09.武器を持つということ
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ドンッ
車が網を突き破りブレーキの音を響かせてやってきた。
「!?何…!?」突然の事に驚く真昼。
車のドアがチャッ…と開き、一人の男性と二人の子供が出て来た。
「…でっ、アホ毛死んだんすか?」
「あっ、双子…と、誰…?」
「ほ……死んでたら、こんな悠長にはしてられませんよ…」
そこには双子のユリーとマリーが、一緒にいた男性の手を引っ張り出てきたのだ。
「あっ、彼は御園の運転手さんです……ご安心を」と紹介してくれた。
双子は御園に近付き、わあと心配しながら涙を流している。
「「御園…ケガ…」」
「来て下さって助かりました。早く御園を病院へ…」
「「御園…」」
わあわあと心配する声が、まるで責められているように感じる真昼は、ただ呆然とするしかなく…。
「さあ、真昼くんと蒼さんも早く…」とリリイが二人に呼びかけるが、「あ…」と声がどもる。
噛まれた所に手をかざしながら「そ…の」と、とぎれとぎれに返した。
「俺は…大丈夫だから、御園を早く…あと、蒼を…」
「あ、わ…私も、少し切っただけだから…大丈夫です。御園くんを早く病院に送ってあげてください」
その返答に、困ったように笑みを零しながらぺこ…と頭を下げるリリイ。
車は発進していった。
・・・
「いやーびっくりしたっすわ。久々にあの人から連絡入って。とりあえず病院までとばしますわー」
「そうでしたか…それでこの場所が…
・・・
あちらも動くようですね。警戒は強めましょう…」
一方、残された真昼達。
ジェジェはぼそ…と呟くように真昼に問うた。
「なぜ…行かない…」
その問いに真昼はびくっと肩を上げ強張る。
真昼の表情は後悔に埋もれ、返答をした。
「だ…って、御園のケガは俺のせいだ…っ。俺のために御園は…それでみんな…あんなに心配して…
俺、どんな顔して一緒に行けば…」
「君が責任を感じることじゃないよ」
突然現れた青年。
蒼はぱちくりと目を開閉している。
近くにいた蒼を青年は見おろし、パチンッとウインクした。
そして真昼の方へ歩み寄る。
・・・・
「自分のする事にはすべて自分だけが責任を持つ。有栖院御園も、そのくらいはわかって行動したでしょ」
カウボーイハットを被り、片手に人形を持つ青年。
少し個性的な服装、それはまるで旅人のような雰囲気を持っていた。
その青年の隣に、ジェジェが立つ。
「初めまして少年。こいつが嫉妬の真祖(サーヴァンプ)…“疑わしきは罰せよ(ダウトダウト)”
そしてオレがその主人(イヴ)。世界旅行が趣味のしがない骨董品屋でっす」
いきなり登場したその青年を見て蒼は「…あの紙袋の人の、主人(イヴ)だったんだ…」と呟いた。
でも…と、下を俯き、何故ウインクをしたのだろうと疑問に思う。
青年は青年で、真昼に持っていた人形をひょいっと向けた。
「よろしくー城田真昼くん?」
びくっ
「えっ、何…それ…」
「…ん?なあに?アベル?うん…うん…大丈夫だよ。この少年は敵じゃないからね。
アベルは怖がりだなあ━━━━あっはっはっ、こいつぅ━━━━━」
(また変な人出てきた…)
人形と戯れる青年を見て、真昼は呆れ顔でじとっと見ている。
「最近の若い子はキレやすいから?アベルは心配性だなあー」
「……」
「…!ちょっと君、その目…っ」
「え…?」
「オレのアベルを性的な目で見るな!!変態!!人形だぞ?!」
「誰が見るか!!(怒)」
呆れ顔で見ていたにも関わらず、真昼の見ていた目を性的な目と判断する青年。
そんな青年に銃弾がドン!と撃ちこまれるが「おっと」と青年は撃たれた帽子の下で交わした。
「な…!?何?!」と驚きながら後ろを振り向くと、異様な空気で身を包み、構えていた銃から煙が出ていた。
ぼそ
「なぜ…約束を守らない…」
「え?何だっけ?」
「この仕事終えたら…血を飲ませる約束…」
「HA?聞こーえなーいなあ━━━━━━━?」
挑発するように耳に手を当てながら言い放つ青年。
その言葉にガシャ!と銃を何丁も構え、青年に向かってドドドドッと撃つが器用に避け笑っている。
「あっはっはっ、ジェジェってばこわーいなあー(笑)うたれる~~~~~~(笑)」
あまりにもこわーいと思わせるような言い方ではない。
うたれる~~~と言っておきながらうたれていない。
そんな二人の姿をあわあわと見守る真昼。
それを遠くで見守る蒼は「おおー!」と避けているのを感動しているように見守っていた。