本編
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魔宮の門を突破し内部に突入すると、そこにはハドラーが待ち受けていた。
ハドラーはダイを倒すと冷静に宣告するが、そんな自惚れた言葉にバランは怒り、自分一人でハドラーと対決しようとした。
しかしダイはハドラーが超魔生物に変わった事、力や魔力もレベルアップした事を語るが、バランは竜の騎士としての誇りを優先した。
追い討ちを掛けるように言うハドラーにバランは前に出ようとしたが、それは先に前に出たダイとエルダに止められた。
「戦うのは俺達だっ!ハドラー!!」
「超魔生物になった強さ、見せて貰う!!」
二人は同時に飛び出し、交互にハドラーと戦う。
だが左手から現れた鎖にダイは動きを封じられ、彼を助けようとしたエルダはハドラーが放つイオラの嵐に飛び込み、ダイの鎖を解いた。
爆煙から出て来たダイはアバンストラッシュを、ハドラーはイオナズンを放ち、大爆発が起こった。
「…ダイッ!!」
吹き飛ばされるダイをバランが支え、爆煙から出て来たエルダもダイを心配した。
互いに少しダメージを負いながらも、下にいるハドラーを見ると、バランは何かを発見した。
ハドラーの心臓部分に埋め込まれていた物、それは、大陸一つが全て吹き飛ぶという“黒の核晶(コア)”と呼ばれた爆弾。
バランから内容を聞いたダイやエルダは一瞬顔色を変えた。
魔法剣や呪文は誘爆の可能性がある為使えず、打撃だけで戦う事にした。
作戦が決まったと見計らったハドラーはマントや他の武装を取って三人に突撃。
イオで目をくらまされたバランは地面に叩き付けられ、咄嗟に呪文を使おうとしたダイだが、バランに止められ、殴られた衝撃に壁に激突。
「ダイッ!!」
地面に倒れたダイに叫び、エルダはハドラーより上に上がって剣を構えた。
「だあああっ!!」
「こしゃくなッ!!」
再び剣を出したハドラーはエルダと激突するが、爆弾が目に入って集中出来なかった。
「お前の力はこんなものか…?エルダっ!!」
「…っ!調子に乗るなっ!!」
一度ハドラーから間合いを取り、エルダは剣撃を放った。
「海破斬!」
早い剣撃が襲い掛かるが、ハドラーはベギラゴンを放って剣撃を受け止め、力に押し負けたエルダは地面に叩き付けられた。
叩き付けられたダメージに身動きが取れず、向かってきたベギラゴンに避ける事が出来なかった。
ドオオンッ!!
爆発した部分を見続けると人影が見えた。
ダイとバランは竜闘気で防御し、バランは傷付いたエルダを庇っていた。
「エルダ、大丈夫か!?」
「う…っ、何とか…でも…やっぱりあんな攻撃じゃハドラーは倒せない…父さんぐらいの威力じゃないと…っ!」
痛みを堪えながら話すエルダ。ダイはハドラーに爆弾の事を話そうとするが、思念波で語り出したバランに止められた。
今この場でハドラーに爆弾があると伝えれば、必ず大魔王が爆発させる可能性がある。
そうなれば地上にいるポップ達も巻き添いになってしまう。
バランは最後の手段を使った。
まずギガブレイクでハドラーの首を跳ね、バランの竜闘気で爆発の威力を押さえ込む。
その隙に二人は地上にいる仲間達に撤退させる事。
成功する確率は小さい。だがダイはバランの強さを信頼し、この作戦に乗る事を決めた。
先程の攻撃で少しふらつくエルダも、父の言葉を信じる事にした。
「ハドラー!勝負だッ!!」
「来いッ!!」
最後の賭けに出たバラン。
ダイは彼の手助けをしようとしたが、肩に手を置いたエルダに止められた。
《エルダ…》
《今は父さんに任せるしかない、私達はポップ君達の所に急ごう》
《でも!もし失敗したら…!》
維持でも手助けしようとするが、少し力の入ったエルダの手にダイは言葉を止めた。
《今は信じるしかないの…!》
震える手にダイも従い、バランの合図に二人は飛び出した。
ドガッ!
