01.引きこもり吸血鬼
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「…死ぬほどバカだな…言ったそばから…」
「なっ…何だよ今の!?」
「めんどくせー…」
「めんどくさがるな説明しろ!!」
(な、なに、今の…光が出てきて、輪っかになって、え?なに?夢でも見てるの…?……でもこの感じ、どこか、で…)ふら…
真昼が胸倉を掴み、あーだこーだ、説明とかめんどくせーだのシンプルにやれだのと会話を続けている。
頭がぐるぐる、まるで知恵熱でも出そうな勢いで、蒼も混乱していた。
「文句の多い奴だな…」
「は!?」
「とりあえず…これだけは確実に言える。
俺とお前は死ぬほど気が合わねえ」
「奇遇だな、俺も今そう思ったよ!!」
「ところで…」
「なんだよ」
ふいっと男の子は蒼の方を見やる。
「その子、大丈夫か?頭から湯気出てっけど…」
「へ?」
ぱっと真昼が見ると、目をぐるぐるにして洗濯物を抱えたまま倒れている蒼がいた。
「わああああ蒼―――っ!!」
「ふえ~~…ストレージオーバーれす〜…」
「それスマホの容量!しっかりしろー!」
「めんどくせーな…」
とりあえず倒れている蒼をソファーに座らせ、なんとか落ち着かせた。
顔が少し火照っていた為、濡らしたタオルも渡して…。
そして二人は事情を聞いた。
・・・・・・
「「飼われる専門の吸血鬼…!?」」
「まー…なんつーか…、契約した主人からのみ血をもらってー…主人の命令にはー…めんどくせーけど従うっつーか…
【下僕-SERVANT-の吸血鬼-VAMPIRE-】…ってことで一応名前があってー…お前に言ってもしょうがねーんだけどー…」
─────トクン…─────
(なに…今の)
蒼の鼓動が一つ、大きく響いた様に感じた。
ごろごろ、もきゅもきゅとポテチを食べる男の子の正体は、真昼が前日拾った黒猫。
それを聞いた蒼も額に濡れたタオルを当てたままびっくりしていた。
だらだら話し、ごろごろくつろぐだらけさ全開のクロに、掃除機を掛ける真昼の非難の声が飛ぶ。
「だらだら喋んなイライラする!よくわかんねーけどもういいから帰れ!!」
「その予定だったのにさっきので事情が変わった。おいお茶、おかわり」
「あ、私淹れましょうか?」
「いいよ蒼!休んどけって。それとお前はくつろぐな!!」
「もしかして、さっきの光の輪っかみたいなのが、その、さっき言ってた契約、になるんですか?」
「いや…『仮契約』。死ぬほどめんどくせールールで縛られた。これからもし、オレとお前の距離が離れたら…」
「…離れたら…?」
「は、離れたら?」
「まあ…なんかなるぞ。忘れたけど」
「えー!気になる!」
「あーもーイライラするー!!こいつはー!!」
真昼の苛立ちは増していく一方。
そんな中蒼は、信じられないけど今起こっている現実を受け入れようと頭の中を整理した。
昨日拾った黒猫は、実は吸血鬼。
しかも飼われる専門という変わったもの。
真昼がクロの名前を呼び、仮契約をした。
離れるとなんかなるらしい。
肝心なところが気になるけれど…。
とまぁ、そんなところだ。
説明の時、名前を呼んではいけないと言われて、呼ばないようにしている蒼。
けれど、その男の子はまぎれもなくクロなのだ。
「まあ、落ち着け、24時間以内にオレに血を飲ませなければ大丈夫……って、飲ませろっていうネタフリじゃねーからな?」
「もうお前黙れ!!ポテチこぼすな!!」
ゴー~と掃除機で吸われ、クロはに゙ゃ~~~?!と声を上げる。
「可愛いペットを掃除機で吸うなんて…っ。吸血鬼より人間の方がよっぽど残酷だ…」
「うるせー!!可愛くねーしペットじゃねー!!そんで24時間過ぎれば仮契約(?)は解除になるんだな!?」
ごろごろとやりとりをしているのを、蒼はぼんやり眺めている。