お茶の話
「ポセイドン、あなたは弱いのよ」
デメテルは右手でポセイドンの氷刀を掴んだ。
氷刀はギチギチと音をたてた。
「くっ……」
ポセイドンは力を込めるがデメテルの腕はびくともせず、氷刀にヒビが入る。デメテルは氷刀が砕けず、イライラした。
「ただ楽しいから戦うだけで何も無い。守るものも無い」
「それがどうした」
ポセイドンはデメテルに足払いをし、デメテルは飛び退いた。ポセイドンはその足元に氷刀を投げ、氷刀はデメテルをかすめ、地面にぶつかってキラキラと砕けた。
「冷龍!」
冷龍はデメテルに威嚇のブレスを吐き、ポセイドンを乗せ飛び上がった。
「私は楽しいから戦う! 他はどうでも良い!」
ポセイドンの周りに氷槍が五本現れ、守るように回転している。温羅から受けた傷と、これまでの戦闘でポセイドンの腕はほぼ使い物にならなくなっていた。
「ふふふ、だから甘いし弱いのよ! その腕、もう使えないんでしょ!?」
デメテルは近くの巨大な石を引っこ抜き、冷龍に向かって投げた。一本の氷槍が冷龍を守るように前に出たと思うと、岩と衝突して両方砕け散った。
「くっ……」
「もう一度、空中戦をしましょ。ズタズタに切り裂いてあげる」
砕け散った石の影からデメテルが現れた。
ポセイドンは自分の周りの氷槍を一本取り、デメテルからの攻撃に備え、構えた。腕に力を入れるとピュッと数ヶ所から血が弾け飛んだ。
「ポセ様ーー! ウニ、たーくさん作れますかあああぁ! 三成さんがウニ食べたいそうでーす! ウニなら簡単に出来ますよねー!!」
「おい、馬鹿! 何を言っている! 私は作れとは言ったが食べたいなど言っておらん。状況を考えろ」
カイロスの叫び声と焦る三成の声が聞こえる。
「……ったく、どいつもこいつも戦いに水を差しやがって! いや、まぁ良い」
ポセイドンは一瞬何かを考えると、機嫌が良くなった。
「ポセイドン、終わりね」
デメテルはポセイドンの胸を素早く爪で切りつけたかに見えた。切りつけたのはポセイドンでも冷龍でもなく、黒いとげとげした塊だった。
「残念だったな」
ボトッ! ボトボトッ!
「えっ?」
デメテルの頭に数個のウニが落ちてきた。頭上を見上げると広範囲に霧がかかっている。デメテルは山の中に逃げようとするが間に合わない。
「キャアアアア!」
霧から大量のウニが現れた。
「私はこの戦いが嫌いだ」
ポセイドンが片手を伸ばし、ゆっくりと握りこぶしを作ると、数千個ものウニがいっせいにデメテルに吸い付いた。
「ふう、ようやく終わりだ……」
「なんと恐ろしい光景よ……」
「何言ってるんですか、三成さんが考えたんでしょ♪」
カイロスは三成を小突いた。
「さすがポセ様、水や氷ではなくウニを刺しましたね♪」
ポセイドンは冷龍と共に、ストンと地面に落ちるように降りて一息ついた。デメテルは大量のウニが霧となり消えると同時に何処かへ消え去った。ポセイドンはそれが完全に消えるのをじっと見送った。そして、カイロスと三成によろよろと向き合う。立っているのがやっとの状態である。
「佐吉……いや、三成、カイロス。……っ、感謝……する……」
「ポセイドン!」
「ポセ様!」
ポセイドンはその場に倒れ、冷龍は手のひらサイズの龍になり眠りこけた。
デメテルは右手でポセイドンの氷刀を掴んだ。
氷刀はギチギチと音をたてた。
「くっ……」
ポセイドンは力を込めるがデメテルの腕はびくともせず、氷刀にヒビが入る。デメテルは氷刀が砕けず、イライラした。
「ただ楽しいから戦うだけで何も無い。守るものも無い」
「それがどうした」
ポセイドンはデメテルに足払いをし、デメテルは飛び退いた。ポセイドンはその足元に氷刀を投げ、氷刀はデメテルをかすめ、地面にぶつかってキラキラと砕けた。
「冷龍!」
冷龍はデメテルに威嚇のブレスを吐き、ポセイドンを乗せ飛び上がった。
「私は楽しいから戦う! 他はどうでも良い!」
ポセイドンの周りに氷槍が五本現れ、守るように回転している。温羅から受けた傷と、これまでの戦闘でポセイドンの腕はほぼ使い物にならなくなっていた。
「ふふふ、だから甘いし弱いのよ! その腕、もう使えないんでしょ!?」
デメテルは近くの巨大な石を引っこ抜き、冷龍に向かって投げた。一本の氷槍が冷龍を守るように前に出たと思うと、岩と衝突して両方砕け散った。
「くっ……」
「もう一度、空中戦をしましょ。ズタズタに切り裂いてあげる」
砕け散った石の影からデメテルが現れた。
ポセイドンは自分の周りの氷槍を一本取り、デメテルからの攻撃に備え、構えた。腕に力を入れるとピュッと数ヶ所から血が弾け飛んだ。
「ポセ様ーー! ウニ、たーくさん作れますかあああぁ! 三成さんがウニ食べたいそうでーす! ウニなら簡単に出来ますよねー!!」
「おい、馬鹿! 何を言っている! 私は作れとは言ったが食べたいなど言っておらん。状況を考えろ」
カイロスの叫び声と焦る三成の声が聞こえる。
「……ったく、どいつもこいつも戦いに水を差しやがって! いや、まぁ良い」
ポセイドンは一瞬何かを考えると、機嫌が良くなった。
「ポセイドン、終わりね」
デメテルはポセイドンの胸を素早く爪で切りつけたかに見えた。切りつけたのはポセイドンでも冷龍でもなく、黒いとげとげした塊だった。
「残念だったな」
ボトッ! ボトボトッ!
「えっ?」
デメテルの頭に数個のウニが落ちてきた。頭上を見上げると広範囲に霧がかかっている。デメテルは山の中に逃げようとするが間に合わない。
「キャアアアア!」
霧から大量のウニが現れた。
「私はこの戦いが嫌いだ」
ポセイドンが片手を伸ばし、ゆっくりと握りこぶしを作ると、数千個ものウニがいっせいにデメテルに吸い付いた。
「ふう、ようやく終わりだ……」
「なんと恐ろしい光景よ……」
「何言ってるんですか、三成さんが考えたんでしょ♪」
カイロスは三成を小突いた。
「さすがポセ様、水や氷ではなくウニを刺しましたね♪」
ポセイドンは冷龍と共に、ストンと地面に落ちるように降りて一息ついた。デメテルは大量のウニが霧となり消えると同時に何処かへ消え去った。ポセイドンはそれが完全に消えるのをじっと見送った。そして、カイロスと三成によろよろと向き合う。立っているのがやっとの状態である。
「佐吉……いや、三成、カイロス。……っ、感謝……する……」
「ポセイドン!」
「ポセ様!」
ポセイドンはその場に倒れ、冷龍は手のひらサイズの龍になり眠りこけた。