ト書き
グルチリ+ポピーちゃん ト書き
2024/10/13 20:05随分前にX(Twitter)で呟いたグルチリ+ポピーちゃんのト書き。気になるところは手直し済み。⚠️無駄に長い
◇◇◇
グルチリが結婚するにあたって、ポピーちゃんはどう受け止めるのか。手加減なしでポケモンバトル出来て、自分のことを対等に扱ってくれて、でも妹のように可愛がってくれるチリちゃんのことを大好きだと思うんだ
チリちゃんは自分の大切な人(グルーシャ君)をポピーちゃんにも知ってほしいし、好きになってもらいたいから彼のことを休憩時間やお昼ご飯の時に楽しそうに話す
ポピーちゃんはチリちゃんとのお話は楽しいし、グルーシャ君の知らない面を知れて面白いと思ってる。でもチリちゃんが、時折見たことのない女の人の顔でグルーシャ君のこと話してるから、チリちゃんが遠くに行ってしまったみたいで寂しくなっちゃう
それでなんとなくチリちゃんを避けてしまう。結婚のお祝いはしたいし、もっとチリちゃんから二人のお話聞きたいけど、もうポピーのことは大事じゃないんですね……って赤ちゃん返りじゃないけど不安定になっちゃう
一方チリちゃんの方でも最近ポピーに避けられてる気がする……って結婚式の打ち合わせでチリちゃんの家に訪れたグルーシャ君に相談してる
「ポピーさんに避けられてる? なにかあったの?」
「なんもないって! 喧嘩したわけでもないし。いつも通りと言えばそうやねんけど……なんちゅーかよそよそしい気がすんねん。うちなんかしてもうたんやろか……」
テーブルに突っ伏して「あかん……ポピーに嫌われたらチリちゃん生きていけん……」って本気で落ち込んでるから、色々聞き出してみるグルーシャ君
「どんな時に距離があるように思うの」
「そうやなぁ……リーグのみんなと居る時は普通やけど、二人で遊んだり話してる時に一歩引かれてるような……ってやっぱしうちのせいやんか! チリちゃん気づかんうちになにしたんよ……」
わぁぁん、とドオークッションを形が変わるほど握りしめて叫んでる
「……それってさ、なんの話してる時によくそうなる?」
「うーん、最近やと結婚式の準備とかあんたとの話しとる時やろか」
「そう……」
なんとなーくポピーちゃんの気持ちを察したグルーシャ君
「明日、オモダカさんと式のことで話すことがあるからそれとなくポピーさんに聞いてみるよ」
「ほんならうちも一緒に!」
「ううん、一人で行かせて。チリの姿が見えない方が話しやすいこともあるだろうし」
「……そ、か……そやな。チリちゃん嫌われてもうたんやもんな……居らん方が……ぐすっ……ポピ~」
チリちゃんの頭を撫でて落ち着かせようとするグルーシャ君
「嫌われたとかそういうのじゃないはず。むしろ好きだからこうなってるんだと思う」
「なんやのそれ。なんで好きなのに避けられとんの。グルーシャはポピーの気持ち分かるん?」
「なんとなく、だけど」
◇◇◇
翌日、グルーシャ君はチリちゃんから聞いたポピーちゃんのリーグ出没スポットに行ってみると、デカヌチャンと中庭でお昼ご飯を食べてるポピーちゃんを発見
ベンチで足をぶらつかせながらため息ついて、お弁当をちまちま食べてるポピーちゃんを心配そうに見てるデカヌチャン。近づくグルーシャ君に気付いて、ちょんちょんとポピーちゃんをつついて知らせる
「デカヌチャン? どうしたんですの?」
「こんにちは、ポピーさん。ぼくもここでお弁当食べていいかな?」
「グルーシャさん!……あ、そのぉ……ポピーおいとまするのでどうぞごゆっくり……!」
慌ててお弁当セットを片付けようとするポピーちゃんを優しく引き留めるグルーシャ君
「待って。ポピーさんと一緒に食べたいと思って来たんだ。良かったら一緒に食べない?」
「ポピーと? 今日はチリちゃんお出かけしてるので居ませんのに?」
「チリさんは関係ないよ。君とゆっくり話してみたかったんだ」
グルーシャくんが持ってきたレジャーシートを広げておべんとタイムが始まる
「わぁ、グルーシャさんお料理上手なのですね! この唐揚げとっても美味しいですの! おにぎりもアルクジラちゃんのお顔が可愛いです!」
「ありがとう。良かったら他のも食べて」
「わーいです! こちらのハートの卵焼きいただきますね」
「どうぞ召し上がれ」
嬉しそうに卵焼きを頬張ると動きが止まるポピーちゃん
「この卵焼き……チリちゃんが作るのとそっくりなお味がします」
「よく分かったね。この卵焼きはチリさんが作ってくれたんだ」
「そうなの、ですか……」
──ポピーちゃん卵焼きしょっぱいのしか知らんの? うちんとこの卵焼きは甘くて美味しいで。今度作ってきたるわ!
