ト書き
授業参観
2024/06/07 07:02お子さんが通うアカデミーの授業参観には、男性らしい&女性らしい服装で訪れるグルチリ夫婦の絵力の強さ凄そう、って思っただけのト書き
※あくまでもグルチリメインの妄想。お子さんの性別・容姿の描写はなし。便宜的にお子さんは両親のことを「パパママ」呼びし、標準語を使ってます (運動会ト書きの注意書と同様)
※ト書き故、視点は定まっておらず所々に筆者の思いが突っ込まれています。あくまで自分が楽しいだけのメモなので
◇◇◇
普段家ではユニセックスな服を着回し、夫婦で兼用してることもあるグルチリ夫婦。無個性というより、自分達の着たいもの着てるってイメージ。子育て中だし家ではラクな格好して子供の遊びに付き合ったり、ポケモンの世話もあるしで着飾ってはいないけど。そんな夫婦が学校行事に参加する時は、あの顔面とスタイルの良さを前面に押し出してきたらクラス中(むしろアカデミー中)ざわつきそう
参観日前夜には自分達の性別が万が一にも間違われないようにコーディネートし合うグルチリ夫婦。寝室のクローゼットの前でああでもないこうでもないと相談してるグルチリは可愛いだろうな
特にグルーシャ君は今までの人生において、マフラーで口元を覆っていると女顔に誤解されてきてるだろうし、そのせいで子供にいらぬ迷惑をかけたくないと思っていそう。チリちゃんセレクトのセットアップ+首元の見えるVカットシャツ&髪は束ねたレアなパパの姿に、お子さんも教室でビックリしちゃうね
対するチリちゃんの服はグルーシャ君の監修入りまくり。女性らしく見える服装にするのは子供のためだと理解してるけど、そもそもグルーシャ君にはチリちゃんの姿はいつだって『女』でしかないし。それにあんまり女性らしい服装を着てるチリちゃんのことを他人に見せたくないって独占欲もあってなかなか決まらない
埒が明かず「これでええやろ」って無難な参観日ワンピースを選ぶチリちゃんに
「だめ。足見えすぎ」
「七分丈でかい。ほんなら……これやったら足も見えんし、動きやすくてええんちゃう?」←パンツルックコーデを掲げる
「それはボディライン出過ぎ。男親も多く来るんだから気をつけなよ」
「あほか。子供の参観日に変な気おこす親がどこにおんねん」
チリちゃんの苦言を無視し、クローゼットの隅から隅まで吟味してるグルーシャ君。ようやく夫婦の折衷案として採用されたのが、ジャンパースカートとタートルネックの、露出は控えつつ母親みを感じられるお召し物(←自分のファッションセンスが皆無で説明できない💧)
幼い子供って良くも悪くも正直だから、自分達の見た目のせいで子供がからかわれることが無いようにって配慮したのはいいけど、逆に美男美女過ぎてクラスメイトに質問攻めに合うんじゃないかな(苦笑)
◇◇◇
夕方。お子さんを玄関で出迎えるグルチリ夫婦。グルーシャ君はジャケット脱いだけれど、参観日ルックのままの二人を見てお子さんは盛大なため息をつく
「はぁぁぁ、ただいま……」
「おかえり~! いや~、算数ん時スゴかったなぁ! あんな難しい問題、手ぇ挙げて答えるやなんて!」
「ドッジボールも皆と協力してて良いプレイだった」
グルチリ夫婦は自分のことのようにお子さんの成長を喜んでいるけど、げっそり気味なお子さん
「パパとママ……もうアカデミー来ないで」
「「なんで!!?」」←慌てふためくグルチリ
「だって休み時間大変だったんだよ! 女の子からはパパのこと聞かれて、男の子からはママのこと聞かれて全然遊べなかったんだから! それに知らない大人の人達からも二人のこと聞かれて、すっごく恥ずかしかった!」
「なはは……そらまぁなんとも……」
「……ごめん」
性別をはっきりアピールするのも良くないのか……
子育てって難しい……
と反省する夫婦。でもまだお子さんの不満は終わらない
「それにパパとママ、何したの? 帰ろうと思ったら、今度は女の子がママのこと『カッコいい』って言ってたし、男の子がパパのこと『かわいい』って盛り上がってたんだよ!」
