ぬら孫
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
日曜日、サヤは父親に頼まれた使いの途中、会いたくない連中に会った。
「やあ朝倉君!丁度よかった、今から奴良君の家に行くのだ。君も来たまえ!」
「清継君、そんな勝手に!」
「…お使い」
「なんや、他に用事があるんか?」
「……………誰?」
「花開院ゆらや!この前会うたやろ!」
「………そうだっけ?」
「とにかく行くぞ!奴良君の家で妖怪レクチャーだ!」
「…お使い」
サヤの言葉を無視して歩き出す清継に、心中で父に謝った。
奴良家に着き、リクオは来る予定のなかったサヤがいる事に驚いた。
「朝倉さん!?何でいるの?」
「…リクエ君?」
「リクオだよ!」
「ワカメに引っ張られた」
「ワカメ?」
「清継君がサヤちゃんを無理矢理連れて来ちゃったの」
コクリ
カナの話した経緯に苦笑いし、リクオは皆を中に案内した。
広間に通されゆらの説明の元妖怪の事で語り出した。だが興味のないサヤは一人舟を漕いでいた。
ガラッ
「お茶入りましたー」
髪の長い女性が持ってきたお茶を配り、何故かリクオが部屋を出て、皆は今の女性の話で騒いでいた。
ズズー…
「なんかこの家、おかしいな…」
異様な気配を感じる家にゆらは立ち上がり、皆も続くように部屋を出て行った。
ズズー…
「朝倉さん!いつまで茶啜ってんねん!?あんたも行くで!」
「えー」
「えーやない!ほら行くで!」
ゆらに手を引かれ、サヤも渋々探索に加わった。
.
後からリクオが追い掛けて来て皆を止めるが聞かなかった。
浴槽の次に仏間に入り、ゆらは一体の仏像をじっと見た。
「一応、お札貼っておく」
妖怪が沢山隠れている仏像に札を貼り、リクオは慌ててどう取ろうか迷った。
ペリッ
「え?」
「立派だね~」
「あ、あの、それ…」
サヤがゆらの貼った札を取って仏像を見ていた。
「ん…仏像?」
「いや、そのお札…今花開院さんが貼ったんだけど…」
「…何で貼ったの?」
「いや、知らないけど」
「じゃゴミだな」
サヤは札を畳んでポケットにしまい、先に行ったゆら達の後を追った。
(…今の、わざと?それとも偶然?)
その後皆は広間に戻り、リクオは一安心していたが。
「おうリクオ、友達かい?」
ゆら一番のお目当て、ぬらりひょんの登場に、リクオはずっこけた。
「どうぞ皆さんこれからも孫の事を宜しゅう頼んます(…ん?)」
普通に接し、お気に入りの飴を渡して退散しようとした時、ぬらりひょんに目も暮れず茶を飲むサヤに目が行った。
ズズー…
.
夕方になり、お開きとなった面々はリクオの家を後にし、サヤも帰ろうとした時。
「あ」
足を止めたサヤにカナも足を止めたが、先に帰ってと返してリクオに振り返った。
「…リオウ君」
「リクオだよ!…で、何かな?」
「あのお茶、どこのお茶?」
「え?お茶って、皆に出したの?」
コクリ。
「えっと…ちょっと待ってて、聞いてくるから!」
リクオは台所へと駆け出し、サヤは大きな欠伸をした時、携帯が鳴った。
ピッ
『サヤーーッ!!お主は何処までかかっとるんじゃー!?』
「…あ」
祖母からの怒りの声に、サヤはお使いを思い出した。
『早く使いを済ませて帰って来い!でなければ境内の掃除を』
ブツッ
会話の途中で通話を切り、電源を落とした。
「お待たせー、聞いてきた…な、何かあったの?」
「…悪魔の叫び声」
「(悪魔?)あ、はいこれ。さっきのお茶葉、良かったらあげるよ」
「…いいの?」
「うん(お札取ってもらったし)」
「…ありがと」
お礼を言い、サヤは踵を返した。
「じゃあまた学校でね」
「うん。… 気を付けてね 」
「え?」
意味有り気な小声を残したがサヤは足を止めずに去って行った。
「…ふあぁ~…」
(足元の小さい妖怪、踏まなきゃいいけど)
八匹目
(サヤー!お主電話を切るとは (お土産)
(こ、この茶は…っ)
(貰ってよかった)
口止めは大事だ
.
「う~ん…」
今のサヤは悩んでいた。
猫達の首輪を見に一番外に来ていた。先日まで物騒な場所だったが、今では脇道に昼寝をする猫を見掛ける程和やかな場所となった。
その中にあるペットショップに入り、首輪をバンダナにするかリボンにするか悩んでいた。
「うう~ん…」
「どうかしましたか?」
悩んでいると店員が声を掛け、サヤは悩みながら答えた。
「猫の首輪をどれにするか迷ってるんですけど、普通の首輪にするかバンダナかリボンか…」
「それでしたら、これなんかどうです?」
店員の勧める品を見た後、初めて店員の方を見て、目を点にした。
「…それ」
「え?」
「それ下さい」
サヤが指差したのは店員が巻いている肉球バンダナだった。
「こ、これですか?」
「それです」
「ち、ちょっと待って下さい!」
店員は店の奥に向かい、サヤは他の物を見始めた。
(ど、どうする?)
(これに目を付ける人間、珍しいな)
(非売品…だよな、これって)
(お前、ちょっと良太猫様に聞いてこい)
(はい)
裏で妖怪猫達が話し合う中、中々戻って来ない店員、店内にない肉球バンダナにサヤは溜め息を吐いた。
「すいません、お客さん。これなんですけど…」
戻って来た歯切れの悪い店員に、サヤは更にガッカリした。
「品切れですか?」
「え?」
「折角カワイイの見付けたのに…」
「そ、そんなに欲しいんですか?」
「だってカワイイから」
カワイイ
その言葉を聞かれて駆け付けて来た良太猫の耳に入り、彼はサヤに寄った。
「お客さん」
「え?」
「私は店長です。こちらのバンダナをお気に召したと聞いたんですが」
「はい、やっぱり品切れ…」
「いえ、実は近々出荷するのですが、お一つでよろしいですか?」
良太猫の言葉にサヤは嬉しそうに猫達と自分の分を頼み、出されたメモに名前と連絡先を書いて意気揚々と帰って行った。
「良太猫様、よかったんですか?」
「これに目を付けてあんな台詞まで言われたら断れないだろ?」
後日、バンダナが入荷したと連絡が来たサヤは直ぐ様店に訪れ購入。
猫達に肉球バンダナを付け、自分も髪を結うのに愛用した。
九匹目
(サヤちゃん、そのバンダナ可愛いね)
(エヘヘ)
(あれって、化猫屋のバンダナ…?)
肉球は正義ダ!