──お待ちどおさん! 約束しとったチリちゃん特製卵焼きや! これからポピーちゃんのためにぎょーさん作るさかい、一緒に食べよなぁ。皆には内緒やで
(ポピーだけの卵焼きだと思ってたのに。グルーシャさんはチリちゃんと結婚するのですから知ってて当たり前ですよね……でも……)
「チリちゃんのうそつき……ポピーのためって言ってたのに……」
胸から提げてる鍵バッグを俯いて抱き締めるポピーちゃん
「ポピーさんはチリさんのことが嫌いになったの?」
「いいえ! チリちゃんのこと大好きです! でも……最近のチリちゃんはグルーシャさんのことばかりお話してて。ポピーの知らない人みたいに見えて寂しいのです……」
「そっか。それでチリさんを避けてたんだね。心配してたよ。気付かないうちにポピーさんになにかしてしまったんじゃないか、って」
「チリちゃんは何も悪くありません! ポピーが悪い子だから……もっとお祝いしなきゃいけないのに悲しくなってるのチリちゃんに知られたら、ポピー嫌われてしまいます……!」
小さな手袋を嵌めた掌で顔を覆うポピーちゃんを、物陰から聞いてたチリちゃんが飛び出して力いっぱい抱き締める
「うちがポピーのこと嫌うわけないやろっ! ごめんな、そないに寂しい思いしてんの気付かんで」
「チリちゃん!? どうしてここに?」
突然のチリちゃんにお目目を丸くしてるポピーちゃん
「グルーシャに協力して貰ったんよ。最近ポピーが元気ないから理由を知ろ思て。盗み聞きしてほんまごめん」
「チリちゃんは謝ることないです。ポピーはチリちゃんのお話聞くの大好きですの。でも……たまにチリちゃんが知らない人みたいで、もうポピーは要らない子なんじゃないかって……ひっく……」
「なにアホなこと言うとんの! 要らない子なんてそないなわけないやろ! ポピーはうちの大事な友達や。グルーシャと結婚してもうちとポピーはずーっと変わらんよ」
「うっ……うわぁぁぁん! チリちゃぁぁぁん! ポピーもずっとずーっとチリちゃんとお友達でいてほしいです!」
「ほんなら大丈夫。チリちゃんもポピーもそう思っとるんならずっと友達や」
わんわん泣いてるポピーちゃんを背中を擦ってなだめるチリちゃん
「もうグルーシャの話はあんまりせんようにするな。チリちゃんの好きになった人をポピーちゃんにも好きになってほしくてたくさん話してしもたけど、ポピーちゃんの気持ちも考えんで独りよがりやったわ」
「それは嫌ですの! グルーシャさんのお話もっとポピー聞きたいです。それに、チリちゃんのお顔が知らない人みたいって言いましたけれど、ママがパパのこと見てる時のお顔にそっくりだって気づきましたの! チリちゃんとグルーシャさんをママとパパだと思えばちっとも寂しくないのです! だからいーっぱいグルーシャさんのお話してくださいね」
「ま、ママとパパ……」
突然のポピーご両親と重ねられてチリちゃん照れちゃう
「それにチリちゃんが教えてくれた、グルーシャさんが猫ちゃんべろのお話とっても可愛いかったですの! 何度もふぅふぅしないと食べれないのポピーと一緒ですもの! あと、チリちゃんの膝枕で寝ちゃうのもポピーと同じですし、グルーシャさんともお友達になりたいのです!」
今まで黙って見てたグルーシャ君がポピ&チリの側にゆらりと近寄ってくる
