00.季節はずれの転校生
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そして、次の日。
天候は前日と変わらず灰色の空が街を覆う。
ある教室にて、季節はずれの転校生が教壇の前に立っていた。
「夜明蒼です。よろしくお願いいたします」
自己紹介をしてペコリと頭を下げる蒼。
小さい身長ながらも落ち着きがあり、ふんわりしたそのオーラは、男女共々釘付けにした。
整った愛らしい顔立ちに、雪の多い街で育った証の白い肌、儚げに微笑む優しそうな表情は、まるで夜明け前に陽光が差す寸前の薄明るい景色のよう。
座る席を指定され、そこに向かう途中こっそりと真昼にニコッと微笑み手を小さく振った。
予感的中、真昼と同じ学校でクラスメイト、目が合い真昼も手を振り返す。
その後の休憩時間は、一気に皆の注目の的となった。
「夜明さんてどこから来たの?」
「肌白いもんね!東北とか?」
「ねえねえ!好きなものは?」
「首に掛けてるのなんの石?青くて綺麗な石だね〜」
「ほんどだ、所々に星みたいに光ってて夜空みたい!」
「オイ、そんないきなり質問押しつけても話せねーだろ?」
「ごめんね?でも珍しいね、こんな時期に転校なんて」
沢山話しかけてくれる言葉たちに、蒼はにっこり笑って「大丈夫よ」と言い質問に答えていった。
「雪が沢山降る街で育ったの。好きなものはアイスと紅茶。あと歌を歌うのが好きで、星を見るのも好きなんだ♪このループタイは昔から着けてて、大事な物なの」
手を合わせてふんわり笑みを零しながら言う蒼に皆が癒されていた。
そんな蒼を見る真昼と目が合い、先ほどの様に手を小さく振った。
真昼も小さく手を振り返す。
放課後、真昼、龍征、虎雪の三人が集まり、帰宅しようと集まっていた時、蒼が「真昼くん!」と呼んで、とととっと近くに寄って来た。
まるで小動物の様だ。
「真昼くん、もう帰り?」
「うん。どうかした?」
「あのね?もし時間があればでいいのだけど、同じ帰り道だから、途中でどこに何があるか案内してくれると嬉しいなって」
「ああ、いいよ」
「良かった、ありがとう♪」
またも手を合わせて言う蒼。
どうやら手を合わせるのが癖の様だ。
「俺も付き合うぜ、寄る所あったしな」
「あ、オレも行くよ~」
「ありがとう」
道中に、龍征、虎雪と自己紹介、真昼とは先に挨拶していた為カット。
みんなよろしくね、と返し、街を案内してもらう蒼。
辺りが暗くなる頃に二人と別れ、マンションまで真昼と蒼は歩いていた。
「龍征くんも虎雪くんも素敵な人達ねえ」
「あいつらとは小学校から一緒なんだよ」
「そうなんだ。仲良いんだね」
「はは、やっぱ付き合い長いしな」
「ふふっ…でも良かった。不安だったから、みんなと楽しく話せて安心したよ」
「それならいいけど」
話している間にマンションに辿り着いた二人。
蒼は部屋に着くまでに一つの疑問を真昼に聞いてみた。
「真昼くんは、このマンションに誰と住んでるの?」
「え?叔父さんとだけど…何で?」
「ん〜…なんとなく」
「?」
「ごめんね、急に変なこと聞いちゃって」
「いや、大丈夫… 蒼は?」
「一人だよ」
「え、一人?」
「うん。両親がいなくてね、お金の管理とか信頼してる弁護士さんに任せてて、毎月必要な生活費を振り込んでもらって、一人暮らしをすることになったの」
「そっか…」
それぞれの部屋の前に到着した。
「また明日ね、真昼くん」と部屋へ入ろうとするところを、真昼は「あのさ!」と止めた。
?をかざして蒼は真昼の方へ振り向く。
「も、もしよければ、一緒に夕飯食べる?おかずいっぱいあるから一人増えても大丈夫だし、今叔父さんも出張中だから余っちゃうしさ」
「……いいの?お邪魔じゃない?」
「い、いいよ全然!邪魔なんかじゃないしっ!せっかく隣に引っ越して来たんだから、色々話したいしさ!」
「…うん、ありがとう。じゃあ、着替えて片付けたら、すぐ行くね」
「分かった」
「じゃ、また後でね」