龍
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シャルルのエレベーター前で絡まれていたナマエを助けてから、店にたまに顔を見せるナマエを放っておけなくなって、いつの間にか関係が変わっていた。
今日は外から店に戻ると、遊びに来ていたナマエが帰るところで、少し控え室で過ごさないかと誘った。
「煙草臭い」
控え室に足を踏み入れたナマエが愕然とした顔を見せる。ナマエは非喫煙者だから殊更強く感じるだろう。せめて灰皿の分だけでも処理しておけばよかった。
「……場所、変えるか?」
「いえ……俺、やってみたくて」
「やめとけ」
「えっ」
ナマエは灰皿の山を見ながらソファに腰を下ろす。隣に腰掛けて、少し灰皿を遠ざけた。
「ますます体力落ちるぞ。腹筋十回でバテてるお前には十年早ぇ」
ナマエは目を逸らして薄い腹をさする。
「あの……煙草吸うと、口が苦くなるって知ってますか?」
「えっ、そうなのか?」
「ネットで見たんですけど、本当にそんな気がして……苦いの、かっこいいと思うんですけど」
ナマエは恥ずかしそうに控えめに微笑んで東を見る。
「そ、そうかよ」
釣られて照れる。うんと頷いたナマエが静かに身体を寄せて顎を上げた。唇を重ねて、まだ不慣れさが残るナマエの舌を捕える。苦さとやらを感じているのだろうか。
「お前はなんか……甘ぇな。尚更、そのままでいろよ」
「はい」
二人ともだらしなく頬を緩めて語らう。
でも、第一声が胸に引っかかる。シャルルの煙草の匂いは平気だと言っていたが、限度はあるだろう。口臭は気遣っているつもりだが、味がするなら相応の匂いもあるのではないか? 周りには喫煙者しかいないから、参考になる話を聞けそうにない。
今日は外から店に戻ると、遊びに来ていたナマエが帰るところで、少し控え室で過ごさないかと誘った。
「煙草臭い」
控え室に足を踏み入れたナマエが愕然とした顔を見せる。ナマエは非喫煙者だから殊更強く感じるだろう。せめて灰皿の分だけでも処理しておけばよかった。
「……場所、変えるか?」
「いえ……俺、やってみたくて」
「やめとけ」
「えっ」
ナマエは灰皿の山を見ながらソファに腰を下ろす。隣に腰掛けて、少し灰皿を遠ざけた。
「ますます体力落ちるぞ。腹筋十回でバテてるお前には十年早ぇ」
ナマエは目を逸らして薄い腹をさする。
「あの……煙草吸うと、口が苦くなるって知ってますか?」
「えっ、そうなのか?」
「ネットで見たんですけど、本当にそんな気がして……苦いの、かっこいいと思うんですけど」
ナマエは恥ずかしそうに控えめに微笑んで東を見る。
「そ、そうかよ」
釣られて照れる。うんと頷いたナマエが静かに身体を寄せて顎を上げた。唇を重ねて、まだ不慣れさが残るナマエの舌を捕える。苦さとやらを感じているのだろうか。
「お前はなんか……甘ぇな。尚更、そのままでいろよ」
「はい」
二人ともだらしなく頬を緩めて語らう。
でも、第一声が胸に引っかかる。シャルルの煙草の匂いは平気だと言っていたが、限度はあるだろう。口臭は気遣っているつもりだが、味がするなら相応の匂いもあるのではないか? 周りには喫煙者しかいないから、参考になる話を聞けそうにない。
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