「……感動のシーンのところ悪いけど、ポピーさんになに吹き込んでたのさ」
「堪忍やで、グルーシャ! あんたの可愛いところポピーと共有したかったん! ほれ、ポピーもあんたに親近感持ってるみたいやし結果オーライやろ?」
「な?」と片目を瞑って顔の前で手を合わせて謝るチリちゃんと、深いため息ついてポピ&チリの目線に屈むグルーシャ君
「チリさんが言ってる話はキレイさっぱり忘れて。でもぼくもポピーさんと友達になりたいな。ぼくもポピーさんもチリさんのことが好きなんだからきっと仲良くなれると思う」
ポピーちゃんに向けて手を差し出すグルーシャ君。その手と優しく微笑む顔を見て、チリちゃんの腕の中からグルーシャ君の元へと飛び込んでいくポピーちゃん
「はいですの! ポピーとお友達になってください!」
──あんな、ポピーにだけは教えたるけどグルーシャの笑顔ってむっちゃ優しくてドキドキしてまうで。ポピーにも見せたりたいなぁ
(前にチリちゃんが教えてくれた笑顔はこれだったんですね!)
「なんやなんや、二人でいちゃつきよって。チリちゃんも混ぜんかーい!」
グル&ポピを覆うように抱き締めるチリちゃん
「ちょっと! ポピーさんが潰れるだろ! チリさんはいつも抱っこしてるんだから、今ぐらいぼくに譲ってよ」
「はぁぁ? 残念でしたぁ。ポピーはチリちゃんのことが大好きなんですぅ。ほれ、チリちゃんとこおいでー」
腕を広げておいでってしてるチリちゃんに、ぷいっと顔を背けてグルーシャ君の胸の中に入り込むポピーちゃん
「……チリちゃん嘘つきだから行きません」
ガーーーン! 衝撃の余りよろめくチリちゃん
「なっ、なにが……?チリちゃんなんの嘘ついたって……?」
「卵焼き……」
「卵焼き? それがどないしたん」
「……甘い卵焼きはポピーとの内緒って言ってましたのに、グルーシャさんにも作ってましたの」
「あれはな……っ!」
チリちゃんが話そうとするのをグルーシャ君が止める
「ポピーさん、それはぼくが訂正するよ。あの卵焼きはぼくのためじゃなくて正真正銘チリさんがポピーさんに作ったものだよ。ポピーさんがきっと卵焼きを選ぶと思って朝から一生懸命作ってた」
「グルーシャな、甘い卵焼き苦手なんやて。前にポピーと食べよ思て作ってたの味見で一個だけ食べさせたら、口に合わんかったみたいでな。それからグルーシャには甘いのは作らんねん。せやから甘い卵焼きはチリちゃんとポピーちゃんだけのもんやで」
グルーシャ君の方を向いても頷いて肯定している
「そうなのですね……。嘘つきって言ってごめんなさいです……」
「ああ、落ち込まんといて! 分かってもらえたんならそれでエエよ。これからもポピーちゃんには嘘つかんって約束したる」
指切りで小指を絡めるチリ&ポピ。一件落着したところでグルーシャ君が声を掛ける
「ひとまず解決かな。そろそろ昼休憩が終わるから急いで残りを食べよう」
「はいですの!」
「チリちゃん、お腹ぺこぺこやぁ」
レジャーシートに三人で座って食べるけど、端から見たら親子のピクニックにしか見えない光景だね。甲斐甲斐しくポピーちゃんのお世話するグルーシャくんがいるかも
「はい、ポピーさんのお茶」
「ポピーさん、顔にソースついてる」
「なんでも食べて偉いね、ポピーさん」
「ちょいグルーシャ! あんたポピーちゃんに構いすぎなんちゃう? 仲良しと甘やかすのはちゃうで」
