ぬら孫
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「朝倉君、GWは合宿だよ!」
「やだ」
(((即答!?)))
帰ろうとした矢先、ワカメ(清継)に止められたが即答を返し、サヤは帰った。
「な…っ、不参加は困るよ!君も名誉会員の一人なんだから!」
叫ぶ清継を無視して帰ったサヤに、リクオは苦笑いした。
「清継君諦めたら?」
「いいやダメだ!彼女は家の関係上妖怪には関わる、なのに何故断るんだ!?」
「家の関係上って?」
「何だ奴良君知らないのか?彼女の家は神社なんだよ」
「へ~、神社… 神社!? 」
「そ、そうだよ」
衝撃的な事実に、リクオは先日祖父に怒っていた茶飲み仲間の神主を思い出した。
(どうしよう…もし朝倉さんが浮世絵神社の神主さんの孫だとしたら、僕が妖怪だって事もバレて…)
そろ~…
事実を確める為、リクオは学校帰りに浮世絵神社を訪れ中を覗いた。
誰もいない様子にそっと中に入り、表札を探していると。
ニャー
「うわあっ!」
猫の鳴き声に驚いて振り向くと、下には三匹の猫がおり、猫達の首には肉吸バンダナが巻かれていた。
「このバンダナ…」
「おや、何かご用ですか?」
声のする方に顔を上げると、袴を着た男性が立っていた。
「あ、えっと、僕…」
「その制服…もしかしてサヤの知り合いかい?」
「は、はい!同じクラスの奴良です」
「そうか、何かご用かい?」
「えっと、あの…GWに旅行に行く事になって…これ、朝倉さんに渡しておいて下さい!」
リクオは手紙を渡し、逃げる様に立ち去った。
「お父さん」
振り返ると、家から出て来たサヤが猫達とじゃれていた。
「誰か来てたの?」
「ああ、奴良って子がこれをサヤにって」
「奴良…奴良?」
言われた名前に首を傾げながら封を開け、手紙を見た後、父にそれを差し出した。
「ああ、旅行ってこの事か」
「…」
「折角誘ってくれたんだ、行っておいで。お婆ちゃんにはお父さんから話しておくから」
「うん…解った」
その夜
(結局、朝倉さんがあの家の子だって事は解ったけど、僕の事は何も言わないし…もしかしてお婆さんから聞いてないのかな?)
考え事をしながら廊下を歩いていると。
「リクオ様ー」
「カラス天狗、どうしたの?」
「お電話ですよ。朝倉サヤ様という方から」
「え?」
リクオは直ぐ様電話の元まで走り、受話器を取った。
「も、もしもし。朝倉さん?」
『…リカイ君』
「 リクオだよ! あの、今日…」
『お父さんから手紙貰った』
「う、うん。あ、本当に嫌なら断っていいから!清継君には僕から『行く』
…へ?」
『旅行…行く』
「ほ、ホントに!?」
『うん』
「ありがとう!清継君には僕から連絡しておくから。うん、じゃあまた明日」
電話を切り、リクオはホッとした。
「よかった、これで清継君に色々言われずに済む」
悩みが一つ消えたが、次の夜、新たな悩みが浮上した。
十匹目
(あ、朝倉さん?旅行に何を持っていくか聞きたいんだけど…)
『ハンカチ』
(う、うん)
『チリカミ』
(…他には?)
『湿布、絆創膏、護身刀、椅子の上に乗っている猫…』
(サヤさん!それ目の前にあるもの言ってない!?)
『…あ』
この後、リクオはカナにも持ち物確認の電話をした。
.
GWに入り、清十字団は合宿の為、捻目山に向かっていた。
新幹線の中でインディアンポーカーをする中、サヤは一人寝ていた。
「朝倉君、君も一回くらい参加したらどうだい!?」
「…ん?」
寝ていた所を起こされ、サヤはボーッとしながら差し出されたカードを一枚引いた。
「…勝ったら文句言わないでよ」
「良かろう!僕に勝ったら好きなだけ寝たまえ」
何故か清継とサヤの一騎打ちとなった。
「恐らく僕のカードは牛鬼!」
「…」
自信満々でカードを投げたがそれは。
納豆小僧
「ぐああ~!またしても納豆ー!!」
「勝った、寝る」
牛鬼のカードを引いたサヤは清継から一番離れた所に移動し、再び寝ようとした時。
スッ
「ん?」
「朝倉さん、ずっと寝てるけど大丈夫?」
「…リコエ君?」
「リクオだよ!」
リクオが差し出したお茶にお礼を言って受け取った。
「もしかして具合悪いの?」
「んにゃ、寝不足」
サヤの脳裏には旅行前に祖母からの多大な使われ様に遠い目をした。
「悪魔にこき使われ早3日…」
「(悪魔?)お、お疲れ様…」
お茶を飲んでいると急に感じた冷気に氷麗の方を見た。
「な、何ですか?」
突然自分を見た事に氷麗は驚くが、サヤはじーっと見た後。
「…つーちゃん」
「へ?」
「それちょーだい」
「あ、はい。どうぞ」
氷麗のポッキーを要求し、一本貰ったそれを加えた。
ポリポリポリポリ
「冷たい」
「え!そ、それは」
「美味しい、も一個」
氷麗はポッキーを箱ごと渡し、リクオに言い寄った。
『リクオ様!もしかして私バレちゃったんですか!?』
『いや、それはないと思うけど…』
『つーちゃんなんて言われたの初めてですよ!』
『氷麗、何か喜んでない?』
ポリポリ
.
