二章 コランバインのバラード【前半】
沈黙の時間がしばらく続いた。
「まさか、考えなしとはね……。」
桐谷が呆れたように笑う。
内沢は横でそれに同調しているのか、頷いている。
「いやいや、何も少しも考えてないってわけじゃないよ。さっきも言ったろ?ここは恐ろしいってさ」
360度あたりを見渡してみる。
やはり、怖い。
「まぁ、これじゃああまり人は好んで近づかないだろうね!!」
「まァ〜私は平気だよォ〜。こういう雰囲気にも慣れてるしィ〜?」
確かに内沢は平気そうだ……。
桐谷も物怖じしてない様子から見るに、へっちゃらだろう。
あと偏見だけど、河西とかは何も気にしなさそうだ。
でも、それくらいだ。後の人たちは大体入ってこないんじゃないか。
「じゃあ、雰囲気は隠すのに打って付けってことだね!!問題は場所だよなぁ……」
……雰囲気だけに気を取られて場所を考えていなかった。焦りすぎたから——と言い訳をしておく。
「これでカギがついてるような棚とか、でっかい金庫だとかがあれば最強なのにな!」
「金庫は確かなかったよ……」
そういえばこの部屋は、足早に去ってしまったからちゃんと見れていないとこがあったかもしれない。
「ちょっと今から探してみるよ」
「了解!!……でも今から探すのめんどくさいな。大原!任せた!」
「よォーし、私も大原に任せた!」
「なんでだよ!?」
でも確かにこの部屋にしようと言ったのは自分であり、自分に責任がある。
仕方ない。本当は手伝って欲しいけど探すしかない。
「わかったよ!てか待ってる間その刀ぶん回したりしないでよ!?」
「はいはァーい!」