ぷりぷり怒りだしたお子さんを前にひそひそ話をしだす夫婦
「ちょっ、グルーシャあんた何しとんの。可愛い言われたなかったんやろ?」
「そっちこそ格好いいってどういう事? チリはいつだって可愛いのに」
「そういうこと言うてんやないの……」
グルーシャ君の的外れな質問にがっくりするチリちゃん
◇◇◇
時は遡り、数多もの子供達の初恋泥棒疑惑を抱かれている、無意識グルチリ夫婦になにがあったかというと
チリちゃんは懇談会を終えてアカデミーから帰る途中、名物(?)の長階段から足を踏み外し落ちそうになった女子生徒を助けた。生徒の腰に手を伸ばし、長い足で踏ん張る様はさながら宝塚歌劇団のようなポージングだったものだから、周りにいた人も助けられたお子さんもドッキドキ。とどめに低めの焦った声色で「大丈夫やった? 気ぃつけて帰り、お嬢ちゃん」って颯爽に去っていく初恋泥棒チリちゃん
一方グルーシャ君は懇談会には参加せず、ポケモンや自分達の夕飯の支度のため、一足先に帰宅しようと妻と分かれ校内を歩いているけれど。お子さんの教室から離れたから束ねていた髪をほどき、防寒と顔を隠すためにマフラーを巻いたら(マフラー巻いてる方が落ち着くって思ってそう)曲がり角で走ってきた男子とぶつかる
「わわっ、ごめんなさい!」
「おっと。大丈夫? 怪我はない?」
抱き締めるようにお子さんを守ったグルーシャ君。男の子は廊下を走ったこととぶつかったことで怒られると思い、瞳が滲んでいる。不安を和らげようと、目線を合わせて屈み、頭ぽんぽんしながら優しい声色で「怪我がなかったなら良かった。でもこれからは廊下は走らないようにね」ってチリちゃんから教わった指切りげんまんを、微笑みながらするものだから男の子ぽーっとしちゃう。「あ、もうこんな時間。ご飯作らないと」って呟いて去っていくのが聞こえ、中性的な見た目も相まってお母さんと勘違いされちゃったグルーシャ君(←うまく纏まらなかった……💧)
そんなこんなでアカデミー中に話がすぐに広がり、グルチリのお子さんの耳にも入る
(それ、うちのパパとママ!? なにしてるの!?)
って両親が話題に上がりっぱなしで、嬉しやら恥ずかしいやらの微妙なお年頃です
◇◇◇
話は戻り、まだ玄関先でやいのやいの話してる仲良しな両親に向けて、お子さんが思っていたことを零す
「やっぱりパパとママはいつもの服の方がいい。○○(←お子さんの名前)とポケモン達と一緒に遊んでくれる時の方がカッコ良くて可愛いもん」
我が子の言葉にじーんとしちゃう子煩悩夫婦
「ぼく着替えてくる」
「こら、抜け駆け禁止やで! チリちゃんが先に着替えたる!」
「なら一緒に着替えればいいでしょ」
「あほ抜かせ!」
肩を押し合いながら早足で寝室に戻るグルチリに向かって
「パパ! ママ! 『あの服』がいい! ○○も同じのに着替えるから!」
「任せといて」
「ほんならリビングに集合な~」
我が子の可愛いリクエストを聞き、振り向くグルチリの顔は嬉しそうに綻んでるんだろうな。着替え終え、顔を合わせると胸元には「OTON」「OKAN」「MUSUKO(MUSUME)」もしくは「父」「母」「子」ってデカデカとプリントされてる色違いパーカーを身に纏った一家
性別も親子関係も一目瞭然なお召し物&自分だけしか知らない格好のパパとママの姿にご満悦なお子さん。定位置であるソファの真ん中に座ると、両側を大好きな両親が包み込んでくれる。いつの間にかポケモン達もリビングや中庭に出て遊んでいる光景に、やっと自分だけの二人に戻ってくれたって安心しておやつ食べるお子さん~。そんなお子さんを見て目を細めるグルチリ~
ううっ、幸せグルチリ一家大好き
◇◇◇
尻切れトンボのまま終わる。参観日ルックのグルチリと主張激しめプリントのパーカーを自信満々に着こなす一家が見たかったってだけの妄想。優柔不断だからパーカーの柄が英字も漢字もそれぞれ味があって選べない。お子さんのために四苦八苦しながら頑張るグルチリは可愛いはず! グルチリに幸あれ!