本編
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鬼岩城撃破後、パプニカに戻って来たのはクロコダインとポップだけ。
ポップは今まで起こった事を皆に話し、深く後悔していた。
自分の軽はずみな行動でダイは行方知れずになり、自分はおめおめと戻って来てしまった。
クロコダインとエルダはダイを捜す為、彼が落ちたであろう極北の海に向かった。
ガルーダで移動するクロコダインに、一緒に着いて来たチウ。トベルーラを使って空を飛ぶエルダ。
すると後方から光が見え、そちらを見ると、ポップがこちら目掛けて飛んで来た。
「ポップ君」
「やはり追ってきたか」
「フン、あいつめ…僕が一躍ヒーローになってしまうのが怖いんですよ、きっと!」
チウの言葉にクロコダインは笑いを零し、エルダは追い付いたポップを見て笑顔になった。
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ダイが落ちたであろう氷山ばかりの海に辿り着き、まずクロコダインとポップは空を、エルダは紋章の力を使って捜索していたが、ダイの力が弱いらしいのか何も感じられない。
「エルダ、どうだ?」
「…駄目、ダイの力が弱まっているから、何処にいるかは」
空を捜索し、海の中も捜索したがダイの姿はなく、頼みのエルダでも不可能。
ふと、鼻歌を歌いながら釣りをしているチウを見ると彼の元に一匹のしびれくらげがやってきた。
しびれくらげはダイが付けていた装飾品を見付け、ポップが装飾品を掴みながら彼の名前を大声で叫んだ。
その時
ドオオオンッ!!
一つの氷山から光の柱が上り、その上空の雲には竜の紋章が映し出されていた。
「ダイだっ!」
「ダイーーッ!!」
ポップ、エルダ、クロコダインは紋章目掛けて飛び、ダイの元に向かうが、それは敵にも見つかってしまった。
妖魔士団の中でも最上級のモンスター達がこちらに迫り、クロコダインは一人で相手をすると言い出した。
「私も戦うわ!ポップ君はダイをお願い!」
「な…、おいエルダ!」
「自分で招いた種は…自分で処理しないとね」
ポップ向けてウィンクし、ポップはダイの元に、クロコダインとエルダはモンスター達の相手をし出した。
ポップは氷山の中からダイを救出したが、外にはザボエラが待ち構えていた。
「いつの間にっ!?」
「ダイ!ポップ君!!」
二人の元に向かうが、傍にいるモンスター達が邪魔をして二人に近寄れずにいた。
ザボエラは部下にメラゾーマを自分に打てと言い、部下と己のメラゾーマを合わせてダイ達向けて放った。
「ダイーーッ!!ポップ君ーーッ!!」
ブンッ!!
その時、何処からか巨大な駒が現れ、ザボエラの呪文はそれに防がれダイ達を助けた。
そしてその駒は、金属人間へと変わった。
「俺はハドラー様の忠実なる兵士、ヒム!ハドラー様のご命令により、お前を連れ戻しにきた」
金属人間はザボエラを掴み向かってくる部下のモンスター達を全て簡単に倒してしまった。
(この金属人間…まさか)
至近距離からザボエラは呪文を放つが金属人間は傷一つ付かずにいた。
「俺はハドラー様がオリハルコンの駒より禁呪法で生み出した最強の親衛隊員!いかなる攻撃も呪文も我が身を傷つけるには至らん」
「オリハルコン…やっぱり…!」
見下すように見るヒムと名乗った金属人間に思わずエルダは剣を構える。
ヒムはチウが持っていたダイの剣や、エルダの剣を見るが、何もせずにザボエラを連れてその場から立ち去った。
立ち去るヒムを見ながらエルダとクロコダインは二人に寄って無事を確かめ、暫く今のヒムの事を考えていた。
「…帰ろう、みんな…」
弱々しいダイの声に、皆は彼を見た。
「…早くパプニカに戻って色々やらなきゃ…」
顔色を悪くしながら呟くダイに、一同は考えを止めた。
「…そうだな、そうだった。凍死寸前の怪我人がいたのをすっかり忘れてたぜ」
「ははは…ひでえなあ…」
和んだ雰囲気に一時パプニカに戻り、これからの対策を考える事にした。
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「ダイ君!」
「ダイ!」
パプニカに戻って直ぐにダイの手当てをし、ポップやクロコダインも他の仲間達と話しをしながら休む事になった。
そんな中、エルダは一人その風景を見つめ、静かに部屋を出た。
だが一人、チウだけはエルダの行動に気付き、傍にいたゴメちゃんと共に彼女の後を追った。
病室を抜け、静かに廊下を歩いていると、後ろから声を掛けられた。
「エルダさん!」
呼ばれた声に後ろを向くと、そこには先程まで共にいたネズミとゴメがいた。
しかしエルダは彼を詳しく知らない為首を傾げると、ネズミは改めて自己紹介をした。
「僕の名前はチウ!マァムさんの兄弟弟子である武闘家だ、君の事はこいつから聞いたよ」
チウは傍にいるゴメを指差し、ゴメは心配そうにエルダの肩に乗った。
「ピピィ~…」
「…ゴメちゃん?」
「心配してるよ、何で皆に何も言わないで出ていくんだって」
ゴメの言葉をチウは通訳してエルダに伝えると、彼女は少し目を見開いてゴメの頭を撫でた。
「さっきは勢いに任せていたから話せたけど、やっぱりまだ普通には話せないんだ…ごめんね」
「ピィ~…」
ゴメをチウに渡してその場を去ろうとした時、新たな声に足を止めた。
「随分勝手じゃないの?エルダ」
後ろを向くと、そこにはレオナが立っていた。
「レオナ…」
「何処に行くつもりよ」
少し怒り気味のレオナに対し、エルダは苦笑いをしながら答えた。
「何処だろうね。少なくとも、また戦う時には戻ってくるから…」
そう言って去ろうとしたがレオナに腕を掴まれて去る事は不可能だった。
そして彼女の手を引きながらある部屋に入った。
「…レオナ?」
ドンッ
レオナは無言でエルダの前に宝箱を置き、エルダは一度彼女の顔を見てから宝箱を開けた。
中には、新しい服と防具が入っていた。
「レオナ、これ…」
「エルダの為に作らせたのよ。ダイ君と同じ素材だから、竜の紋章を使っても簡単には燃えないわ」
レオナはそう言って部屋を出ようとした時、もう一度エルダを見た。
「明日までにこれから先の事を世界の王達と話し会うわ。それまでは、此処にいる事」
念を押すように告げてレオナは部屋を退出し、エルダは小さく笑いを零して新しい服に着替え始めた。
その翌日、五日後に敵の拠点に出発する事が決定された。
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