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最終決戦の場に向かう五日間の間に、アバンの使徒達はそれぞれ修行を開始する。

そして五日後、ついに出発する日がやって来た。



エルダが現地に到着した時には既に皆は揃っており、最後にダイとヒュンケルが到着した。


再会を喜び合うダイ達を見ながらエルダもヒュンケルと再会の挨拶をしていると、近くにいた二人の武具を作ったロン・ベルクがエルダに声を掛けた。


「お前…その剣を何処で見つけた?」

「え、これは…アルキード王国の地下に…」


背中に背負っていた剣を見ながら告げると、ロン・ベルクは驚いた顔をした。


「…そうか、ついに抜ける奴が現れたんだな」

「?」


彼の言っている意味が解らず首を傾げると、ロンはエルダの肩に手を置いた。


「お前はそいつを抜いた、必ず使いこなせる事が出来る筈だ。そいつをよろしくな」


ロンの言葉に、エルダは何かに気付いたがあえて言わず、ただ彼に向かって頷いた。


そしてダイとポップはアバン自信が書いた本を取りに行き、気球に乗って決戦の地に向かった。


.

浮かぶ気球の中では世界中の強豪の事をあれこれ言いながら騒いでいるが、そんな中クロコダインとヒュンケルだけは真剣な顔付きだった。


「相変わらずの無愛想」


いつの間にかクロコダインの横にいたエルダに彼は驚くが、反対側のヒュンケルは眉一つ動かさなかった。


「エイミさんにまであんな冷たい言い方しなくてもいいのに」

「本当の事を言ったまでだ。何が悪い」

「別に~、君の無愛想は今に始まった事じゃないし」

「…何が言いたい」

「何にも、ただもう少し言葉を選ばないと近寄って来た女性達はいなくなるよ」

「好都合だ、そんなものに構ってる暇はない」


お互いの顔を見ずに言い争う二人に挟まれているクロコダインは二人を交互に見ながら慌てるが、言い争いは止まらなかった。


「この戦闘馬鹿め」

「お前もだろう?」


ムカッ


ヒュンケルの発言に苛立ったエルダは彼の方を向き、拳を握り締めた。


「私が好き好んで戦ってると思うのか?」

「違うのか?少なくとも俺にはそう見えるぞ」


ブチッ


ヒュンケルの言葉についに頭に血が上ったのか、エルダはヒュンケルに飛び掛かろうとしたが、それはクロコダインに止められた。


「離せクロコダイン!この冷血男を殴らせろ!」

「落ち着けエルダ!敵と戦う前に無駄な体力を使ってどうする!?」

「無駄とは何よ無駄とは!」


抑えられるエルダを見て一同は唖然とするが、ヒュンケルは彼女の行動に小さく笑いを零した。



.

