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一章 季節外れのプリムラ【前半】



思わず間抜けな声が出る。
オレは悪い夢を見ているのか。
現実な訳がない、現実な訳がない。

ああ、なんということだ。
目が覚めるなら覚めてくれ。
いや、覚めてくれ。お願いだ。





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こんな状況を見て、儚火がああなってしまうのは当たり前だ。
こんな、高校生活……これが青春生活?
オレの夢見ていた生活は一体どこにあるんだ。

「何があった!?」
桐谷が飛んでくる。

井戸の中だ。と言うと、急いでそれを覗いた。
一瞬で桐谷の顔が歪む。

「…クソ」

ピンポンパンポーン

『死体が発見されましたー!死体が発見されました〜!一定時間の調査の後、第一校舎の物置の中にお集まりください!』

謎のアナウンスが流れる。
周りを見回すと、全員が青い顔をしている。

「伊織さん…つんだっか…(かわいそうに)」

「すらごとじゃろ?誰ん殺人なんて起こした?
早う引き上げんば…。酷すぎる!!許さん!!」

どこからか聞いたことない方言がプラスで聞こえてきた気がしたが、今はもはやそんなことを気にしている暇はなかった。

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