お茶の話
ポセイドンは馬を作ろうとし続けたが、出来ない。カバやキリン、リスばかり。
「ポセ様、やっぱりぼくが探してきますよ」
「いや、無理だ。あれは無理だ」
ポセイドンが首を横に振り拒絶する。
「大丈夫です。謝ればきっと」
カイロスはポセイドンを励まそうとするが、ポセイドンは険しい顔つきをしている。
「ポセ様はデメテル様に何をしたんですか?」
「……まぁ、その、デメテルが私を避けるために牝馬になった」
「で?」
ポセイドンは当時を思い出しながら話しているのか、声が震えている。
「私も馬になって交わした……」
「あ。それは」
「そして、デメテルは私の子供を産んだ」
「怒りますねー」
カイロスは当然のことのように頷いた。
「でもポセ様、これは仲直りするまたとないチャンスですよ♪」
ポセイドンはカイロスの笑顔を見てため息をついた。ため息と共に子リスが一匹産まれた。
「馬も作れない私にか」
「馬なんて作れませんよ普通」
ザッザッザッ……
足音が近付いてきた。
「……誰か来る」
「一人だな」
二人は急いで瓦礫の影に身を潜めた。
「なんと、これは」
男は瓦礫を見て驚いた。
「馬が一頭もいないではないか! ……くっ、これでは間に合わぬ!」
「あっ」
ガラン……ゴトッ
ポセイドンの近くの瓦礫が崩れた。
「誰だ! ……はっ、あなたは」
「久しぶりですね、佐吉」
「内海様、あれから姿がみえず心配しておりました!」
石田三成は嬉しさのあまり、ポセイドンに駆け寄るが、カイロスに気付き顔をしかめた。
「そちらはかなり変わった格好をしているが」
「ああ、ぼく……」
「私の身の回りを世話する者だ。海を渡ってきたという」
ポセイドンはカイロスが答える隙を与えなかった。石田三成が内海であるポセイドンをまだ警戒していることを感じ取っていたからだ。
「そうですか。ところで、この辺りには馬がいたと思うのですが、お心当たりはありませんか?」
石田三成が困っている。
「ポセ様、中国攻め間に合いませんよ! 時空が歪んでしまいます」
「何とか出来ないのか」
ポセイドンとカイロスは声を潜めて話し合う。
「時空間を作れはしますが、この距離だと、石田三成さんも巻き込んでしまいます」
「良い! お前は記憶を消せるのだろう」
「分かりました。しかし消せるのではなく、ぼくたちに会う前に戻せるだけです」
カイロスは時空間を作る準備を始めた。
「何を話しておられるのですか?」
二人の話に石田三成が割って入った瞬間、石田三成の目の前の空間が歪み、三人は時空の狭間に弾き出された。
「何だと……こ、ここは」
「佐吉、すまない。馬は私が逃がしてしまった」
内海はポセイドンの姿で現れた。
「だから私が責任を持ち、馬を作る」
「内海……様?」
石田三成は目を見開き、ポセイドンとカイロスを見つめた。
「すまない。私は内海ではなく、ポセイドンという」
「ぼくはカイロス」
「ポセ様、やっぱりぼくが探してきますよ」
「いや、無理だ。あれは無理だ」
ポセイドンが首を横に振り拒絶する。
「大丈夫です。謝ればきっと」
カイロスはポセイドンを励まそうとするが、ポセイドンは険しい顔つきをしている。
「ポセ様はデメテル様に何をしたんですか?」
「……まぁ、その、デメテルが私を避けるために牝馬になった」
「で?」
ポセイドンは当時を思い出しながら話しているのか、声が震えている。
「私も馬になって交わした……」
「あ。それは」
「そして、デメテルは私の子供を産んだ」
「怒りますねー」
カイロスは当然のことのように頷いた。
「でもポセ様、これは仲直りするまたとないチャンスですよ♪」
ポセイドンはカイロスの笑顔を見てため息をついた。ため息と共に子リスが一匹産まれた。
「馬も作れない私にか」
「馬なんて作れませんよ普通」
ザッザッザッ……
足音が近付いてきた。
「……誰か来る」
「一人だな」
二人は急いで瓦礫の影に身を潜めた。
「なんと、これは」
男は瓦礫を見て驚いた。
「馬が一頭もいないではないか! ……くっ、これでは間に合わぬ!」
「あっ」
ガラン……ゴトッ
ポセイドンの近くの瓦礫が崩れた。
「誰だ! ……はっ、あなたは」
「久しぶりですね、佐吉」
「内海様、あれから姿がみえず心配しておりました!」
石田三成は嬉しさのあまり、ポセイドンに駆け寄るが、カイロスに気付き顔をしかめた。
「そちらはかなり変わった格好をしているが」
「ああ、ぼく……」
「私の身の回りを世話する者だ。海を渡ってきたという」
ポセイドンはカイロスが答える隙を与えなかった。石田三成が内海であるポセイドンをまだ警戒していることを感じ取っていたからだ。
「そうですか。ところで、この辺りには馬がいたと思うのですが、お心当たりはありませんか?」
石田三成が困っている。
「ポセ様、中国攻め間に合いませんよ! 時空が歪んでしまいます」
「何とか出来ないのか」
ポセイドンとカイロスは声を潜めて話し合う。
「時空間を作れはしますが、この距離だと、石田三成さんも巻き込んでしまいます」
「良い! お前は記憶を消せるのだろう」
「分かりました。しかし消せるのではなく、ぼくたちに会う前に戻せるだけです」
カイロスは時空間を作る準備を始めた。
「何を話しておられるのですか?」
二人の話に石田三成が割って入った瞬間、石田三成の目の前の空間が歪み、三人は時空の狭間に弾き出された。
「何だと……こ、ここは」
「佐吉、すまない。馬は私が逃がしてしまった」
内海はポセイドンの姿で現れた。
「だから私が責任を持ち、馬を作る」
「内海……様?」
石田三成は目を見開き、ポセイドンとカイロスを見つめた。
「すまない。私は内海ではなく、ポセイドンという」
「ぼくはカイロス」