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お茶の話

風早の部屋
小さな丸テーブルを前に二人は座っている。
お茶を一口飲み、風早はため息をついた。
風早「はぁ……」
クロノス「どうした、風早。また悩みごとか?」
風早「分かってるなら、もう聞かないでよ。なんで部屋から出られないの~!」

風早は頭を抱えた。

クロノス「それは、ここの空間を歪めたからだ。安心しろ、外の世界は動いている」
風早「それはもう何百と聞きました!」
クロノス「何か不満があるのか」
風早「いやいやいや、これからどうすんのよ。永遠にこのまま? 何で私がこんな目に遭わないといけないのー……」
クロノス「何度も言うが、私たちは神だ。人間の物には直接干渉出来ない」
風早「もーイヤだああぁ! 人間に戻してー!」
クロノス「無理だ」

ポセイドンとの戦いを終え部屋に戻り、1ヶ月が経っていた。

風早「どうしてよ! 部屋の空間も私も戻してよ」
クロノス「……すまない」

このやりとりをここ1週間くらい続けている。

クロノス「……そろそろ石田三成も成長して中国攻めなのだが」
風早「え、ちょっと待って。まだ1ヶ月しか経ってないし、そんなに早く武士になれるものなの?」
クロノス「あぁ、何者かが早めたな」
風早「ポセイドンみたいな敵?」
クロノス「分からぬ。その可能性はあるがな」
風早「……もう嫌だ」

風早は恐怖で声が震えた。

クロノス「恐らくは、時間を早めたのはカイロス。ゼウスの末っ子だな。あやつは時刻の神だ」
風早「クロノスみたいなのがもう一人……?」
クロノス「ああ。だから、あやつも困っておるかもな……ただ」
風早「ただ?」
クロノス「ポセイドンもカイロスと同じ時刻にいるかもしれない」
風早「……それってつまり二人が戦うかもしれないってこと?」
クロノス「わからぬ」
風早「えー、カイロスを助けに行かないの?」
クロノス「お前は行きたいのか? 行けぬでもないぞ」
風早「そーじゃないけど!」

風早はテーブルを両手でバンッと叩いた。

クロノス「カイロスは速いからな。そう易々と捕まりはしはない。今頃はポセイドンさえも味方につけているんじゃないか?」
風早「あのポセイドンを……」
クロノス「私と違って調子のイイやつだし頭もキレる」

クロノスはカーペットの上に寝っ転がった。

クロノス「あやつも命がけ……」
風早「え?」
クロノス「私が死ぬ時はあやつも死ぬな。風早、ヘルメス、巻き込んですまない」
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