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一章 季節外れのプリムラ【後半】


議論開始——

四「嘘だろ嘘だろ!死体が喋るって言うのかよッ!」

百「ふ、ふふ、やだなぁ弥音くん。死体が喋るわけないよ!伊織さんみたいな人形が喋ったんだよ……」

秘「ちょっと待って、紗月ちゃん。君も落ち着いてほら、ひっひっふー」

白「それは深呼吸じゃなくてラマーズ法じゃないかな……?じゃなくて、生きているように見せたってことは他の手段だと思うよ。流石に。」

桐「生きているように見せるとはね。中々に盲点だよ」

白「推理小説にはよくある手法だけどね。」

鑑「でも、どうやってそのように見せるのでしょうか?姿は最悪遺体を見せれば生きているように錯覚させることは可能でしょうが、声はどうやって……。」

儚「あ、ちょっと考えてみたんだけど伊織さんの声を何かに録音していて再生する……とかはどうかな?」

—————————————

大「それに賛成だ!」

儚「大原さんもそう思いますか!これくらいしか方法が思いつかなくて……。」

ロ「そういえば、モノタブに録音機能がありましたわね。あの言い争いもそれに録られたものでしたし」

その方法が確かだ。
しかし、その時倉庫に伊織以外に誰かいたのだろうか。


議論開始——


儚「そうすると、その時倉庫に他の人がいたんですかね?」

明「じゃあその伊織の声を聞いていた僕と百鬼さん、四津谷さんは除外されるね」

出「じゃあ、8時に倉庫の近くにおった人が怪しいんじゃ?」

ロ「そうですわね。それでいて、力のある方……男性に限られますわ。凶器のことから考えると」

架「ちょっと待って。その時間に倉庫付近に一人で行動していた男性なんていない気がするよ。」

櫻「じゃあ、遠くからなんかテレビのリモコンみたいにボタン押して再生したとか?そんな機能無いし冗談だけどっ」

—————————————

大「それに賛成だ!」

勢いで叫んだ後、ポケットから【プラスチック製のリモコン】を取り出した。
新品のように綺麗だ。

明「……それは?」

大「焼却炉から出てきたんだ。◁ || ▷ のボタンがついてて大体何かのリモコンだろ。」

明「さっきの金具の時といい思っていたんだが、焼却炉は800度以上なはずだ。手を入れられるはずはないと思う。」

大「そこが不思議だよな。まぁそれは置いといて、きっとこれは事件に関係しているものだ。」

モ「オマエラがこの学園に来る前のゴミは当たり前だけど燃え尽きてるよ!ちなみにちなみに大ヒント!この生活が始まってから焼却炉は一度しか使われておりません!」

桐「だとすると、そのリモコンとやらはこの事件に関係してるのは確かだね」

内「何に使うのかなァ〜?流れ的にモノタブの録音機能を遠くから再生する為のものっぽいよねェ〜?」

出「でもそげなもん、渡されちょらん」

ロ「確かに。見覚えはありませんわ。遠隔操作ができるという情報も初耳ですわ。」

櫻「そもそも、そんな機能ついてないんじゃないかな?」

ここにいる全員がいや、犯人以外がそのリモコンの用途が分からない。
ということはこれは、元々あるものではないのだ。

モ「……時間がかかってるから特別にもう一つヒントをあげちゃおう!モノタブはボク監修だけど、遠隔操作ができるようには設計していないよッ!」


桐「ああ、だから……その機能は犯人が作ったものなんだ。それに、その改造されたモノタブは倉庫で見つかっている。」

内「じゃあ犯人はそういった機械に強い人だねェ〜。でもそんな人いるのォ〜?」

鑑「私達のほとんどは文系です。そういった物を作るにはやはり理系の能力が無いと難しいかと」

河「超高校級のプログラマーとかですか?でもそんな才能の方はいませんよ」

櫻「その才能の称号が無くても、理系の頭を持つ人であることは確かだねっ!そのような仕組みを作れるのは玄人まで行かずとも、基本的なことは分かっている人に違いないよ。」

大「ああ。オレもその意見に賛成だ!そうなると、そんな仕組みを作れるのは一人しかいない。」




大「そうだろ?超高校級の物理愛好家の明石大和。」

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