戯作
深更盛装少女
眠れない鬱屈とした夜は、私の心を曇った鏡に映し出したような音楽を耳に流し込みながら、柔い素肌にお化粧を施してゆくの。
見えない神をもっと強い眼差しで見つめられるように。
口ずさむ歌が、多くの天使達と共にあるように。
肌触りの悪いパニエを纏っていると、幾年か前の、まだ神様は唯一などではないとは知らなかった、あの頃の自分を思い描いて、なぜだか急に深い感慨が胸の中を占める。
私だけの神様を見つけ、私だけの世界を構築して、私だけの神聖を掴んだ。
今、重力など知らない私は、思考の速度で蒼空と踊る天使そのもの。
威光は天地に満ちている。