ギガブレイクでハドラーの首を斬ったと思ったが、首は斬れず、ハドラーの爪がバランを襲った。
「父さんっ!」
ドスッ
エルダは目を疑った。
ハドラーの攻撃を受け止めたのは、ダイだった。
「…ディ…ディーノッ!!」
倒れるダイを地面に激突する前にエルダが支え、腹部に受けた傷の様子を見た。
「ディーノ!」
駆け寄ったバランもダイの状況を見るが、かなり傷口が深い。
「…う…う…」
「おお、ディーノ!」
「…ディーノ…?あ…そっか…俺の事か…し、失敗しちゃったね…変だな…俺と戦った時のキガブレイクは…あんなもんじゃ、なかった…」
傷の影響でダイは数量の血を吐き、バランは直ぐさま回復呪文を懸け始めた。
エルダも傍らに寄りながら立ち上がったハドラーを睨む。だが、彼の傍にある人物が現れた。
「その質問には、ボクがお答えしよう…」
「お、お前は…、死神、キルバーン!!」
現れた死神にバランは生きていたのか、と驚きつつも、ダイの回復を続けていた。
以前会った時、バランはキルバーンを胴斬りにして倒した。だが死神の血液には魔界のマグマと同じ成分、温度は超高熱、そして強い酸を含んでいる。
その血が付着したバランの剣は切れ味が半減し、並の相手ならともかく、ハドラーのような相手では完全に斬る事は不可能だった。
彼の使い魔はハドラーの再生しかけている傷を治させ、用件を済ませた死神はそそくさと退散。ハドラーは再びイオナズンを構えた。
「い、…いかん!」
バランは回復を止めずにダイを庇うように背を向けるだが、二人の前にエルダが立ち塞がった。
「エルダ!?」
「父さんはディーノの回復を続けて。ハドラーは、私が食い止める…!」
剣を握り締めて構えるエルダ、その時気付いた。エルダの右腕部分が、出血で赤くなっている事に。
それにバランは目を見開いた。
「止めろエルダ!その腕では…!」
「今はこれしか方法はないの!」
一歩も引かずに叫び、ハドラーを睨み付けた。
「瀕死の弟を庇うか…!それも良かろう!俺はこの戦いを延ばす事は出来ん、この場で決着を付けるしか無いのだあぁーーッ!!」
容赦なく放たれたイオナズン、エルダは竜闘気を全開にして迎え撃った。
「ああああーーッ!!」
ズドオオオン!!
イオナズンを掻き消したエルダ、そして、彼女の傍らには同じように竜闘気を出し、息を乱すダイが立っていた。
「ディ、ディーノ…!」
「だ…大丈夫?エルダ…」
よろけるダイをすかさず支え、まだ治りきっていない傷口を見た。
「ディーノ、血が」
「平気平気っ…!もう治ったよ…!」
「意地を張るなっ!あれ程の深手がわずかな時間の回復呪文で治るかっ!!」
未だに傷口から流れるダイの血と、エルダの右腕の血。
意地でも戦い続けようとする二人にバランは止めようとするが、ダイは三人で一緒に戦おうといい、その続く言葉にバランは何かに閃いた。
「俺達…親子なんだろ…?最後の最後ぐらい本当に心と力を合わせれば、最後の力が生まれるかもしれないじゃないか…!」
「最後の力…」
手に握っていた竜の飾りを握り締める。そんな中、ダイは再びハドラーに迫ろうとしたが、体力が低下している為足元がふらついてしまう。
よろけるダイを支えながらエルダもハドラーに向かおうとするが、決意を決めたバランに止められた。
「…わかった、お前の言う通りにしよう」
「ほ…本当に?」
ダイの意見を聞き入れたバランに二人は振り向いたが瞬間、ある呪文を掛けられた。
「ラリホーマ!」
「「!!?」」
睡眠呪文を掛けられ、疑問を持つ中、バランは二人に告げた。
「戦いは私に任せてゆっくり眠れ。戦闘さえしなければ、お前達の傷もしだいに治るだろう」
「ひ…ひどいよ!ど…どうして…!?」
「と…父さん…っ」
「…子供がどう願っても、親とは常にこうしてしまうものなのだ。お前達も大人になればいつかきっと判る…」
バランはダイの本当の名前ディーノの由来を教え、泣き崩れるダイを支えた。
崩れたダイを支えながら、必死に眠気を堪えているエルダを見た。
「エルダ…」
「やめて父さん…こんな、こんな死ぬような真似…っ」
「考えれば、お前も同じような事をディーノにしたな。やはり子は親に似るものだ…」
「母さんとの約束は…!どうするのよ…!?」
その言葉に、少し動揺を見せる。
「母さんが言ったじゃない…三人で、幸せにって…折角…折角母さんの願いが叶ったのに…っ!」
「…済まない」
「行かないで…父さん…っ行かな…」
ついに限界が来たのか、ダイと同じように倒れ、支えたエルダの涙を見ながら彼女が幼かった頃を思い出した。
バランがどこかに行く度に泣き付いて離れず、いつも苦戦を強いられていた日々。
エルダの涙を拭いながら、数時間前にダイ達の元を訪れ泣き付くす姿を思い出していた。
(相変わらず、泣き虫だな…)
ダイとエルダを寄り付かせて壁に寝かせ、バランはハドラーに向き直った。
二度と使うまいと思ったバランの最後の力。
「エルダとディーノを眠らせたのはその身を案じたからではない!かつては親子でありながら骨肉の死闘を演じたこの破壊魔獣の姿を…あの子達にだけは二度と見せたくなかったからだっ!!」
バランの最後の力、それは竜の騎士最強戦闘形態
竜魔人だった。
「死ねハドラー。私も地獄まで付き合ってやる…!」
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