一章 季節外れのプリムラ【前半】
ーモノゴン劇場 再開ー
またまた愉快な音楽と共にモノゴンと一郷がステージの上に出てくる。
「学園長、どうしましょうか。事故はありましたが今は至って平穏です。」
開幕早々、このままではコロシアイが起きない、と言わんばかりに一郷が話し出す。
「思ったより、伊織さんが物凄く落ち込んでいないって言うのも痛手です。」
「ああ、ずっと引きこもると思っていたのに!」
そしてどんどん規律が崩れていくと予想していたのに!
他人の不幸は蜜の味。
この二人には、人の怪我や辛さなどは
面白おかしい物語にしか見えないのだ。
「そうだね!明日待って何も無かったら動こう!」
これでもかというくらい、不穏な空気が流れる。
「皆の充実したコロシアイ生活の為に!」
ーモノゴン劇場閉幕ー