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ナマエと友人が談笑しているとき、友人の後ろにちらりと現れたスディチがすぐさま踵を返して去っていった。ナマエはそれに気づいて、会話を切り上げて後を追った。
「スディチ」
「何」
人気のない廊下でスディチは立ち止まった。ナマエに背を向けたまま振り返らない。ナマエが友人にスディチは一番下の弟のようだと言ったのが聞こえていたらしい。
「スディチ……」
再度の呼びかけにスディチが不服そうに振り向くと、ナマエは片膝をついて上目遣いでスディチの様子を伺った。
「さっきの、どういうこと?」
「誤魔化そうと思って」
「……」
二人の関係を絶対に言わないでと言ったのはスディチだ。だが他人からからかわれるのを想像するのと同じくらい、ナマエってミニマリストの兄みたいだと言われるのもいやだとわかった。自分のせいでは何も言えないが、不満が消えるわけではない。
「……アヴドーチャとも近いし!」
「パゼオンカはスディチがいるから現れるんだ……普段は滅多に会わないよ」
アヴドーチャと並ぶと彼女のヒール込みでもナマエのほうが少し大きいくらいで、背丈のバランスの良さを感じる。ナマエがスディチと立ち話しをするときはすぐに膝をつく。片膝を立ててそこに腕を乗せる姿がさまになっていて好きだが、それを伝えたことはない。スディチのほかに誰かがいるときは、よくスディチの肩に手を乗せる。それも嬉しいが、スディチが自然にナマエの肩に手を乗せるのはむずかしく、これも差を感じる。
今もスディチより少し下にある顔に一歩近づくと、ナマエはすぐに腕を広げた。身体を寄せるとしっかり抱きしめられる。
「ごめん」
「何に謝ってる?」
「弟みたいって言ったこと」
「……いいよ」
「ありがと。友達でいいよな。親友?」
「……言っていいから。もう、弟とか友達って言われるのに慣れるより、からかってくるやつらが飽きるほうが早いだろうし」
ナマエはただ微笑んでスディチの顔を見つめて、もう一度しっかり抱きしめた。スディチもそれを返す。ナマエは知っているが、もうすでに何人かにバレていて、二人が公言しないことを気遣って黙っていてくれている。ただ、はっきりさせていないからナマエが軽いだけにも見えるせいで、パゼオンカが迫ってくるのだろう。そう思ったが、はっきりさせてもパゼオンカは変わらないかもしれない。
「わかった」
「あと、いちいちしゃがむの怠くない?」
「こうして近づきたいからな」
ナマエは、んーと声を出しながらスディチの頬に口づける。
「いや?」
「い、いやじゃないけど」
「さっそく、訂正しに戻るか」
「わざわざ行かなくていいから!」
それじゃあデートにしようかと提案するナマエに、スディチは描きかけの図形があると答えて、二人でスディチの作業場に向かった。
「スディチ」
「何」
人気のない廊下でスディチは立ち止まった。ナマエに背を向けたまま振り返らない。ナマエが友人にスディチは一番下の弟のようだと言ったのが聞こえていたらしい。
「スディチ……」
再度の呼びかけにスディチが不服そうに振り向くと、ナマエは片膝をついて上目遣いでスディチの様子を伺った。
「さっきの、どういうこと?」
「誤魔化そうと思って」
「……」
二人の関係を絶対に言わないでと言ったのはスディチだ。だが他人からからかわれるのを想像するのと同じくらい、ナマエってミニマリストの兄みたいだと言われるのもいやだとわかった。自分のせいでは何も言えないが、不満が消えるわけではない。
「……アヴドーチャとも近いし!」
「パゼオンカはスディチがいるから現れるんだ……普段は滅多に会わないよ」
アヴドーチャと並ぶと彼女のヒール込みでもナマエのほうが少し大きいくらいで、背丈のバランスの良さを感じる。ナマエがスディチと立ち話しをするときはすぐに膝をつく。片膝を立ててそこに腕を乗せる姿がさまになっていて好きだが、それを伝えたことはない。スディチのほかに誰かがいるときは、よくスディチの肩に手を乗せる。それも嬉しいが、スディチが自然にナマエの肩に手を乗せるのはむずかしく、これも差を感じる。
今もスディチより少し下にある顔に一歩近づくと、ナマエはすぐに腕を広げた。身体を寄せるとしっかり抱きしめられる。
「ごめん」
「何に謝ってる?」
「弟みたいって言ったこと」
「……いいよ」
「ありがと。友達でいいよな。親友?」
「……言っていいから。もう、弟とか友達って言われるのに慣れるより、からかってくるやつらが飽きるほうが早いだろうし」
ナマエはただ微笑んでスディチの顔を見つめて、もう一度しっかり抱きしめた。スディチもそれを返す。ナマエは知っているが、もうすでに何人かにバレていて、二人が公言しないことを気遣って黙っていてくれている。ただ、はっきりさせていないからナマエが軽いだけにも見えるせいで、パゼオンカが迫ってくるのだろう。そう思ったが、はっきりさせてもパゼオンカは変わらないかもしれない。
「わかった」
「あと、いちいちしゃがむの怠くない?」
「こうして近づきたいからな」
ナマエは、んーと声を出しながらスディチの頬に口づける。
「いや?」
「い、いやじゃないけど」
「さっそく、訂正しに戻るか」
「わざわざ行かなくていいから!」
それじゃあデートにしようかと提案するナマエに、スディチは描きかけの図形があると答えて、二人でスディチの作業場に向かった。