その他
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ムリナールが進む通路の先に、大きな身体を縮めて、同僚のオペレーターのジャケットに背後から包まれているナマエがいた。周りの子供たちがナマエを赤ちゃんと呼んで囃し立てている。
「寒いとダメなんだよ」
ナマエは普段凛々しい眉毛をハの字にして笑いながらオペレーターに擦り寄る。
「ほら、俺は赤ちゃんを暖かくしてるから、みんな先に行ってて」
楽しそうに去って行く子供たちに挨拶をして、ナマエとオペレーターが二人きりになった。
「本当に悪いな……あなたが通りがかってくれて助かった」
「まったくいい迷惑だけど、動けないんじゃしょうがないな」
ナマエを抱くオペレーターは満更でもない様子で、好意を持った者同士の戯れにも見える。
「その……ナマエ、ここじゃ人の目もあるし、よければ……あっ」
「あ、ムリナールさん」
ナマエは同僚の腕の中で身を屈めたまま、ムリナールを見上げて微笑んだ。
「ナマエ、ずいぶん凍えているようだな」
「うん。少し甲板に出ていて……部屋、少し暖かくしていてもいいかな? すぐに戻るならやめておくけど」
「私はこれからドクターの執務室へ向かうところだから、気にしなくていい」
「どうも!」
そうしてムリナールを見送って、オペレーターがあらためて奮起するよりも前に、ナマエは自分の手を握ったり開いたりして、おもむろにオペレーターから離れた。
「体温が上がってきたみたいだ。ありがとう」
「いや……いいんだ、気をつけろよ!」
ナマエは微笑んで頷き、もう一度礼を言って自室に戻った。
「今日の廊下でのことだが、ああいうことはよくあるのか?」
同室でくつろぐムリナールの疑問に、ナマエは照れた笑みを見せた。
「滅多にないな。艦内で凍えることはないし。でも、今日は甲板に出ていたら、急に日が翳って、風まで吹いてきて……」
「今日はここ数日のうちで、一番の冷え込みだったそうだな……それでも、支障がでるほどとは思っていなかった。これくらいの気温で動けなくなってしまうのか」
「落差が大きいと……それでも少し走り回るのが難しくなるくらいだったんだけど、気づいた子供たちが、みんなで助けを呼んでくれたんだ」
サヴラの中でもナマエは体温調節が苦手だという話は聞いていたが、それを目にしたのは初めてだった。
「その場にいなければ頼りようもないだろうが、私も力になろう」
「ありがたいよ。ムリナールさんのアーツって暖かいんだっけ?」
「いいや」
ムリナールは少し愉快そうに微笑んで、両手で上着の前を開いた。意図を察したナマエが喜んで身体を寄せると、上着の裾をナマエの背中に掛けて抱きとめる。今の部屋の温度はいつもとそう変わらないが、わずかに触れ合うナマエの肌が、まだ平時よりも低く感じる。
「あったかいな……ムリナールさんにこういう頼り方をしてもいいんだ」
「すれ違ったときには、私のほうが適任だと自負していたんだがな」
「ノリというか……改めて抱いてくれと頼むのは、なんか照れるな。ムリナールさんの体温で動けるようになっていくなら、冷えるのも悪くないと思える」
口を重ねて交わる舌にも、わずかに冷たさを感じた。
「いつもより熱い」
はにかんだナマエの顔が紅潮していく。己の熱のせいだと思うと堪らなかった。
「熱い……」
「きついか?」
「いや……熱いのは得意なんだ、もっと熱くてもいい」
「寒いとダメなんだよ」
ナマエは普段凛々しい眉毛をハの字にして笑いながらオペレーターに擦り寄る。
「ほら、俺は赤ちゃんを暖かくしてるから、みんな先に行ってて」
楽しそうに去って行く子供たちに挨拶をして、ナマエとオペレーターが二人きりになった。
「本当に悪いな……あなたが通りがかってくれて助かった」
「まったくいい迷惑だけど、動けないんじゃしょうがないな」
ナマエを抱くオペレーターは満更でもない様子で、好意を持った者同士の戯れにも見える。
「その……ナマエ、ここじゃ人の目もあるし、よければ……あっ」
「あ、ムリナールさん」
ナマエは同僚の腕の中で身を屈めたまま、ムリナールを見上げて微笑んだ。
「ナマエ、ずいぶん凍えているようだな」
「うん。少し甲板に出ていて……部屋、少し暖かくしていてもいいかな? すぐに戻るならやめておくけど」
「私はこれからドクターの執務室へ向かうところだから、気にしなくていい」
「どうも!」
そうしてムリナールを見送って、オペレーターがあらためて奮起するよりも前に、ナマエは自分の手を握ったり開いたりして、おもむろにオペレーターから離れた。
「体温が上がってきたみたいだ。ありがとう」
「いや……いいんだ、気をつけろよ!」
ナマエは微笑んで頷き、もう一度礼を言って自室に戻った。
「今日の廊下でのことだが、ああいうことはよくあるのか?」
同室でくつろぐムリナールの疑問に、ナマエは照れた笑みを見せた。
「滅多にないな。艦内で凍えることはないし。でも、今日は甲板に出ていたら、急に日が翳って、風まで吹いてきて……」
「今日はここ数日のうちで、一番の冷え込みだったそうだな……それでも、支障がでるほどとは思っていなかった。これくらいの気温で動けなくなってしまうのか」
「落差が大きいと……それでも少し走り回るのが難しくなるくらいだったんだけど、気づいた子供たちが、みんなで助けを呼んでくれたんだ」
サヴラの中でもナマエは体温調節が苦手だという話は聞いていたが、それを目にしたのは初めてだった。
「その場にいなければ頼りようもないだろうが、私も力になろう」
「ありがたいよ。ムリナールさんのアーツって暖かいんだっけ?」
「いいや」
ムリナールは少し愉快そうに微笑んで、両手で上着の前を開いた。意図を察したナマエが喜んで身体を寄せると、上着の裾をナマエの背中に掛けて抱きとめる。今の部屋の温度はいつもとそう変わらないが、わずかに触れ合うナマエの肌が、まだ平時よりも低く感じる。
「あったかいな……ムリナールさんにこういう頼り方をしてもいいんだ」
「すれ違ったときには、私のほうが適任だと自負していたんだがな」
「ノリというか……改めて抱いてくれと頼むのは、なんか照れるな。ムリナールさんの体温で動けるようになっていくなら、冷えるのも悪くないと思える」
口を重ねて交わる舌にも、わずかに冷たさを感じた。
「いつもより熱い」
はにかんだナマエの顔が紅潮していく。己の熱のせいだと思うと堪らなかった。
「熱い……」
「きついか?」
「いや……熱いのは得意なんだ、もっと熱くてもいい」
1/2ページ