01.引きこもり吸血鬼
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そして待ち合わせの時。
自分で抱いているクロをずいっと出し、必死にこれは吸血鬼だと言い張り熱弁する真昼。
そんな姿を見守る蒼、龍征と虎雪の四人がいた。
「だからっ…こいつ吸血鬼かもしれねーの!!学校で桜哉が言ってたじゃん!吸血鬼って…。こいつ本当に妖怪で…っ」
急に何を言い出すんだと、二人ともぽかんとした表情で見ている。
「あーもーなんで桜哉いねーの!?あいつなら食いつくのに!!」一人で興奮する真昼は、はー、はーと息切れをしていた。
そんな真昼を心配そうに虎雪が「えっと…真昼…?」と一言、そして龍征も「つーかそれ…猫だろ」と一言。
まぁ、妥当な回答だ。
こんな猫が人になるだなんて、現実離れもいいところ。
しーんとして動かないクロに「いや人の姿になるんだよ!!クロ!!おい人になれよ!!しーんとすんな!!」と声を荒げて叫んだ。
通りすがる人は真昼を少し見ては、何をそんな必死に主張しているんだろうという訝しげな視線を向けている。
「真昼…疲れてるの?」
「一人で悩むなよ…相談しろって」
「違う!!」
(真昼くん…どうしたって無理よ。というより、こういうのって普通、秘密にしなきゃいけないものでは…?)
一人で苦笑しながら、真昼の必死な姿を見守る蒼。
クロもフーー…と呆れたようにため息をつき、それに気付いた蒼はクロの頭を優しく撫でてあげる。
撫でている蒼を見て、…分かるか?とでも言いたそうな目つき、困ったように蒼は苦笑した。
そんな時ぱっと思いついた真昼は「あっ窓ガラス!」とウィンドウガラスを目にする。
「こいつガラスに映る姿が違─…」と、最後まで言い切ることが出来なかった。
後ろに黒い影、別の恐ろしい姿が映し出されたのだから…。
ばっと後ろを振り返ると、赤紫髪のポニーテールをリボンでまとめた一人の手品師の様な、又は大道芸人の様な人物がそこに立っていた。
「どォもどォも学生諸君!くだらない青春の道すがらァ~ボクのショーでも見ていかないっ?」
「は…!?」
「すごーいっ手品?大道芸?」
わぁっと盛り上がり観客が増えては拍手がパチパチパチと鳴り響く。
「どォもどォも、喝采をどォも!さァさァ始めるよォ~」と手品師が言ってすぐ、龍征は興味なさそうにすいっと後ろを振り向いた。
「おい手品とかいいよ。行こうぜ」
さっさと行こうとする龍征の肩を、その手品師はぐっと引き止めた。
「何―――…」その先を言わせることなく、手品師は「さァ、まず問題です~~~」と勝手に話し始めた。
【この彼がボクに止められた理由は何でしょォか~~~?】
①ボクを無視したから
②ボクの前を横切ったから
③ボクのお腹が空いたから
④ボクを無視したから
そんな変な問いに「は…?」としか言いようのない龍征。
手品師は「答えは~~~…」と回答を言おうとする…。
とても鋭い目つきで…そして!
ガブッッッ
「全部だよ死ねボケェ!!無視してっと殺すぞ!!」
龍征の首に思い切り噛みつき、血が飛び散る。
そんな非現実的なものを目の当たりにした観客たちは一斉に叫び声をあげてその場を離れた。
ドシャッと倒れた龍征に、真昼ら三人は直ぐ様側に駆けつける。
「わあァああァあああッ?!!龍ちゃんっ…」
「龍征っ」
「龍征くんっ」
「あははははははァッ。どォもどォも喝采をどォも!!やっぱ手品よりコッチの方が盛り上がるなァ~~
・・・
手品師より吸血鬼の方がレアだもんね~~~?」
「「吸血鬼!!?」」
手品師の言う吸血鬼というワードに、真昼と蒼が直ぐ様反応した。
街灯の柱で宙ぶらりんになりながら、手品師は不気味な笑みを露わにして真昼に問いかける。