龍
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好意を伝えられたが、ナマエが女といろいろあってダルさを感じたというのも、それで男といることに興味を持ったのも、そう昔の話ではないだろう。ナマエはまだ若い。
ナマエを好ましく思っていても手を出す気はなかったのに、ナマエが酒の勢いで口説いてきて、シラフになってもさりげなく探ってくる。それでもこいつがそう言ったからと乗れるほど軽くなれず、何となく食事に行く機会は増えたが、高部からその話題を振ったことはなかった。
今日も居酒屋の個室で二人で飲んでいるが、いつもは酔うとにこやかになるナマエの表情がどこか固い。
「カシラは俺が酔って喋りすぎたから、話をあわせてくださったんですか? それとも、男としてナシなんでしょうか」
ナマエの好意を信用できないせいでそう悩ませることになっていたかと、酔いが覚めた気になった。ナマエの思いを真摯に受け止められなかったのは、ただ自分が傷つきたくなかったからかもしれないと焦りを感じた。
「好きだって言っただろ」
「す……えっ? 初耳で……いえ……それは、舎弟としてですか? カシラは舎弟全員を気にかけてくださいます。俺もその一人ですか?」
高部がどうにか補おうと口を開くと、ナマエが先に声を出した。
「好きって言いましたよね」
「……言った」
「それは……個人的なものですか? 高部さん」
「ああ、そうだ」
請うような目に高部が腹を決めて向き合うと、ナマエは静かにテーブルを迂回して高部の隣に座った。性急に感じるが、まだ不安そうな哀れっぽい顔が見えて口付けに応えた。
「カシラ……」
「おい、待てっ」
ナマエの身体を押し返して、よれたシャツを直す。
「場所考えろ!」
「すみません……」
ナマエは顔を赤くして自分の杯に手を伸ばすと、それを軽く傾けて、熱そうに額を拭った。
「こんな……申し訳ありません」
「もういい」
高部も杯を口に運ぶ。ナマエの羞恥につられて、いやに熱くなる。
「カシラ……高部さん、俺、どっちもある程度は自信がありますから! 話にならないようでしたらご指導ください、お応えします!」
「こいつッ……男の経験もあんのかよ!」
「はい……処女が」
「違う、そういう意味じゃねぇ」
「経験もなしに、カシラを口説いたりしません」
「はあ……そうか」
力が抜けた。思ったより気楽につきあえそうだと思った。
ナマエを好ましく思っていても手を出す気はなかったのに、ナマエが酒の勢いで口説いてきて、シラフになってもさりげなく探ってくる。それでもこいつがそう言ったからと乗れるほど軽くなれず、何となく食事に行く機会は増えたが、高部からその話題を振ったことはなかった。
今日も居酒屋の個室で二人で飲んでいるが、いつもは酔うとにこやかになるナマエの表情がどこか固い。
「カシラは俺が酔って喋りすぎたから、話をあわせてくださったんですか? それとも、男としてナシなんでしょうか」
ナマエの好意を信用できないせいでそう悩ませることになっていたかと、酔いが覚めた気になった。ナマエの思いを真摯に受け止められなかったのは、ただ自分が傷つきたくなかったからかもしれないと焦りを感じた。
「好きだって言っただろ」
「す……えっ? 初耳で……いえ……それは、舎弟としてですか? カシラは舎弟全員を気にかけてくださいます。俺もその一人ですか?」
高部がどうにか補おうと口を開くと、ナマエが先に声を出した。
「好きって言いましたよね」
「……言った」
「それは……個人的なものですか? 高部さん」
「ああ、そうだ」
請うような目に高部が腹を決めて向き合うと、ナマエは静かにテーブルを迂回して高部の隣に座った。性急に感じるが、まだ不安そうな哀れっぽい顔が見えて口付けに応えた。
「カシラ……」
「おい、待てっ」
ナマエの身体を押し返して、よれたシャツを直す。
「場所考えろ!」
「すみません……」
ナマエは顔を赤くして自分の杯に手を伸ばすと、それを軽く傾けて、熱そうに額を拭った。
「こんな……申し訳ありません」
「もういい」
高部も杯を口に運ぶ。ナマエの羞恥につられて、いやに熱くなる。
「カシラ……高部さん、俺、どっちもある程度は自信がありますから! 話にならないようでしたらご指導ください、お応えします!」
「こいつッ……男の経験もあんのかよ!」
「はい……処女が」
「違う、そういう意味じゃねぇ」
「経験もなしに、カシラを口説いたりしません」
「はあ……そうか」
力が抜けた。思ったより気楽につきあえそうだと思った。
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