本編
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ダイはアバン流刀殺法最後の技である空裂斬を完成させ、フレイザードの核を破壊する事に成功した。
左右の体を維持出来なくなったフレイザードは体を放し、その隙にポップがベギラマで氷の体を溶かした。
そして残った炎の体にヒュンケルが攻撃しようとした瞬間。
間に入って来たのは魔王軍の軍団長である、ミストバーンだった。
「ミ、ミストバーン…!頼むっ、助けてくれ!このままじゃ死んでも死にきれねえ…助けてくれよ!!」
フレイザードの言葉にミストバーンは黙って空を指差した。そこには不思議な鎧が現れていた。
ミストバーンのその鎧を使えば敵はいないと言う言葉を信じ、フレイザードはその鎧と一体化した。
「力が、力がみなぎってくる…信じられないような凄まじい力だ…!」
鎧と一体化したフレイザードはみなぎる力に感激し、背後に現れたバダックを攻撃した。
「危ないじいさん!!」
クロコダインはフレイザードの攻撃を受け止めてバダックから護った。しかしクロコダインは力に押し負け岩から崩れ落ちた。
「クロコダイン!!」
「じいさん!!」
「ゴメちゃんっ!!」
ヒュンケル、ポップ、エルダはクロコダイン達に駆け出す。だがフレイザードは標的を三人に移した。
向かってくるフレイザードにポップはヒャダルコを放つが、呪文は跳ね返され、ヒュンケルとポップは殴り飛ばされてしまった。
「ヒュンケル!ポップ君!!」
エルダは短剣を構えて大地斬を放つ。だが鎧に傷を付ける事なく短剣は砕け、エルダも殴り飛ばされてしまった。
強烈な一撃を与えられた三人は立つ事も出来ずにもがいていた。
「ギャハハハッ!!気に入った!最高だぜこの体はよミストバーン!!」
フレイザードは高笑いしながら叫ぶが、ミストバーンは何も話さない。
「クロコダインより強く、しかも速い!あの女の技も通用しないし、おまけにヒュンケルの鎧同様呪文も受け付けねえ!まさに完全無欠じゃねえか!!」
暫くミストバーンを見、マァムに支えられているダイに向き直った。
ダイはマァムを自分から離し、フレイザードの攻撃を受けた。
だが、吹き飛ばされたダイは見事に着地し、フレイザードに構えた。
「完成だ…!空裂斬を会得した事によってダイのアバン流刀殺法は完成をみた!それは、あの必殺技の完成をも意味する!!」
「あの必殺技って…まさか!?」
ヒュンケルやポップの言葉に続いて、エルダも確信した。
「ダイ君はあの破壊力を無意識の内に悟ったのよ…だから確信した!こいつには勝てる!…と」
「ダ、ダイ…!」
フレイザードと対峙し、あの構えを見せたダイに皆は目を張る。
「アバンストラッシュだーー!!」
ダイの放った技はフレイザードの鎧をバラバラに砕きそれを見た皆は喜んだ。
技を放った後、倒れたダイに皆は駆け寄り、残ったミストバーンを見た。
だがミストバーンは味方であるフレイザードの残った目を踏み潰し、その場から姿を消した。
そしてレオナ姫がいる塔の最上階に向かった。
そこで目にした光景に、一同は驚いた。
そこには、未だに氷に包まれたレオナ姫の姿だった。
「おそらく…遅すぎたのだ」
氷を確認したヒュンケルの口から出た言葉に皆は驚愕した。
「フレイザードを倒し呪法は解けた。だが、その戒めから元に戻るだけの生命力が、もう姫には残されていないのだ…!」
「そ、そんな…っ、姫!姫ぇ~っ!!」
氷に縋り付いて泣き出すバダック。それを見たエルダはフレイザードの言葉を思い出した。
「日没まであと僅か…ポップ君!とにかくこの氷を溶かすわよ!!」
「お…おう!」
ポップとエルダは氷目掛けてメラゾーマを放つ。だが、並の呪文では完全に溶かす事は不可能だった。
「っ、くそ…っ」
「何か…打つ手はないのか!?」
その時、マァムは魔弾銃の一つの弾に気が付いた。
その中にはギラが入っている。マァムの提案はそれにもう一発ベギラマを詰める事。
だが複数の魔法を込めた事がない、最悪魔弾銃は。
「よ、よせよマァム!そんな事したら、魔弾銃が壊れちまうかもしれねえぞ!!」
「何を言っとるんじゃ!姫の命がかかっとるんじゃぞ!!」
「魔弾銃はな、ただの道具じゃねえんだ!先生が作った…先生の形見なんだぞ!!」
ポップの言葉に、抗議していたバダックの口調が止まる。
だがマァムはアバンの言葉“これは人を救う為の武器”というのを思い出し、ポップにベギラマを頼んだ。
しかしポップの魔法力は底を付き、力が抜けて弾を落としてしまった。
「万事休すか…」
「私にベギラマが使えたら…っ」
ヒュンケルの声にエルダは自分の不甲斐なさを呪った。
その時、別の手が弾を握った。
それは、ボロボロな状態のダイ。
彼は必死に立ち上がり、戦いにしか反応しなかった紋章の力を発揮した。
「ベギラマーー!!」
ダイの放った呪文が弾の中に入り、マァムはそれを魔弾銃に入れてレオナ姫目掛けて撃った。
放たれた瞬間、場は光りに満ち、その先には氷から溶かれたレオナ姫が立っていた。
ダイは必死に彼女に近付き姫が倒れる前に受け止めた。
聞こえてくる心臓の音。それにダイは涙を流した。
「レオナ…生きてる…生きてるよお!!」
その声に皆は安心し、姫の無事を喜んだ。
そしてマァムはただ一人、魔弾銃に感謝の気持ちを送った。
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