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「どうしてもお前の力が必要なんだ」
「俺の?」
リーの事務所を補える力に思い当たらないが、話を聞くと、情報を聞き出したい相手が酒豪で有名らしかった。
「ああ……翌日は頼んだぞ」
「そこんとこは任せてくれ。いやぁ、話が早くて助かる!」
当日、小型のマイクを懐に忍ばせて飲み屋に赴いた。
リーは店の近くに車を停めて、車内で録音しつつ聞き耳を立てている。
ナマエはターゲットに近づいて飲み比べを仕掛けた。酒が回ってきたところで名前や出身など適当なことを聞いて、最終的に目当ての情報を聞き出せたはずだ。
「じゃあな、また……また、飲もう」
「おう……おお……」
ナマエが挨拶をして席を離れると、相手はほとんどテーブルに突っ伏して弱々しく手を振った。ナマエはなんとか自力で店を出たが、足取りがおぼつかない。
「ナマエ、車はこっちだ! ちょっと、おい!」
「ああ、分かってる」
「はぁ、そりゃよかった」
店を出て角を曲がったところで背後から声をかけられて、リーがいたことを思い出した。なんとか身体を御しながらそちらに向かう。
「ナマエ、着いたぞ!」
「ん……そうか……」
いつのまにか寝ていたらしく、リーの手で車の外に引っ張り出される。運ばれたのはナマエの部屋だ。リーは家主のように慣れた仕草で鍵を開ける。部屋に入ってドアが閉まると、リーはナマエの胸倉に手を突っ込んだ。ナマエはその手を掴んでリーを見つめる。すぐに懐のマイクが目当てだと思い至ったが、そのまま腕を引いて顔を寄せた。
「酒臭……」
眉を顰めつつも受け入れられて口を重ねる。ナマエは服を脱ぎ捨て、上裸になって口角を上げる。そしてカーペットもない素のフローリングに突っ伏した。
「お……おい、ナマエ? はぁあ……」
リーに力の抜け切った酔っ払いを運んでやる気力はない。ナマエは飲んでも顔色が変わらないので読み損ねてしまった。寝室から運んだ掛け布団をそっと掛けて、一度事務所に戻った。
翌朝、七時を少し過ぎた時間に、地鳴りのような声を上げてナマエが目を開けた。
「うう……」
「ほい、水」
「ありがたい……情報はどうだった?」
「おかげで確認できた」
「そうか……」
コップの水を飲み干したナマエは、呻きながらリビングのソファを目指して、そこで改めて眠りに落ちた。ナマエが次に目を開けたのは昼間だった。顔を顰めながら起き上がり、黙って浴室に消える。しばらくして戻ってきたナマエは上裸にスウェットパンツを履いて首にタオルを掛けた格好で、大きく息を吐きながらリビングのソファに腰を下ろした。
「記憶はちゃんとあるか?」
「たぶん。帰路はあまり覚えてないけど、車で寝てたんだよな?」
リーはナマエの正面に立つと、両足を跨いでナマエを見下ろす。ナマエはふと頬を緩めてリーの腕を引いた。
「覚えてるよ」
ふん、と口角を上げるリーに口づけて相手の服に手を掛けた。
お腹も空いているが、黙っておいた。
「俺の?」
リーの事務所を補える力に思い当たらないが、話を聞くと、情報を聞き出したい相手が酒豪で有名らしかった。
「ああ……翌日は頼んだぞ」
「そこんとこは任せてくれ。いやぁ、話が早くて助かる!」
当日、小型のマイクを懐に忍ばせて飲み屋に赴いた。
リーは店の近くに車を停めて、車内で録音しつつ聞き耳を立てている。
ナマエはターゲットに近づいて飲み比べを仕掛けた。酒が回ってきたところで名前や出身など適当なことを聞いて、最終的に目当ての情報を聞き出せたはずだ。
「じゃあな、また……また、飲もう」
「おう……おお……」
ナマエが挨拶をして席を離れると、相手はほとんどテーブルに突っ伏して弱々しく手を振った。ナマエはなんとか自力で店を出たが、足取りがおぼつかない。
「ナマエ、車はこっちだ! ちょっと、おい!」
「ああ、分かってる」
「はぁ、そりゃよかった」
店を出て角を曲がったところで背後から声をかけられて、リーがいたことを思い出した。なんとか身体を御しながらそちらに向かう。
「ナマエ、着いたぞ!」
「ん……そうか……」
いつのまにか寝ていたらしく、リーの手で車の外に引っ張り出される。運ばれたのはナマエの部屋だ。リーは家主のように慣れた仕草で鍵を開ける。部屋に入ってドアが閉まると、リーはナマエの胸倉に手を突っ込んだ。ナマエはその手を掴んでリーを見つめる。すぐに懐のマイクが目当てだと思い至ったが、そのまま腕を引いて顔を寄せた。
「酒臭……」
眉を顰めつつも受け入れられて口を重ねる。ナマエは服を脱ぎ捨て、上裸になって口角を上げる。そしてカーペットもない素のフローリングに突っ伏した。
「お……おい、ナマエ? はぁあ……」
リーに力の抜け切った酔っ払いを運んでやる気力はない。ナマエは飲んでも顔色が変わらないので読み損ねてしまった。寝室から運んだ掛け布団をそっと掛けて、一度事務所に戻った。
翌朝、七時を少し過ぎた時間に、地鳴りのような声を上げてナマエが目を開けた。
「うう……」
「ほい、水」
「ありがたい……情報はどうだった?」
「おかげで確認できた」
「そうか……」
コップの水を飲み干したナマエは、呻きながらリビングのソファを目指して、そこで改めて眠りに落ちた。ナマエが次に目を開けたのは昼間だった。顔を顰めながら起き上がり、黙って浴室に消える。しばらくして戻ってきたナマエは上裸にスウェットパンツを履いて首にタオルを掛けた格好で、大きく息を吐きながらリビングのソファに腰を下ろした。
「記憶はちゃんとあるか?」
「たぶん。帰路はあまり覚えてないけど、車で寝てたんだよな?」
リーはナマエの正面に立つと、両足を跨いでナマエを見下ろす。ナマエはふと頬を緩めてリーの腕を引いた。
「覚えてるよ」
ふん、と口角を上げるリーに口づけて相手の服に手を掛けた。
お腹も空いているが、黙っておいた。