01.引きこもり吸血鬼
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・・・
「そォ~~~~キミも昨日拾ったでしょォ?
・・
キミが拾ったのはドレかなァ?」
吸血鬼の真祖は7人兄弟7種類~
色欲? 暴食? 強欲? 憤怒? 嫉妬? 傲慢?
どれも違ァ~~~う
キミが拾ったのは、それら(真祖達)の長男~~
“怠惰”の吸血鬼 “スリーピーアッシュ(沈黙する終焉)”
ぺらぺらっと喋り出す手品師。
真昼も蒼も訳が分からないまま茫然としている。
「意味…わかんねぇ。何なんだよ…!?お前っ…クロの仲間…!?」
混乱しながらも聞いてみる真昼の問いに、手品師は「んーん、逆ッ」と言って身軽に地面に着地した。
「ボクらは黒猫ちゃん達のこと大っ嫌い~~~~。だーからァ、かくまうと串刺しだぞォ?
さァさァ喝采を!!出ておいでェスリーピーアッシュ!吸血鬼らしく!派手に!!たくさん殺して競争しよーよ!!
『椿』もそれを望んでる…」
最後まで言い切る前に、いつの間にか真昼の手から離れ、人の姿になっていたクロが手品師の背後から強烈な蹴りをくらわせた。
ガシャアアァンッ――…!
吹き飛んだ手品師は豪快な音をたて、蹴りをくらった手品師は吹っ飛ばされ、ショーウィンドウの窓ガラスを突き破った。
真昼もクロの登場で名前を叫ぶ。
クロの凄まじい蹴りを見せられて、またも茫然とする蒼。
ぴゃっ
「逃げるぞ」
「待て待て待て!!」
「あ、待って…!」
「……っ蒼…」ふるふる…
蒼も猫の姿に変わったクロと、それを必死で止めようともずるずると引っ張られていく真昼を追いかけようとした。
だが、近くにいた虎雪の震える声が蒼を呼び止め、ピタッと止まる。
「っ虎雪くん…」
「ど、どう…しよっ………りゅ……龍、ちゃんが…龍ちゃんが…っ…ち、血まみれ…で……っ」
「っ…!」
目の前で、血を流し横たわる龍征を見て、ぞっとする蒼。
ふるふると震える…こんな血まみれなど普段見ることはない。
…だが、何とかしなければいけない。
無理矢理自分を落ち着かせて、ショルダーバックから愛用のタオルを取り出した。
「?… 蒼?」
「とりあえず止血しないと…!」
「で、でも…こんなに、血がいっぱい…」
「このままじゃダメ!助かるかもしれない…ううん!助けなきゃ…っ」
「… 蒼……」
「大丈夫、大丈夫よ…!」
首周りにタオルをあてがい、みるみる鮮血に染まっていく。
それでも止血を止めない蒼に、虎雪は不安な表情のまま見守るしかなかった。
すると…!!
ボッ―!!
先ほど蹴られた手品師が復活し、バタバタと暴れ出す。
「あァ~~~~~!!ボクが目立ちたいのにィ~~~~!!どこ行ったァ!?…あ?」
手品師のたった一文字に、虎雪と蒼はびくっと身体を強張らせた。
互いに後ろを振り向くと、ニヤリと不気味な笑みを見せる手品師がいた。
蒼は震えながらも無意識の内に、龍征を支える虎雪を庇うように肩を抱く。
「っ蒼…?」
「…ソレまだ生きてたァ?ボクを無視するからそォいうことになるんだよォ~~~~?」
剣を向けてくる手品師に、蒼はキッと睨みつけた。
そして虎雪にボソッと「虎雪くん。止血をお願い…」と言うと、蒼は虎雪の肩から手を離しスッ…と立ち上がる。
訳が分からないまま、虎雪は慌てて止血を代わった。
虎雪と倒れている龍征の前に立ちはだかり、二人を守るように両手を広げた。
そんな蒼にぱちくりしながら手品師は見つめた。
だが直ぐ様面白そうな笑みを零して「何なのキミィ~~」と問いかける。
「っ蒼…!?」
「なんの力も無い人間のくせに、ソレ護るのォ~~~?意味わかんなァ~~い」
「…二人に、これ以上手を出さないでください!!代わりに、私を殺して構いません!!」
「っ!?」
「蒼!!何をっ…!?」
「……」
蒼のとんでもない発言に、虎雪はなんてことを言うのだと、そして手品師はその発言にアハッと笑い始めた。