「……あの、グルーシャさん」
「ごめん。嫌だったかな」
子供扱いしないでって怒られるかもと少々びくつくグルーシャ君。子供と関わったこと少なそうだし、距離感分かってなさそうなイメージ
「お友達で《さん》は変だと思うのです」
「うん?」
「チリちゃんは《ポピーちゃん》って呼んでくれてますの。それならお友達になったグルーシャさんも《ポピーちゃん》って呼んでほしいです!」
「なっはは、そら確かに! 友達なのに《さん》付けは堅っ苦しいわ。ほれグルーシャも呼んでみ? 『ポピーちゃん』って」
からかうように肘でグルーシャくんを小突くチリちゃん
「いや、でもポピーさんは四天王でぼくより立場が上で、馴れ馴れしいのは周りに示しがつかないというか」
「……ポピーとはお友達じゃないんですの?」
瞳うるうるしてしゅんとするポピーちゃんに、食い気味に「友達だよっ! ポピー……ちゃん……」ってグルーシャくんが照れて言うものだから、チリちゃんにやにやしながら見てる
「わぁ、嬉しいです! これから宜しくお願いしますね、グルーシャくん!」
ポピーちゃんが満面の笑みで喜んでるから、今後の呼び名確定しちゃったね。これから毎回「ポピー……ちゃん」って一瞬変な間が空きながら呼んであげるんだ。……の間は葛藤と羞恥が駆け巡っていることでしょう(笑)
「グルーシャ君やて……ぷぷっ、可愛い呼び名もらえて良かったなぁ」
「うるさい」
照れを誤魔化すように、からあげをチリちゃんの口に突っ込むグルーシャくん。そんなグルチリのやりとりを見ながらポピーちゃんがにこにこで爆弾発言する
「早くチリちゃんとグルーシャくんの赤ちゃんと遊びたいですの」
「「!!!?!?!」」
「ポピー、優しくお世話してたくさん遊んでポケモンバトルもしたいです!」
「「ポピーちゃん!?」」
「あ、でもポケモンバトルはまだダメですね。ポピー強いからきっと赤ちゃん泣いちゃいます。デカヌチャン、大きくなるまで待ってましょうね」
ポピーちゃん自戒してるけど、そうじゃない。ついでにさらりと自分強い発言もしてるけど、そこに驚いてるんじゃないのよグルチリさん達
「いつ赤ちゃん来ますか? ポピー待ち遠しいです!」
「さ、さささぁ? 当分先なんやないの? なぁグルーシャ」
動揺してるチリちゃんに対して、グルーシャ君は自信ありげにポピーちゃんに告げる
「早く会えると思うよ。ぼくたちが仲良しだと赤ちゃん来てくれるみたいだし」
「わぁ、素敵ですの! でしたら二人は仲良しさんですし、すぐに赤ちゃん来てくれますね。チリちゃん、グルーシャ君のことだぁい好きですもの」
「ぽ、ポピー!? 何言っとんの!?」
「ふーん、そうなんだ。それなら尚更赤ちゃんが早く来てくれるように頑張らないと」
「楽しみですの~」
グル&ポピはにこにこ楽しそうにしてるのに対し、一人顔を真っ赤にしたチリちゃんがおったとさ
おしまい
ポピーちゃんと絡むグルチリ大好き。そんなこんながあって、結婚式のお色直しのエスコートはサプライズでポピーちゃんにお願いしてたら可愛いな。年齢を越えた友情&信頼関係って素敵。チリ&ポピにグルーシャ君を添えたら化学変化楽しいはず。グルーシャ君は子供苦手そうだけど、ポピーちゃんを通して未来のお子さんとのやりとりを練習してください
思ったより長いト書きになったけど楽しかった!