本編
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どうしてこうなったの?
私達が何をしたの?
ずっと幸せだったのに、どうして、どうして邪魔するの?
―――が殺された。
―――が連れて行かれた。
―――が捕まった。
許さない許さない許さない
「皆…皆っ…」
「死んじゃえーーー!!」
少女の額が輝いた瞬間、その場は光に包まれた。
.
数日後、一人の男が滅びた国に立ち寄った。
街の壁には魔物の爪痕や食い散らかした人間の血や肉がそこら中に飛び散り、魔物がまだ残っているかの用な地響き。
(どうすればこんな状況になるのだろう…)
男はそう考えながらも足を進めて行き、廃墟になった教会前で足を止めた。
教会前には小さな少女が顔を俯かせて座っていた。
男は少女の前まで向かい、声を駆けた。
「君、大丈夫ですか?」
「…だれ?」
少女はゆっくりと顔を上げて、空虚な瞳で男を見上げた。
「ん~さしずめ、正義の勇者ってトコですかねぇ~」
「…勇者?」
冗談混じりにニッコリと笑う男の聞き慣れない単語に少女は首を傾げた。
「家族はどうしました?」
男は自分を不思議そうに見つめる少女の頭を撫でながら聞いた。
「母さんは…殺された。父さんは…どこかに行っちゃった」
「エルダはお父さんと一緒に行かなかったんですか?」
「うん。すぐ戻ってくると思ってたから…行かなかった」
エルダと名乗った少女は小さな声で答えていった。
「他に家族は?」
男は少しでも手掛かりを探そうと尋ねると、エルダの体が一瞬震えた。
「…弟がいるの。ディーノっていう…」
「ディーノ君は、今どこに?」
「分からない…っ、怖い人達に連れて行かれちゃったから…」
俯いて震えながら答えるエルダ、彼女を繋ぐモノは全て断たれてしまっていた。だが、ここに一人置いていくのも危険だ。
そして男は一つの答えを決断した。
「では、私と一緒に行きませんか?」
「っ、え…?」
男の突然の提案にエルダは顔を上げて目を見開いた。
「私は世界を旅しているんです。もしかしたらディーノ君に会えるかもしれませんよ?」
エルダの頭を撫でて、微笑みかける。
「さあ」
男は手を差し出し、エルダは戸惑いながらも、その手を取った。
「そうそう、私の名前はアバンです」
「アバン…?」
「はい、これからよろしくお願いしますよ、エルダ」
「…うん」
少女は勇者の手を取り、運命が動き出した。
この夢小説では王国のみ滅んだ事になってます。