、いつもの前屈みポーズでしゃがむクロ。
蒼も二人の前で膝をついてしゃがんだ。
「ごめんね?心配掛けて…。次は、ちゃんと連絡忘れない様にするよ。ホントに、ごめんなさい」
しゅんと下を向く蒼の頭に、真昼はポンッと手を乗せた。
おずおずと上を見上げると、真昼は安心した表情だった。
「蒼が無事で良かったよ」
「……真昼くん」
「帰って飯食おーぜ」
「……うんっ!」
満面の笑みで蒼は答えた。
スッと立ち上がり、ポケットに人形を入れて真昼とクロに手を伸ばす。
勿論二人は?を飾す他ない。
蒼は笑顔を絶やさずに言った。
「帰ろう♪」
その言葉と笑顔につられて真昼も笑みをこぼした。
蒼の手を掴み、引っ張る蒼の力に合わせながら勢い良く立ち上がった。
「さ、クロも帰ろう♪」
空いているもう片方の手をクロへ伸ばす。
少しジッと見て、クロは蒼の手をぎゅっと握った。
真昼の時と同じように、引っ張ってくれる蒼の力に合わせて立ち上がる。
とても幸せそうに、真昼とクロの手と繋いでる蒼は更にぎゅっと握ってマンションへ帰る方向に身体をくるりと向けた。
「えへへ♪」
「わっ!とと…!」
「!…お、おい」
「さぁさ、帰ってご飯にしましょー♪」
二人と手を繋いだまま歩き始める蒼。
小さな手が自分の手を握りしめている事に、真昼は顔が熱くなるのが分かった。
暗がりで良かった…と、顔が見にくい時間帯で安心する真昼。
比べてクロは落ち着いている、が…内心はどこか嬉しそうに、きゅっと握り返した。
蒼は……言うまでもない、ただただ幸せそうな笑顔で歩いている。
──────────……
帰ってきた三人は、夕食にありついた。
向かい合わせで座っている蒼に、真昼はさっきの人形の事を聞いてみる。
クロも真昼の隣で耳を傾けていた。
「そういえば、あの人形どうしたんだ?」
「ん?…あの猫くん人形?」
「ああ。買ったのか?」
「ううん。あれはね、演劇部の大道具担当の人がくれたの」
「演劇部?」
「うん」
音楽室へ行く途中、演劇部の大道具担当が大荷物を運んでいるのを見掛け、手伝ったと言う。
音楽室と演劇部の部室は近く、互いの部員同士よく話していて仲が良い。
合同でやることも多く、勿論蒼も気軽に話しており、おまけに性格が故、マスコット的キャラクターのように愛されているそうな。
そんな訳で蒼は荷物運びを手伝い、部室に着いて荷物を置いた時に見えた、端の方でちょこんと座っていた小さな人形。
それが今持っている人形である。
「可愛いなって思って手に取ったの。そしたら大道具の人がね、もう使わないから荷物運ぶの手伝ってくれたお礼にってくれたんだ」
「へぇ~」
「これもらった後は悪い事殆ど無かったよ!おまけにシャーベットもご馳走になったし、お持ち帰りもさせてもらったし♪」
「そっか。でも、ホント安心したよ。帰ってくるの遅いし、何かあったんじゃないかってさ」
「何か?事件とか?」
「… 蒼を探しに行く前、物騒なニュースを観たんだ…。それ見て、めんどくせーけど走り回って探してたんだぞ…」
「だからクロは肩に乗っかってただけだろっ」
「うん…ごめんね心配掛けて。でも、ありがとう。真昼くんも、クロも」
「明日は部活が休みだから、うんとご馳走作っちゃう!」ガッツポーズの蒼。
「おー!楽しみだなー♪」真昼もウキウキした気分で答えた。