本編
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メガンテを使ったアバンによって洞窟は完全に崩れ、目を開いたダイ達の目線の先にはアバンが持っていた剣が刺さってあった。
「メガンテ、己の命と引き替えに仲間の命を救う…最後の破壊呪文…先生の言った言葉は、こういう意味だったんだ…」
「先生…、先生ーー!!」
アバンの死に皆が号泣し、悲しんでいると、突然地面が揺れた。
地面が盛り上がり、ポップはアバンだと思ったが、現れたのは傷だらけのハドラーだった。
「ハ、ハドラー!」
「そんなっ、メガンテをあんな至近距離から喰らって生きているなんて!」
ハドラーは高笑いしながらアバンの死を喜び、こちらに向かって来た。
「次は貴様等の番だ。アバンの弟子は一人残らず根絶やしにしなくてはな」
指に炎を出し、ダイ達に構える。だがダイ達はアバンが掛けたアストロンでまだ動く事が出来なかった。
「嫌がる事もあるまい、死ねばあの世でアバンに会えるのだからな」
ハドラーの言葉に皆が諦めかけたその時、ダイの体が光り、アストロンを自力で破ろうとしていた。
ハドラーはダイのアストロンが解ける前にメラゾーマを放つ。だがダイは呪文を破り、ヒャダインを放ってハドラーの炎を消した。
「ば、馬鹿な、俺の炎を…おのれぇ!!」
怒ったハドラーはダイに迫り、拳を喰らわせようとしたが、逆にダイの拳に腹を殴られ、続けて顎を殴られた。
吹き飛ばされたハドラーが再びダイを見ると、彼の額に竜の形をした紋章が浮かび上がっていた。
「あの紋章は…」
どこかで見た事があるエルダ。だがどこで見たか思い出せなかった。
そのままハドラーは怒り狂うようにダイを攻撃した。だがダイは無事だった。
ハドラーは最後の攻撃を与えようと上空から攻撃するダイは近くにあったアバンの剣を持ち、構えた。
「先生の技が、どれだけ凄いか、受けてみろ!!」
「アバーン、 ストラッシュ!! 」
ダイの放った技はハドラーの腕を切り、そのまま胸に傷を付けた。
ハドラーはキメラの翼を使って撤退し、その時、ようやくエルダ達のアストロンが解けた。
「うっ、先生…!」
アバンの眼鏡を見ながら号泣するポップ。ダイやエルダもアバンの事を思い出しながら涙を流した。
「先生ーー!!」
泣き叫ぶポップに、皆は何も言えなかった。
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翌朝目覚めると、ダイは浜辺で小船をしていた。その様子にエルダは小船で作業しているダイに声を掛けた。
「ダイ君、おはよう」
「あ、おはようエルダ」
「何しているの?」
「島を出ようと思うんだ」
「え?」
船を頑丈にしながら作業するダイにエルダは首を傾げた。
「アバン先生が言ってたんだ。ロモスの王様やパプニカのレオナ姫も魔王に苦しめられているって」
「ええ…」
「俺、レオナを助けたいんだ。パプニカって行った事ないけど、ロモスの王様ならきっと知ってると思って」
「そう。大切なお姫様なんだね、レオナ姫は」
「べ、別にそんなんじゃ!」
慌てるダイにエルダは笑い、自分も一緒に行く事を告げた。
「エルダ!着いて来てくれるの!?」
「うん。アバン先生と世界を色々旅したから役に立つと思うし、私も捜しものがあるんだ」
「え?」
不思議がるダイに何でもないと言い、エルダも旅仕度を手伝った。
「あ、エルダ。ポップは?」
作業をしながらダイがここにはいないポップに気付きエルダに聞いた。
「ポップ君ならまだ寝てるよ。余程ショックだったんだね。眠ってても泣いていたから…」
「エルダは…辛くないの?」
「辛いけど…いつまでも泣いてたって、先生は喜ばないから」
辛そうに言うエルダにダイは何も言わず、黙って作業を続けた。
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旅仕度が整い、いよいよ出発する事になり、浜辺には島のモンスターやブラスがダイの見送りに来ていた。
「気をつけるんじゃぞダイ」
「うん、じいちゃんも元気で」
「エルダさん、ダイの事をよろしくお願いします」
「ブラスさんもお元気で。お世話になりました」
ダイとエルダは船に乗り込み島の皆に手を振っていると、後方からポップが全速力で走ってきた。
「おーーい!ダイ!エルダ!ふざけんじゃねえぞ!俺を置いて行こうなんて十年早いぜ!!」
ポップはそのまま船まで走り、ダイが手を引いて船に乗せた。
「ポップ!」
「か、勘違いするんじゃねえぞ。別に魔王軍と戦いに行く訳じゃないんだ。あんな島にのんびりしていたくないだけなんだからな。そこんとこ、ハッキリさしとくぞ」
「全く、素直じゃないね」
「う、うるせえな!!」
エルダに怒鳴るポップを見、ダイは帆を広げた。
「出発だ!!」
ダイ達は、デルムリン島を旅立ち、大冒険に向かった。
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