目的地の捻目山に到着し、直ぐに別荘に向かうのかと思いきや、そのまま山を登り出した。
「何で別荘行かないの?」
「朝倉君、これは妖怪を探す合宿だ!先ずは梅若丸の祠を探すんだ」
その後祠を発見し、妖怪博士と名乗る者の案内で更に山奥に入った。
皆が巨大な爪や妖怪博士の話に怯える中、サヤは欠伸を溢した。
「…ん?」
何気無く上を見た時、高い木の枝の所に人影が見えた。
ゴシゴシッ
目を擦ってもう一度見上げたが、そこには誰もいなかった。
「…?」
「サヤちゃ~ん、行くよ」
「うい(気のせいか)」
十一匹目
(あの人間、もしかして僕に気付いた?)
見たのは骨被った子
.
GW、ワカメ(清継)に連れられやって来た捻目山。
妖怪博士と名乗る人物との山散策の後、清継の別荘に到着した。
早速女性陣達は温泉に向かい、疲れを癒していた。
(…ん?)
同じくのんびりと湯に浸かっていたサヤだが、カナが何やら百面相し出し、何かに気付くと早々に上がって行くのを見ていた。
(…もっとゆっくりすればいいのに)
今にも沈みそうな体勢のサヤを余所にゆらが何かの気配を感じ、巻は柵の外を見た途端。
「ギャアアアッ!!」
「っ!」
突然の大声にサヤは足を滑らせ沈んだが、直ぐに上がると巨大な妖怪達がいた。
「…でかい」
現れた妖怪に巻と鳥居は慌て、ゆらは式神を出して応戦。サヤはタオルを巻いて湯から出た。
「巻ちゃん鳥ちゃん、中に」
「そ、そうだ。妖怪セキュリティ!」
脱衣場に戻り清継が言っていたセキュリティボタンを押したが。
《緊急事態発生~緊急事態発生~》
スピーカーが鳴り響き、ゆっくりと降りてくるシャッター。妖怪はそれを難なく壊した。
「全然役に立たないじゃんかー!」
「清継のバカー!」
(妖怪にセキュリティって効かないでしょ)
再び逃げ回る巻達にゆらは護衛の式神を出して三人を護らせた。
必死に攻防するゆらだが、場所とサヤ達の事に実力を出せずにいた。
「…ここ離れる、動かないでね」
「え、ちょっとサヤ!?」
サヤはタオルをしっかりと体に巻き、桶にお湯を入れてある物を入れた。
「朝倉さん、危ない!」
一人になったサヤに襲い掛かる妖怪、だがサヤは怯む事なく。
バシャッ
先程の湯を顔面に掛けた、すると。
グアアアッ!
妖怪は目を押さえて暴れだした。
「な、何や?」
「シャンプー混ぜたお湯ぶっかけた。妖怪でも染みるんだね」
暴れる妖怪を見ていると鳥居と巻がゆらに抱き付き、体勢を崩した彼女の式神が消えてしまった。
その隙に襲い掛かる妖怪、ヤバいと思い目を閉じた瞬間。
ザシュッ
「え?」
目の前に移動していたサヤが小刀で妖怪の顔を斬り、それを踏み台にもう一体に斬り掛かろうとした時。
上空から現れた何かが他の妖怪達を潰し、サヤは小刀をしまってゆらの前に移動した。
「ゆらちゃん大丈夫?」
「あ、ああ。平気や」
鳥居と巻をゆらから引き剥がし、脱衣場への道を作った。
「取り敢えず服着よ」
「そ、そうやな」
呆然としながらも着替え終わて先程の場所に戻ると、骨を被った少年が宙吊りにされ、羽の生えた女性に鞭で叩かれていた。
妖怪達も今姿は見えなく、取り敢えず助かったようだ。
「た、助かったの?あたし達…」
「多分…」
(眠い…)
遠巻きに少年のお仕置きや周囲を見て鳥居と巻は安堵し、サヤは眠そうに船を漕いでいた。
「ねぇ、陰陽師娘!そこの寝そうな子でもいいから、助けてよ!」
(何でウチが…)
「…ふ?」
声を掛けられ、サヤはボーッとしながら二人の方に寄った。
「ち、ちょお、朝倉さん!」
サヤは構わず近寄り、骨被りの少年をじっと見た。
「…?」
「…ふぁ~あ~」
「僕を見て欠伸しないでよ!」
「ねぇ、もう中入っていい?お腹すいた…」
「あ、ああ…構わないが」
女性に了承を貰い、サヤは三人を連れて中に入った。
「コラー!僕を一人にするなー!!」
その後、台所に行ったがお手伝いはいなく、仕方なく自分達で食事を作った。
翌日には何処かに行っていたリクオ達も帰って来た。
十二匹目
(カナちゃんもつーちゃんもリカチ君もいなくて良かったね~)
((え?))
(リクオだよ!)
.