暫くして元カール王国があった場所に到達し、迎えにきた兵士の案内で作戦基地に向かった。

そこでこれからの作戦を開始しようとした時、一人の魔法使いがボロボロになりながら現れた。


魔法使いは漁港にハドラーの部下、親衛騎団が現れた事を報告し、その場所に向かおうとしたが、一人の青年に止められた。


「僕が行けば済む事だ」


彼は自分の事を“北の勇者”と名乗り、ダイ達の力も借りずに一人漁港に向かってしまった。


自己中な彼は助けたくはないが、漁港にいる他の人間や船を護る為、一足先にダイ、ポップ、エルダが現地に飛んだ。


トベルーラを使って漁港に向かうダイ達、ポップは飛びながらレオナから渡された新たな防具に感激していた。


「こいつは有り難いぜ、この薄さでダイやエルダの服と同じ防御力があるとはな」

「パプニカの法術って凄いよねー、紋章全開にしても燃えないんだもん」


エルダも己の服を掴みながら言っていると、ダイがいない事に気付いて後ろを向いた。


「おーい、二人共ー!!ちょ、ちょっと待ってくれよ!トベルーラ使えるようになってまだ間もないんだ!そんなに速くは…!」


何とか着いて来ているが、ダイの飛ぶ速さは遅く、仕方なくポップがダイの手を掴んで飛び始めた。


「ま、お前の能力は最近ますます怪物じみてきたからな、一つでもお前より優れた所があるってのはいい事だ!」

「怪物はないだろ~?」

「ハハッ、じゃあバケモンだ!」

「こら~!」


からかうように言うポップの頭に、エルダの軽い叩きが入った。


「仲間に向かってバケモンはないでしょ?」

「大丈夫だって、エルダは以前からバケモンだ!」

「どういう意味よー!」


ポップの言葉にエルダは怒るが、ダイとポップは笑いながら飛び続けていた。


.

漁港に到着すると、既に先程の別名“北の勇者”ことノヴァが闘気の剣で敵と戦っていた。


ノヴァは兵士・ヒムに止めの一撃を打ち噛ますが、砕けたのはノヴァの闘気の剣の方だった。


無傷のヒムに苛立ったノヴァは再度攻撃を仕掛けるか、別の敵に高熱を浴びされて倒れてしまった。


「ノヴァ!」

エルダ、回復を!」

「わかった!」


エルダはノヴァに近寄ってホイミを掛けながら、敵全員の自己紹介を聞いた。


ノヴァに高熱を浴びさせた女王・アルビナス。

一番最初に見た兵士・ヒム

馬顔の騎士・シグマ。

鋭そうな手を持つ僧正・フェンブレン。

そして最後に、大型船を片手に持って現れた城兵・ブロック。


ブロックは持っていた船をダイ達向けて投げ捨て、大砲の火薬に火が付いたのかその場には大爆発が起こった。


「くそ…っ」

「よくも皆の船を!」

「ダイ、エルダ。船はやられちまったが、こいつは逆にチャンスだ、この爆炎が俺達を包み隠している内に…俺の極大呪文で一気にケリを付けてやるぜ!!」


反撃開始の時が来た。

.

ハドラー配下の親衛騎団が港に出現し、一足先早く現地に飛んだダイ、ポップ、エルダ


だが港にいた者達は全て倒され、死の大地に向かう大型船も奴らに壊されてしまった。

巻き起こる爆炎の中、ポップは自分の極大呪文でケリを付けると言い出した。


メラとヒャドを同時に出し、その二つを合わせて光の矢を作った。


ポップがその呪文を放とうとした時、エルダのホイミで少し回復したノヴァが起き上がろうとした。


「まだ動いたらダメよ!安静に…っ」

「ま、まだだ…まだ僕は…負けていない…っ!!」


止める言葉も聞かずにノヴァは敵向けてマヒャドを放ち、その隙に攻撃しようとした。


だが


ドオオオンッ


騎士のシグマの胸から現れた盾に呪文を跳ね返され、身動きが取れなくなってしまった。


「な、なんてこった!呪文が効かないだけじゃなく、相手に跳ね返せる奴もいるなんて…!これでメドローアをうかつに打てなくなった…!」

「でも、ノヴァが先走ってくれなかったら…今頃全滅よ」

「!そうだ、ノヴァは…!?」


姿が見えないノヴァに辺りを見ると、ヒムがダメージを負ったノヴァを持ち上げていた。


「て、てめえいつの間に…!!」

「ノヴァーーッ!!」


ダイ達はどうにか動こうと氷を砕こうとするが、簡単には砕けなかった。


「…ダ…イ…悔しいけど…君の言う通りだったみたいだな…僕は…本物の勇者じゃないらしいよ…こんなぶざまな勇者なんて…いないもんな…畜生…」

「ノヴァ!!」


泣き崩れるノヴァにヒムは彼の体を空に投げ、止めの一撃をしようとしたが。



ドガッ!



