本編
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竜騎将バランとの死闘をくぐり抜け、ハドラー・ザボエラの策略をも打ち破ったダイ達一行は、レオナの母国、パプニカへと戻って来ていた。
ダイはレオナから貰った新しい防具を身に付けて竜の力の練習。
だが今、彼の力に堪えれる剣はない。ダイとポップはロモスで行われる武術大会の景品、“はじゃの剣”を手に入れる為に飛び出して行ってしまった。
クロコダインは壊れた武器を直す為パプニカに残り、ヒュンケルは国の付近で槍の修行をすると言い出した。
ヒュンケルはクロコダインに後を頼むと言って部屋を出、修行を開始する前にある部屋を訪れた。
その部屋には一つのベットが置かれており、そこで眠っているのはエルダだった。
バランの血でエルダは生き返る事が出来たが、彼女は未だに意識が戻らずに眠り続けている。
ヒュンケルはエルダの頬を触り、彼女の体温を感じながら俯いた。
「エルダ、早く目を覚ませ…」
エルダ向けて小さく呟き、ヒュンケルは部屋を出た。
その時、エルダの目が僅かに開かれた。
.
ロモスから帰ったダイ達。
無事武闘家になったマァムや彼女の兄弟弟子であるチウを仲間に入れ、パプニカのレオナの元に戻った。
レオナとマァムは再会を喜んでいるが、ダイの顔を見た瞬間その顔が変化した。
「どうしたの、レオナ?」
「ダイ君、実は…」
悲しそうな顔のレオナにダイは首を傾げる。そしてレオナは意を決したように話した。
「エルダの、エルダの姿が、何処にも見当たらないの…」
「え…ええ!?」
ダイの声にポップやマァムもレオナに言い寄った。
「見当たらないって…どういう事なの!?」
「エルダのお世話をしていた人から…昨日様子を見に行ったら、エルダの姿がないと聞かされて…詳しい事は…」
静まり返るその時、最初に声を出したのはダイだった。
「大丈夫だよ、エルダは…」
「…ダイ?」
唐突に言う彼に、ポップは少し戸惑いながらダイを見た。
「何処に行ったなんて知らないけど…エルダは絶対に俺達の所に帰ってきてくれたから」
その言葉に、一同は納得した。
ヒュンケルを追い掛けて溶岩の中に突入した時も、バランに記憶を消されても必ず帰って来たエルダ。
「俺は待つよ、絶対エルダは戻ってくる」
自信満々なダイの言葉に、皆もエルダを信じて待つ事にした。
.
その頃、エルダは一人ある場所を訪れていた。
かつて、アルキード王国があった場所に。
十一年前と変わらない瓦礫の街、その街中、ただ歩いていた。
ガラッ!
「ッ!?」
すると、足元の床が突然崩れ、呪文を発動させてその場に浮き、床が抜けた下の地面にゆっくりと降りて行った。
「何…此処?」
薄暗い地下へ続く階段を降りていると、一つの扉を発見し、エルダは恐る恐る中に入った。
その中には、鎖で厳重に封印されている、一本の剣が飾られていた。
「この剣は…」
エルダはその剣に触れると、頭の中に映像が流れ始めた。
数々の人間がこの剣を抜こうとするが、誰もこの剣を抜く者は現れず、剣はこの場所に封印され、その存在すらも忘れさられていった。
誰も自分を使ってくれないそんな剣の想いが、何故だかエルダには解った。
「辛かったんだ。悲しかったんだ…」
エルダは剣をそっと抱きしめ、言い聞かせるように話した。
「貴方なら、堪えられるかもしれない…竜の力に…」
剣に巻き付いてある鎖を解き、エルダは両手で剣を握った。
「私に貴方の力を貸して…大切な人達を護れる力を!」
ズズズッ!
エルダは剣を抜き、その場に掲げた。
天井の隙間から漏れた光に照らされる剣を暫く眺め、それを鞘に戻し、その場を出た。
ピクッ
何か巨大な力をパプニカの方から感じ、エルダはルーラでパプニカ向けて飛んだ。
.
パプニカに上陸した魔王軍の城、鬼岩城。
その中から現れた敵を薙ぎ払うダイ以外の仲間達。だがミストバーンの圧倒的な攻撃になす術もなかった。
そして闘魔傀儡掌でヒュンケルに止めを刺すミストバーン。
だが、それはある者に断ち切られた。
〔なっ…何者ッ!?〕
ミストバーンは攻撃が放たれた方を向くと、そこには一人の人物がいた。
短剣を構えた、エルダの姿だった。
エルダはミストバーンが全員に放っていた傀儡掌を空裂斬で攻撃し、皆を開放した。
「皆、大丈夫?」
「エルダ!」
マァムはエルダに駆け寄って戻った事と再会を喜び、エルダも同じように喜びながらミストバーンを睨み付けた。
「随分派手な事してくれたわね、ミストバーンさんよ」
〔エルダか…確かに今や我が暗黒闘気流を完全に断ち切れるのは空裂斬を極めたお前とダイのみ…〕
「…だから?」
語り出すミストバーンに少しも様子を変えずに睨むエルダ。その時、ヒュンケルがエルダに向けて叫んだ。
「エルダ!お前は鬼岩城を追え!姫や他の王達が大礼拝堂に…!」
「平気よ、あそこにはダイが向かってる」
叫ぶヒュンケルの声を冷静に返し、エルダは短剣をしまって背中の剣を手に取った。
〔ッ!その剣は…〕
「手に入れて早々実戦とはね…堪えてよ」
エルダは剣に語り掛け、竜の紋章を出した。
「あんたが仲間にした仕打ち、倍にして返してやる!」
エルダはミストバーン目掛けて飛び出した。
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暫くすると、ダイの活躍で鬼岩城は倒され、残りはミストバーンを倒すだけになった。
だが、ミストバーンは墜ちた鬼岩城を見て絶句しだした。
ポップは止めとばかりにベギラマを放つが、ミストバーンはそれを受け止め、跳ね返してしまった。
「うわあぁッ!!」
「危ない!」
エルダは皆の前に立って竜闘気を全快にして受け止めた。
「ッ…くそ…ッ!」
〔かあああッ!!〕
だが、まだ完全に竜の力を操れないエルダは呪文に押し負け、吹き飛ばされてしまった。
「ッ!!」
「エルダ!」
吹き飛ばされたエルダにマァムが駆け寄って彼女を支えると、ミストバーンからとてつもない威圧感を感じた。
ミストバーンが己の真の姿を明かそうとした時、それは死神、キルバーンに止められた。
二人はその場から退散し、それに怒ったポップは冷静さを忘れて飛び出して行ってしまった。
鬼岩城を倒したダイもその場に駆け付け、ポップを連れ戻す為後を追った。
その直後、暗黒闘気のダメージにヒュンケルは倒れ、クロコダインはガルーダで二人の後を追った。
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