小説
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初めはナマエの悪行を金で黙殺する関係だったが、体の関係を持つようになってからずいぶん対等になった。
なんなら金を渡している。関係を持つからには白であってもらいたいからだ。この関係で新たに罪を犯されたら面倒になる。リスクを考えつつも流れで関係を持ってしまったが、金で解決するなら安いし、互いに悪くないと思ってこうなった。
金曜日の夜。神室町の外の適当なラブホで数週間振りの逢瀬を楽しんでいる。
「最近、仕事の方はどうなんだ?」
「会社の方? 金になる方?」
「金になる方も、何か知ってるなら聞いておくけど……まさか、お前がやってるんじゃねぇだろ?」
「ねぇよ。彼氏が刑事だし」
おもしろい冗談だと思って軽く笑った。ナマエはニヤけて、身体を綾部の方に傾ける。
「悪徳だけどな。なんだよ、不満?」
「不満は特にねぇけど」
「贅沢だな。こんなに理解のある相手、そういないだろ」
ナマエは楽しそうにしながら、断りなく綾部の煙草の箱を取って一本咥えた。火をつけて一息してから口を開く。
「会社の方は、言うことないな……そろそろ繁忙期に入りそうなくらいで。残業は増えるけど、休みはそう減らないから誘ってよ」
「予定が合えばな」
「それで、金の方なんだけど」
「おう」
「ラ・マン?」
「金になるって、お前のか……」
「話が早い」
ナマエがけたけたと笑う。黙っていた大口の収入源がバレた。上機嫌なのはこれか。
「ちょっとでいい」
「待てよ、お前はどこで知ったんだ?」
「高いよ」
「聞かせろ」
ナマエはいいよと頷いて黙っている。
「ああ……今、手元にはねぇんだ」
「また会わなきゃな。いつにする?」
「明日だ。お前は休みだろ? できれば朝に……」
「朝からサボれるんだ」
「急務だからな」
ナマエはふんと笑って、そっと綾部に顔を寄せた。そうして口を重ねてから、聞き覚えのある名前を囁いた。
「金は今度でいいよ」
そう言って顔を離した。可愛くなったなと思う。
「可愛くなったなって思ってるだろ」
「え?」
「顔に書いてある。その気持ち分でいいから」
「ひと月分くらいか……」
ナマエはきょとんとしたあとで豪快に笑った。
「それで何で彼氏認めないんだよ」
それはそれだ。
なんなら金を渡している。関係を持つからには白であってもらいたいからだ。この関係で新たに罪を犯されたら面倒になる。リスクを考えつつも流れで関係を持ってしまったが、金で解決するなら安いし、互いに悪くないと思ってこうなった。
金曜日の夜。神室町の外の適当なラブホで数週間振りの逢瀬を楽しんでいる。
「最近、仕事の方はどうなんだ?」
「会社の方? 金になる方?」
「金になる方も、何か知ってるなら聞いておくけど……まさか、お前がやってるんじゃねぇだろ?」
「ねぇよ。彼氏が刑事だし」
おもしろい冗談だと思って軽く笑った。ナマエはニヤけて、身体を綾部の方に傾ける。
「悪徳だけどな。なんだよ、不満?」
「不満は特にねぇけど」
「贅沢だな。こんなに理解のある相手、そういないだろ」
ナマエは楽しそうにしながら、断りなく綾部の煙草の箱を取って一本咥えた。火をつけて一息してから口を開く。
「会社の方は、言うことないな……そろそろ繁忙期に入りそうなくらいで。残業は増えるけど、休みはそう減らないから誘ってよ」
「予定が合えばな」
「それで、金の方なんだけど」
「おう」
「ラ・マン?」
「金になるって、お前のか……」
「話が早い」
ナマエがけたけたと笑う。黙っていた大口の収入源がバレた。上機嫌なのはこれか。
「ちょっとでいい」
「待てよ、お前はどこで知ったんだ?」
「高いよ」
「聞かせろ」
ナマエはいいよと頷いて黙っている。
「ああ……今、手元にはねぇんだ」
「また会わなきゃな。いつにする?」
「明日だ。お前は休みだろ? できれば朝に……」
「朝からサボれるんだ」
「急務だからな」
ナマエはふんと笑って、そっと綾部に顔を寄せた。そうして口を重ねてから、聞き覚えのある名前を囁いた。
「金は今度でいいよ」
そう言って顔を離した。可愛くなったなと思う。
「可愛くなったなって思ってるだろ」
「え?」
「顔に書いてある。その気持ち分でいいから」
「ひと月分くらいか……」
ナマエはきょとんとしたあとで豪快に笑った。
「それで何で彼氏認めないんだよ」
それはそれだ。
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