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一章 季節外れのプリムラ【前半】



「じゃあ皆、今日の親睦会について話があるんだけど」

ほぼ全員集まったことを、確認したのか伊織が話し出す。

「あれェ?河西チャンいないけどいいのォ?」

確かに先程から河西の姿が見えない。
寝坊なのか何なのか。

「実はさっき来てたんだけど、関係ないからって帰ったよ。」

「櫻子さんも参加してくださると楽しいですのに」

架束とローゼンが情報を教えてくれる。
この朝食の時間に二人は仲良くなったようだ。
オレも儚火と少し仲良くなったつもりでいるから、それと同じようなものかもしれない。
 河西が参加しない。皆の仲を深める為の親睦会なのだから参加が望ましいが強制するのも憚られる。

「何度も誘ったんだが……無理に強制するのもな。仕方ないぜ。気が向いたら途中参加してくれるかもしれないし!」

伊織のポジティブ発言も一理ある。
それにかけて今日の夜を迎えるしかない。

「それで今日の話なんだけど…」

伊織の頼みというのは

今日の親睦会に向けて、準備を手伝ってほしいということだった。

倉庫で花火の用意、飾り付けの用意を一人。
そしてそれを飾り付けるのを数人。
校庭にある燃えやすいものをどかしたり掃除をするのを数人。

そして、本番で盛り上げてくれる人たちということになった。

しばらくの間相談をし、盛り上げ役がまず百鬼と秘星、伊織に決まった。
百鬼が歌い、秘星が監督する。しかし即興なので監督も何も無いから一緒に歌うことになるだろう。それは百鬼の希望であった。

そして飾り付けは儚火と架束。


儚火デザインの花の飾り付けに、
架束デザインの花の飾り付け。

生花専門の花の飾り付けとイラストレーターの飾り付け、違うジャンルの良さが出るはずだ。

ついでに鑑がバーベキューをしようと提案をし、食材の準備調理の準備をしてくれることになった。

そして意外にも、倉庫の整理には明石が手を上げた。なんでも「何もしないのに参加するというのは借りを作るようで嫌だ」とのことだ。


「とりあえず決まったな!皆ありがとう!」

それぞれ準備に取り掛かる。
オレは特に役割もないので自由時間になった。

さて、この後はどう過ごそうか。
明石も一人で大変だろうから手伝おうか。

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