05.信じてたもの
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#05.信じてたもの
──────────……
「……ん………っ……?」
目が震え、ゆっくりと目を開いた蒼。
ベッドで眠っていた蒼の顔の上には、ユリーとマリー、双子が心配そうに見守っていた。
目を覚ましたことに、「「蒼っ!」」と叫ぶ。
「……ここ、は…?」
「別室ですよ」
双子の叫びにリリイも気付き、直ぐ様蒼に近付いて、心配しながらも蒼の質問に答えた。
「私…何が…」
「血を流し過ぎて、倒れてしまったんですよ」
何があったか覚えていない蒼。
リリイの説明に、ああそうか…と傷のことを思い出した。
頭に触れると、包帯が巻かれていた。
ゆっくりと起き上がろうとすると、傷に痛みが走り、思わず手で抑える。
「あ、まだ横になってた方が良いですよ」焦るリリイだが、蒼は「大丈夫です」どこかぎこちない笑顔でにこっと、そう返した。
「すみません、ご迷惑をお掛けしてしまって…」
「っとんでもない。こちらこそ、ユリーとマリーを助けて頂いて、ありがとうございました」
「いえ…」
「「…あ、あの……蒼?」」
おずっ…と蒼に話し掛ける双子。
目線を向けた蒼は安心させるようにふっと優しく微笑んだ。
そんな蒼の微笑みに、リリイも思わずドキリと心動かされた。
「なあに?」
「「…ご、ごめんなさい!」」
「え?」
「ユリーのせいで…」
「マリーのせいで…」
「…」
「「本当にごめんなさいっ」」
「……ユリー…マリー」リリイも心配そうに見守る。
双子の言葉を聞いて、またも蒼は優しくふっと笑みを零した。
そして一言…。
「大丈夫よ」
「「…?」」
「二人が怪我をしてしまったら、御園くんもリリイさんも悲しむもの。怪我がなくて、本当に良かった…」
「「…蒼」」
にっこり微笑んでそう伝えると、双子の涙を優しくすくってあげる。
そしてそのまま手をそれぞれ片方ずつの頬に手を添える蒼。
その行動に双子は目を見開いた。
「泣かないで?大丈夫よ」
「「……蒼っ」」
ユリーとマリーは、蒼の優しい笑顔と言葉に心許したように、母親にすがるように…蒼に抱きついた。
目を閉じ、ふわりと優しく二人の頭を撫でた。
蒼のあたたかい雰囲気にリリイも引きこまれていく。
(…蒼さん……貴女は、不思議な方ですね…)
その優しさに魅入られて
ユリーもマリーも 蒼さんに懐いている…
まるで 『ただいま』と帰ってくると
『おかえり』と 迎えてくれる 母親のようで…
何でしょうね 今も あの笑顔を見ていると
胸が とても熱い…
ふんわり笑う蒼の両側にそれぞれくっつく双子は、ぎゅっと蒼の服を掴み身体をすり寄せる。
そんな光景に、リリイは「よほど気に入られたみたいですね、蒼さん」とにこにこしながら言った。
どこかくすぐったい気持ちを抱きながら「え、えへへ…」と照れ笑いをする蒼。