02.椿
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#02.椿
「お前みて―な奴が、一番めんどくせーんだ…でもしょうがねー、お前がイヴ(主人)だ」
クロの手は見た事も無い鋭い爪に形が変わっている。
鎖に繋がれたクロの姿を見て、手品師は面白そうな玩具を見付けたような笑みに変わった。
「…困るなァ~~~~契約しちゃったァ…ああでも…へェ、真祖は契約するとそうなるのかァ…」
SERVANT
+VAMPIRE
=SERVANP
SEAVANT VAMPIRE SERVAMP
「下僕の吸血鬼 サーヴァンプ…」
「にゃあ」
「「サーヴァンプ…?」」
真昼と蒼は繰り返すようにその単語を発する。
─────SERVAMP…─────
(!……何だろう………聞いたこと、あるような…)
真昼の家でもクロが言った“SERVAMP”という言葉。
クロと真昼が言い争う中、蒼は心の中で復唱した。
「サーヴァンプ。イヴ(主人)と鎖で繋がれている間しか力を発揮できない不便な真祖~~~
しかも人間の言うこときかなきゃいけないとかめんどくさそォ~」
ケラケラ笑いながら言う手品師に、クロは「いや…そこは案外悪くねーぞ」と反論した。
思わず蒼は「どうして?」と聞いてみる。
「オレが何したって「こいつがやれって言いましたぁ」って言い訳できるしな。責任のない人生は最高だ」
「素晴らしいわっ」
「だろ?」
「ふざけんな」
キラキラ輝かせながら語るクロに、いいかげんにしろと真昼は怒りをあらわにする。
苦笑する蒼に手を出し、真昼は座り込んだままの蒼を立ち上がらせてあげた。
「つーかお前!なんで同じ吸血鬼なのに襲ってきたんだよ!?」
指を指して質問をぶつけた。
シルクハットを左手に、いかにもバカにしてるような態度で「ボク?ボクの話聞きたいの?!」と返す。
「ん~~?ボクはお使いで来たんだよォ」
「…お使い?誰の…」
「吸血鬼はみんな、7人のサーヴァンプ(真祖)の誰かから作られてて、自分を作ったサーヴァンプ(真祖)に従うことになってる
ボクが従うサーヴァンプの名前は“椿”」
「……つばき…?」
「?…… 蒼…?」
「“椿”は“キミ(怠惰)”が大嫌い★さァここで問題です~“椿”が“キミ(怠惰)”を嫌いな理由は何でしょォか~?」
シルクハットから剣を出す手品師。
獲物を捕らえるかのような鋭い瞳を輝かせながら、すかさず剣を真昼に向ける。
「答えは30秒後ッ串刺しの後ッ★」剣を振り下ろすが突き刺されることはなかった。
「な……っわあっ!?」
「へっ…!?」
手首で繋がれた鎖を引っ張るクロのお陰でなんとか免れた。
蒼もようやく、自分がクロに担がれているのだと理解した。
「クロ!!」
「わわっ!飛んでる…っ!」
「…めんどくせー自分で避けろ、飛べ」
「飛べるかっ、俺は人間だっ」
ストッと着地するクロに対し、引っ張られ宙に浮いていた真昼は、支えなく重力に逆らえる筈がなく、地面にどてっと落ちた。
「あいてっ」
一方、クロに担がれていた蒼は、スッとゆっくり降ろしてもらった。
「ん…」
「あ…ありがとう」
「めんどくせーことになったなー……どーすんだ?やっぱ逃げたほうがいいんじゃ…」
先ほどの龍征の事を思い出す真昼。
そんな真昼を心配そうに見る蒼。
二人の様子を伺うように見るクロ。
真昼は焦りを見せながらも、答えを絞り出すように、だがはっきりと言った。
「…倒すよ!」
「は―――――……少年マンガの読みすぎだな…」
頭を掻きながらめんどくさそうに言うクロ。
ちらりと蒼を見やる。
視線に気付いた蒼は、首を傾げた。
すぐに視線を逸らすクロは下を向きながらぼそっと呟いた。