05.信じてたもの
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「それにしても…不思議ですね」
「何がですか?」
「蒼さんの……」
「私の…?」
「……オーラ…とでもいいましょうか。とても不思議な気分です」
「え?」
急に蒼へ近付くリリイ。
スッと蒼の髪を持ち、口づけをする…。
そんな行動に蒼は顔からボンッと煙が出ると同時に顔を真っ赤にした。
男性の身体を見ても感動していた蒼だったが、さすがにこのような大胆な行動には免疫がない。
「あ、あの…リ、リリイさっ…!わ、そっ…あ、あの……あぅ…」
「すみません、つい。綺麗な髪ですねえ」
「い、いえ…そんな……こと…」
「「蒼、顔が真っ赤~」」
「っ!!ユ、ユリーちゃん!マリーちゃん!~~っ!」
「ふふっ…(可愛らしいですねえ)」
リリイの行動に、蒼の鼓動はドキドキしている。
リリイは、「気分はいかがですか?」と尋ねた。
「へ?あ、えと…はい、もう大丈夫です」ベッドから抜け出し、ゆっくりと立ち上がる蒼。
すかさずスッ…と手を差し出すリリイに、「あ、ありがとうございます…」と緊張した様子で手を置く。
「御園たちの所へいきましょうか。とても心配していましたよ」
「はい」
ユリーとマリーには就寝時間の為部屋に戻るよう話し、その場所で別れた。
二人で手を精一杯高く上げて「「おやすみなさーい」」と手を振っている。
「おやすみなさーい」と蒼も手を振り返し、その場を後にした。
別室で待つ御園たちの元へ、二人は手を繋いだまま歩いていた。
「あの、リリイさん」
「はい?」
「この間は、ありがとうございました。あの場所から助けてくださって、真昼くんを運んで頂いて…」
「…いえいえ。私の方こそ、クッキーご馳走様でした。とても美味しかったですよ」
「あ…あれ、実は真昼くんがレシピを考案して…私は手伝っただけなんです。リリイさんに渡したのは、私が焼いたもので…」
「え、そうだったのですか。蒼さんは、料理はしないんですか?」
「いいえ、しますよ。一人暮らしですし、真昼くんには敵いませんが、料理もお菓子作りも。…あ、そうだ!手当てのお礼に、何かしたいのですが…」
「では今度、蒼さんの手料理をご馳走になりましょう」
「え?そんなのでいいんですか?」
「勿論♪食べてみたいです、蒼さんの手料理。…きっと、御園も喜んで食べてくれるでしょうから」
「じゃあ、今度遊びに来て下さい。お部屋は狭いんですけど、一緒にご飯食べましょう!」
「ええ♪」
蒼の満面の笑みに、リリイはどこか気持ちがふわふわしている、そんな感じを覚えた。
優しい笑顔に惹かれていく…ずっと見ていたいと思う…。
ほんの少し…ほんの少しだけ……繋いでいた手を、きゅっと強く力を込めた。
そんなこんなで別室に着いた二人。
扉を開けると、第一声に真昼の声が蒼の名を呼び、真っ先に近付き肩を掴んだ。
がしっ
「蒼っ!!怪我大丈夫か!?」
「あ、う、うん…大丈夫、よ…?」
「そっか…」ホッ…
「あ、あの…ごめんなさい。心配、かけて…」
「ほんとだよ!全く蒼はいっつもいっつも…!」
「あぅ…ごめんなさい」
まるで母親に叱られている子供のようだ。
そんな二人の元に御園とクロも近付いた。
クロは蒼を見て相変わらずムスッとしている。