07.守るということ
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シャ――――――――――ッ
「に゙ゃ~~~っ…日光とは向き合えね~~~…」
「あ!ごめんね?つい…」
「ったく…オレは吸血鬼だぞ?……日陰日陰…」
「っあはは。ごめんごめん」
もそもそと毛布の中へ入るクロを見て、くすっと笑った。
すると看護師がやってきて、検温と血圧を計りにやってきた。
1時間後には病院食を運んでくるのだが、学校もある為買って済ます事にした。
だがそれにしたところで、病院側の会計が出来ない。
学校は遅れていくことにし、とりあえず着替えようと枕元にあった制服に手を伸ばした時、あるものに目が止まった。
「っ…これ、私のハンカチ」
広げてみると、血がついたまま。
蒼は直ぐ様桜哉のことを思い出し、携帯を取り出す。
掛ける先は勿論、桜哉に…。
ツ――――…ツ――――…ツ――――…
「……ダメ…桜哉くん出ない…」
耳元から携帯を離し、悲痛な表情で見つめる蒼。
蒼の中に蘇るのは、桜哉の悲痛な表情と、悲しげに浮かべる笑み。
そして、椿達といた桜哉の姿。
「……桜哉くん、どうして…一緒にいたんだろ…」
夢の事も気になり、不安な気持ちまでもが蒼を取り巻いた。
…するとそんな気持ちを払うかのように、携帯の着信音が鳴りだした。
《♪♪♪♪♪~~~、♪♪♪♪♪~~~》
「真昼くんだ」
画面をタップして、真昼からの着信に出た。
「もしもし?」
『あ、蒼。おはよう』
「おはよう真昼くん」
『クロ、そっちに行ってないか?姿が見当たらなくて…』
「うん、来てるよ」
『やっぱそっちに行ってたのか…ったく、クロの奴』
「あはは、大丈夫。あ、それでね?真昼くん」
『ん?』
蒼は事情を説明した。
雨の中倒れてしまい、病院に運ばれてきたこと。
そんな様子を見守るクロの想像する通り、通話の向こうから真昼の心配する声が大きく響いた。
「うぅ~~…うるせーな…」とぼやきながら…。
「多分疲れじゃないかって。でも大丈夫よ」
『…分かった。迎えに行くから、病院で待ってろ』
「え?だ、ダメよ。学校遅れちゃうよ?」
『連絡しとくから。とにかく、蒼はクロと病院で待ってるんだぞ?俺が来るまで病院で待ってること!いいな!?』
「…は、はい」
タップして会話を終了した。
「アイツ、ほんとうるせーなあ…」と毛布の中からクロが覗きこむ。
苦笑する蒼は、「着替えるから、もう少し毛布の中にいてくれる?」と言うと、けだるく「おー…」とだけ返し、もそもそと中に入っていった。
携帯といつも使っている紅色のリボンをテーブルの上に置き、制服に着替えた蒼は、「クロ、もういいよ」と声を掛けた。
「髪整えてくるから、もうちょっと待っててね?」
「おー…」
手洗いの中にある洗面所の前で、一緒に持ってきたハンカチを見つめた。
再び影を落とす蒼だが、気を引き締める為顔を洗い、髪を整える。
髪を左側にまとめて団子を作り、余った髪を垂れ下げて、団子部分をリボンでキュッと結んだ。
そして目の前に映る自分の鏡越しに向かって、キッと目つきを変える。
「……桜哉くんと、話さなきゃ……」
ふるふると首を横に振り、「よしっ」とガッツポーズを前に作り、ハンカチをポケットに仕舞ってパタパタと洗面所を出ていった。
病室に戻った蒼は、周りの片付けをして布団をきちんとたたみ、退室する準備を進めた。
待っていたクロを抱き上げ、看護師に挨拶をしていく。
抱いていたクロが本物の猫じゃないかと言われそうになったが、「ぬ、ぬいぐるみです~」と逃げて行った。
学校に遅れる旨を連絡し、病院の支払い受付が開いたと同時に会計を行う蒼。
あとは真昼が迎えにきてくれるのを待つだけ。
その間、周りに会話が聞こえないように小声で「…クロ」と呼びかけた。
「クロ」
「…んー…?」
「…うん、やっぱり普通に呼べる…」
「はあ?」
「ねえ、クロ」
「なんだよ」