04.アリス・イン・ザ・ガーデン
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「城田真昼、僕と一緒に来てもらう。イエス以外の返答は却下だ」
一斉にし――――――ん…と静まり返る。
その沈黙は真昼の言葉で敗れた。
「だっ…誰だよお前らは!?いきなり何…っ。つーかその変なイスなんだよ!?どこから出した!?」
「ま、真昼くん待って!そんな一気にツッコミいれると、処理し切れないよっ」
「いやいやそういう問題じゃなくてっ…てゆーか蒼!?何でそいつと一緒にいるんだ!?」
「え―――――と…成り行き?」
「成り行きでそうなるか!!?」
・・・・
「これだからネコだけでいいと言ったのに…捕獲」
「へ?ちょ、待って!?何で真昼くんとクロを…!?」
「着いてからにしろ」
「ちょ…話聞け―――――!!あああああ」
「あ、待って…!」
さっさと去って行こうとする御園に急いでついていく蒼。
クロは真昼の頭に乗っかり、二人の子供にガシッとはがいじめにされながらずるずると引っ張られていった。
クラスメイトの者たちはポカ―――ンとするしかなく、教室に取り残された。
「何?!何?!」がたがた
「…真昼が拉致られちゃった…」
「蒼もついていっちまったな…」
「キレーな顔の子だねー。あの制服ってたしか…え――と…帝一瀬学園。お金持ちばっかりの進学校…」
黒塗りの豪華な車に座る面々。
奥の方では双子の二人と、その間に座る蒼、膝の上にクロがいて、クロの頭を撫でている。
「ねこ――――」
「ねこ――――」
「ねこにゃ――――」
「ねえ、あなただれ?」
「だれ?」
「私は蒼、夜明蒼といいます。私も、お名前を聞いていいですか?」
「わたしはユリー」
「わたしはマリー」
「ユリーちゃん。マリーちゃん。良かったら、名前で呼んでくれると嬉しいな♪」
「「!…うんっ」」
「よろしくね」
(……やっぱ、順応性高ぇなー…)
「どういうことだよコレ!?」
訳が分からず御園に叫ぶ真昼。
まぁ、いきなり拉致られ豪華な車に乗せられるなど、どういうことだと言う他無い。
「お前っ誰だよ!?もしかしてお前が“オールオブラブ”…なんかすげー車なんだけど?!」
「やかましい奴だな。有栖院御園、7番目のサーヴァンプ“オールオブラブ”の主人(イヴ)だ」
「!…主人(イヴ)、だったんだ」
「!な…んだ、お前も主人(イヴ)のほうか…。あのメール…迎えに来た…ってお前が…?」
同じ主人(イヴ)に出会えた事にほっとする真昼。
その横で、蒼は心配をしていた。
蒼は誰かの主人(イヴ)でも何でもない普通の一般人だが、ついてきてしまって良かったんだろうか。
でも何も言われないから良いのだろうか…などと。
う~ん…と唸る中、クロが蒼の変な様子に気付き「どうした…?」と声を掛けた。
「なに唸ってるんだ?」
「ん?うん……大丈夫かなぁって」
「はあ?」
肝心な事を云わず、蒼は再びクロの頭を撫で始めた。
一方で真昼と御園は…。
「は――――っ。よかった、同じ立場の奴に会えて…お前のサーヴァンプは…?」
「…貴様。椿と対峙しても、反撃ひとつできなかったらしいな」
「!お前も、椿を知って…」
「はん、無様な。貴様はサーヴァンプの使い方を全くわかっていない」
「え…?ていうか[貴様]って…」
二人の会話を聞いていて、蒼は複雑な思いを抱いていた。
また出る“椿”の名。
トクン…トクン…胸の真ん中を抑え、まるで音を抑えるように手を添えた。
…すると。
「「蒼?」」
「え?」
「大丈夫?」
「具合悪いの?」
「……」
二人の子供に声を掛けられた。
そんな様子をクロは何も言わずに見守る。
はっとした蒼は、いけないいけない…と心の中で反省、二人の頭を撫でて、ニコリと笑った。
「大丈夫よ。優しいのね、ありがとう」
「「……」」
その優しい微笑みに、二人の子供もどこか安心したような、心許したような表情を露わにした。
そんな蒼をチラリと横目で見る御園も、どこか気にしている様子…。