お茶の話
クロノスは体調を崩し、布団に寝ている。風早はクロノスの隣に座っている。
「もう戦いたくないけど……このまんまってわけにはいかないんでしょ……?」
「そうだな。ポセイドンやカイロスと戦っていたデメテルが逃げてしまった。このままだと、近いうちに世界が崩壊するかもしれない」
クロノスは起き上がり、苦しそうに話した。
「ねぇ、調子悪いんじゃないの?」
心配する風早をよそにクロノスはよろよろと立ち上がる。
「あぁ、少しな。心配することはない……。デメテルを倒さない限り、この体の状態は続く」
「寝てた方がいいんじゃない? 治してから戦った方が……動いてくれている神様いるんでしょ?」
クロノスは天井に片手を伸ばし、鎌を時空間から取り出した。息は荒い。
「ちょっと、人の話聞いてる?!」
クロノスは風早の制止を振り切り時空間を作り、空間の移動をし始めた。
「うっ……ねぇ、クロノス……」
岡山県がまだ吉備の国だった頃……
山の中。
「うぅ……」
「行くぞ」
クロノスと風早は速足でしばらく山の中を歩いた。
まだ息が荒い。
「クロノス、他の良い神様と一緒に行動することは出来ないの?」
クロノスは黙って息荒く歩き続ける。
「ねえ、聞きなさいよ」
風早が前に出た。
「……何をだ!」
「勝手だよ!」
ドクン
「勝手だよ! 私ももう怪我なんてしたくないし、もう誰も傷つくところなんか見たくないよ!」
風早は涙を堪えてうつむいている。体は怒りと恐怖で小刻みに震えている。
「だったら帰れ。私一人で行くーー」
ドクンーー
クロノスが風早の横を通り抜けようとした時、杖先がクロノスの首にかすかに当たった。
「……言った側から、だな。ヘルメス」
「ヘスティアもお前を心配している。カイロスとポセイドンが動けるようになるまで下手に動かない方がいい。あのポセイドンが戦えないようになるまでの傷を負ったんだ、お前が一人で敵う相手ではない」
「ただぬくぬくとゼウスの元で暮らしているだけの奴らに何が出来る」
クロノスが言葉を言い終わるか終わらないかのうちにヘルメスはクロノスから飛び退いた。
「鎌をしまえ。体力を消耗する」
クロノスは攻撃の体勢に入った。
「くっ、どこまでも愚かな元王よ……!」
ギイィインーー
ヘルメスは駿足で鎌を蹴りあげ、次にクロノスの横腹を蹴り、きぜつさせた。クロノスは全くヘルメスの動きが見えなかった。
「なっ……」
「しばらくそこにいろ、役立たずめ」
ヘルメスは時空間を作り、クロノスを担ぎ上げ、その中に放り込んだ。ヘルメスもクロノス同様時空間は作れるが、クロノスより高度なものは作れない。あくまでも自分用で、一人しか入れない。
「全く、何のために私と行動しているのだ」
ヘルメスは時空を閉じ、杖を閉まった。
「ぎゃー、おおお鬼だー!」
「わーー!!」
「デメテル、カイロスも駿足だが私も速いぞ。どこまで逃げられるか見物だな!」
ヘルメスは声のする方へ翔ぶように駆けた。
「もう戦いたくないけど……このまんまってわけにはいかないんでしょ……?」
「そうだな。ポセイドンやカイロスと戦っていたデメテルが逃げてしまった。このままだと、近いうちに世界が崩壊するかもしれない」
クロノスは起き上がり、苦しそうに話した。
「ねぇ、調子悪いんじゃないの?」
心配する風早をよそにクロノスはよろよろと立ち上がる。
「あぁ、少しな。心配することはない……。デメテルを倒さない限り、この体の状態は続く」
「寝てた方がいいんじゃない? 治してから戦った方が……動いてくれている神様いるんでしょ?」
クロノスは天井に片手を伸ばし、鎌を時空間から取り出した。息は荒い。
「ちょっと、人の話聞いてる?!」
クロノスは風早の制止を振り切り時空間を作り、空間の移動をし始めた。
「うっ……ねぇ、クロノス……」
岡山県がまだ吉備の国だった頃……
山の中。
「うぅ……」
「行くぞ」
クロノスと風早は速足でしばらく山の中を歩いた。
まだ息が荒い。
「クロノス、他の良い神様と一緒に行動することは出来ないの?」
クロノスは黙って息荒く歩き続ける。
「ねえ、聞きなさいよ」
風早が前に出た。
「……何をだ!」
「勝手だよ!」
ドクン
「勝手だよ! 私ももう怪我なんてしたくないし、もう誰も傷つくところなんか見たくないよ!」
風早は涙を堪えてうつむいている。体は怒りと恐怖で小刻みに震えている。
「だったら帰れ。私一人で行くーー」
ドクンーー
クロノスが風早の横を通り抜けようとした時、杖先がクロノスの首にかすかに当たった。
「……言った側から、だな。ヘルメス」
「ヘスティアもお前を心配している。カイロスとポセイドンが動けるようになるまで下手に動かない方がいい。あのポセイドンが戦えないようになるまでの傷を負ったんだ、お前が一人で敵う相手ではない」
「ただぬくぬくとゼウスの元で暮らしているだけの奴らに何が出来る」
クロノスが言葉を言い終わるか終わらないかのうちにヘルメスはクロノスから飛び退いた。
「鎌をしまえ。体力を消耗する」
クロノスは攻撃の体勢に入った。
「くっ、どこまでも愚かな元王よ……!」
ギイィインーー
ヘルメスは駿足で鎌を蹴りあげ、次にクロノスの横腹を蹴り、きぜつさせた。クロノスは全くヘルメスの動きが見えなかった。
「なっ……」
「しばらくそこにいろ、役立たずめ」
ヘルメスは時空間を作り、クロノスを担ぎ上げ、その中に放り込んだ。ヘルメスもクロノス同様時空間は作れるが、クロノスより高度なものは作れない。あくまでも自分用で、一人しか入れない。
「全く、何のために私と行動しているのだ」
ヘルメスは時空を閉じ、杖を閉まった。
「ぎゃー、おおお鬼だー!」
「わーー!!」
「デメテル、カイロスも駿足だが私も速いぞ。どこまで逃げられるか見物だな!」
ヘルメスは声のする方へ翔ぶように駆けた。