序章 ダチュラの花の咲き始め
「大丈夫」
突然白石が前に出てきた。
「桐谷真飛は超高校級のなんだったっけ……?」
あっ、警察官だ。
そうだ、桐谷に同僚か仲間に連絡して助けに来て貰えばいい。
「ああそうか!ちょっと待ってよ!今無線機で…」
「…ザーッザーッ…」
「スマホで……」
「ス、スマホがない…」
白石の案も頼りの綱の警察官も意味がないことを知る。
「この学園と外はシャットアウトされてるからね!ここから出るにはバレないように殺して、最後まで隠し通さないと!」
モノゴンの言うことはこうだ。
外とは連絡が取れない。
出るには人を殺して隠さなければいけない。
人が死んだら学級裁判が行われる。
学級裁判で犯人を当てられたら犯人は死に、自分達は生き残る。
犯人を間違えれば、犯人が生き残り自分たちが死ぬ。
そして最後まで生き残れた人が卒業できる。
「そんな…横暴だ!」
誰が言ったかわからないがものすごく同意する。
「そんなこんなで入学式は終わりだよ!自分の部屋はあそこの離れの寮にあるからね!プレートに名前が書いてあるはずだからそこに入ってね!」
教頭が降りてきて、各自に部屋の鍵を渡す。
「食堂もあるから安心してよ!それと、10時から夜時間ってことで放送入れるからよろしくね!朝の7時にも放送入れてあげるからお寝坊さんも安心だよ!」
しかし一つ謎が残っている。
「…おい、学園長!」
「何、大原くん。ボクに何か用?」
怖い存在と、本能が認めてから
こっちを見られるとどうしても体がすくんでしまう。
それを見かねたのか
「外に出るのを許さない、って言ってたけどアナタが許されなくても出ちゃえばいい話なんだよね。そこについて詳しく教えてよっ!」
櫻井が代わりに問いかけてくれた。
「親切なボクだから、教えてあげるよ!外にいる害獣は君たちなんかすぐ踏んづけて殺しちゃうよ!ボクの持っている特別な道具を使わない限りね!」
「それに、例え害獣を避けられても人が住んでる街までは何時間もかかるよ!」
ウプブププ!気味の悪い笑い声を発しながら学園長は何処かへ去っていった。