「お喋りな小僧だが、一つだけいい事を言った。上には上がいる…!」


突然現れたヒュンケルの槍が、ヒムの額をブチ抜き、ノヴァを救った。


「ヒュンケル!」

「いいタイミングだこと…」


ヒュンケルを見ていると、ガルーダに乗って移動してきたクロコダインとマァムも合流し、クロコダインは自分の息でダイ達の氷を溶かした。


「…見ろ、ダイ」

「え?」


ヒュンケルに言われてヒムを見ると、額をブチ抜かれても生きていた。


「やはりあいつらはフレイザードと同じ禁呪法で生み出された金属生命体…という事は“核”を見つけ出し俺達の空の技を決めれば倒せる」

「そうか、やつらの急所を探し出せばいいのか?」

「探す必要などない!!」


ヒムは核の場所は人間の腎臓部分だと教え、構えた。


「俺のオリハルコンの身体を見事ブチ抜いた褒美に見せてやろう!我らハドラー親衛騎団の真価をなっ!!」


それにダイ達も身構え、それぞれ対立する相手を決めて、氷が割れた合図に一斉に飛び出した。



ダイは兵士、マァムは騎士クロコダインは城兵、ヒュンケルは女王、ポップは呪文の用意をしていたが、地に潜っていた僧正に襲われそうになった。


ガキンッ!


僧正の攻撃を、間に入ったエルダが剣で受け止めた。


エルダッ!」

「何ぼーっとしてんのよ…ッ!」


エルダは僧正を押し返して間合いを取り、ポップを睨んだ。


「さっさと準備しなさいよ!」

「で、でもよ…奴らがあらかた固まってねえと…」

「…ならいつでも打てる準備をしてな!」


再び僧正に向かうエルダ、だが奴の8割以上が刃物だといい、何処を狙っても直ぐには傷付ける事は出来なかった。


「無駄だ、そんな剣では俺に傷を付ける事は出来んぞ!」

「くそ…っ!」


その時、別の場所からダイの叫びが聞こえた。


そちらの方を向くと、ダイが兵士にボコボコに殴られていた。


「ダイ!」

「よそ見をするな!!」


エルダに手を振り上げる僧正、だが彼女は奴の攻撃を避け、竜闘気を全開にして顔面を殴り付けて吹き飛ばした。


「ダイ、伏せなさい!」


叫ばれた言葉にダイは言われた通りに伏せ、その隙にエルダは兵士に向かった。


「バキマッ!」


エルダが放った呪文が兵士を上空に飛ばし、ヒュンケルが奴向けて空の技を放った。

しかしその技は心臓部をかすり、一度両者共結集して作戦を変更した。


今度はマァムが城兵、クロコダインは騎士、ダイ、ヒュンケル、エルダは残り三体の相手をし、ポップは呪文の用意をした。


クロコダインは新必殺技で騎士の呪文を跳ね返す盾を吹き飛ばし、体制を崩した騎士に敵が集まった。


「皆、どけーーっ!!」


ポップの相手に皆は散り、敵が纏まっている間にポップは極大呪文を放ち、大爆発が起こった。


.

閃光が止み、敵がいた方向を見ると、敵の姿は跡形もなく消えていた。


「凄い…こんな呪文見た事ないよ」

「いかにオリハルコンといえども、かなわぬ呪文があったようだな…ッ、」


ヒュンケルが何かに気付き、同時にエルダも剣を構えた。

突然構えた二人に皆は一瞬驚いた。


「ど、どうしたの?二人共…」

「…気をぬくな!」

「…まだいる」


その時、ポップが放ったメドローアの方の地面から地鳴りがし出し、土中から敵が現れた。


殆どが無傷だったが、城兵は全てのダメージを受けて倒れ、騎士の手は壊れたが盾だけは破壊出来なかった。


そして敵が再び攻撃を再開しようとした時、彼等の背後にハドラーの姿が現れた。


だがそれはハドラーが魔力で送った映像だった。

奴はダイ達だけを死の大地に来いと誘って映像を切り親衛騎団も撤退してしまった。


「な、何が「ふるい」だ!なめやがって…っ!待ちやがれーーっ!!」

「ポップ!皆の手当てが先だろ!!」


飛び出そうとするポップをダイが抑え、壊れた港を見ながら怪我人の治療に入った。





その時、遥か死の大地では偵察に向かったチウが僧正と出くわしていた。

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