08.うそつきはだれだ
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『…何故、そうやって身を滅ぼす方を選ぶのだ?私はそなたの身を案じて…』
『私は、何もしないまま受け流すのが嫌なだけ。だから行くんです』
『本気か?』
『本気です』
『……』
ふう…と小さく溜息をつく女性。
蒼の肩に置いていた手をスッと離すと静かにイスに戻っていき、ポスンと座った。
女性に、蒼はずっと聞きたかった事を聞いてみた。
『あ、あの…聞いてもいいですか?』
『答えられることなら、答えようぞ』
『あの…桜哉くんが消えてしまった後の……あの声…
・・
あれ、貴女ですよね…?』
『……』
その問いに、女性は表情一つ変えず何も答えなかった。
まるで聞こえていないかのように…。
『…教えたら、思い出してしまうから?』そう問いかけても、女性は何も答えなかった。
ふう…小さく溜息をついた蒼は、もう一つ聞きたい事を聞いてみる。
『朝、夢を視た時の、最後…。いつもと違う終わり方だったです』
『……』
『………私は、いつか………燃やされてしまうんでしょうか…?』
朝に視た夢の最後は、突然現れた炎に蒼が包まれるものだった。
もしかしたら、未来でそうなるのかもしれない…不安な気持ちが、女性に問うた。
だが女性はふるふると首を横に振り、『安心するがよい…』と返してあげる。
『あれはそなたの未来じゃない』
『…じゃあ、貴女の…?』
『……答えたくない…』
『…あ、すみません…不躾でしたね』
『気にする必要はない。…そなたは気付いている筈だ。あの者達(吸血鬼)と関わり始めたことで、何かが変わってきていると…』
『…はい。でも今は、桜哉くんと真昼くん達の所に行かなきゃ…!行きたいんです!』
一心で助けたいという願い。
それが蒼の瞳を真っ直ぐとさせている。
そんな瞳を、女性の目に映す。
ある者と被る、真っ直ぐ見つめる瞳が…。
『はあ…そんなに行きたいのであれば、もう止めはせぬ』
『…ありがとうございます』
『…“アレ”を、ちゃんと身に付けておくのだぞ?』
『え?“アレ”?』
『いつも身に着けているであろう』
『?…ループタイのことですか?』
『…必ず着けて行け』
『大丈夫ですよ。いつも着けてますから』
『……そうか』
にっこりと微笑む蒼。
頬杖を突きながら、蒼を見ては溜息をはあ…と吐く。
『……似ているな…あの者と。真っ直ぐな瞳が、特にそっくりだ…』
そう呟くと、女性はパチンと指を鳴らした。