03.7+1
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(……なんて…悲しそうな、寂しそうな瞳。でも、私を見るのは、どこか優しくて…切なくて……とても深い…)
どうしてそんな瞳で見るの?
どうしてそんなにも、悲しそうで、でも優しそうな瞳で見るの?
何も、分からないのに…
私は何も、知ラナイのに…
蒼が悩んでいる間に、真昼は一つの事に気付いた。
「…って…あれ?椿がサーヴァンプって言うなら…椿のイヴ(主人)は…?」
「え?あれ…?」
蒼の前から椿の姿は消える。
背後から何かを踏みつけた音が響き、後ろを振り向くと消えた椿がクロを勢いよく踏みつけたのだ。
血を吐き出すクロの元へ真昼が駆け付ける。
くるりと華麗に舞う椿は言った。
「僕、その話は嫌いだ。もっと面白い話をしようよ」
「クロ…っ」
硬直していた身体を何とか動かし、蒼もクロの元へ駆けつけた。
吸血鬼は死なないとクロもベルキアも言っていたが、この血を見てしまえばどうしても不安になってしまう。
「クロ…クロ…っ」
流石の蒼も涙を浮かべながらクロの手を強く握り締め、名前を呼び続けた。
そんな蒼の姿をちらりと横目で見る椿は狐の面をつけて言葉を続ける。
「世界をもっと面白くする僕の提案を聞く?
僕はね、吸血鬼VS吸血鬼でパレードみたいに騒ぎたいんだ。
スリーピーアッシュ
オールドチャイルド
ダウトダウト
ザ・マザー
ロウレス
ワールドエンド
オールオブラブ
吸血鬼だからね、戦争の燃料に人間の血が必要なのは仕方ないよね。
嘆きは歓声に似てパレードを盛り上げる。
そっちも七人兄弟全員集めてよ。
“参列者”は多いほうが“先生”もきっと喜ぶ。
…そうして、全部僕に殺されろ。
・・
ねえ、蒼」
「え…?わ、たし…?どうして、私…?」
「…そっか……
・・
今は蒼って名前にしてるんだね。なら、僕もそう呼ばせてもらうよ」
「今は…って?今も何も、私は蒼… 夜明、蒼…だから」
「…うん、そうだね。蒼、キミは僕がずっとずっと待っていた…
・・・・
大切な人なんだ。優しい女の子…優しい人…。
だから…会えるのを楽しみにしてたのに……ね」
「なっ…何で蒼が!?」
隣にいる蒼の名前を出され、真昼も当の蒼も驚愕の色に変わる。
今初めて出会ったにも関わらず言われたことに、真昼は疑問を隠せない。
蒼自身も、“待っていた大切な人”というワードに疑問を持たざるを得なかった。
「さぁ始めよう?もっともっと面白いことをしよう」
「真昼くん!!」
ぐいっと真昼の胸倉を持ち上げる椿。
苦しそうな表情でも椿を睨みつけ、「意味…わかんねぇよっ。なんで戦争…っ、人を殺すんだよ!」そう言った真昼。
そんな表情をしているのを楽しそうな笑みで見る椿は返答した。
「そのほうが面白いからだよ?」
「ふざけんなっ。関係ない人巻き込んで…っ」
「そう…だから誰が死んだって
・・・・
関係ない。僕が面白いなら、他のことなんてどうだっていいよ。ねぇ…僕は、とっても憂鬱なんだ…」
(なんだ…こいつ…人の話なんか全然聞かない… )
「君に僕の気持ちはわからないし、どうせ誰も僕を知らない。
どうせ世界で誰も、僕を理解しない…」
「……世界……世界モ、誰モ、理解…シナ…イ……?」
一言呟くと、またも機械の様にもう一度呟き、蒼の脳裏に背景が蘇る。
レンズのズームイン、画面は揺れながら何かを捉えた。