本編
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ダイを中央塔に向かわせ、クロコダインとエルダは炎魔塔のモンスターを次々と倒していった。
「アバン流刀殺法、大地斬!!」
エルダはさまよう鎧達を大地斬で倒し、目標の炎魔塔を睨み付けた。
「と、塔にこれ以上近付けるな!!」
ザボエラの指示に魔法使い達は呪文を放った。しかしクロコダインは傍にいるバダックに伏せろと注意し、右手に力を込めた。
「獣王痛恨撃!!」
クロコダインの技は魔法使い達を吹き飛ばし、そのまま炎魔塔を破壊した。
「な…なんちゅう凄い技じゃ…!」
クロコダインの威力にバダックは折れた炎魔塔を見て唖然とした。
「しかしお主、“痛恨撃”とは名前が物騒でいかんの!“獣王会心撃”とでも改名したらどうじゃ!?」
バダックの言葉にクロコダインは一瞬?になるが、すぐに笑いかけた。
「ワハハハッ!そいつはいいな!!ありがとよ、じいさん」
クロコダインやバダックの笑いに、エルダも吊られるように笑った。
炎魔塔にいるモンスター達を一通り片付けると、クロコダインとエルダは中央塔に向かった。
そこで見たものは、マァムがフレイザードに足を掴まれて、地面に突き刺されている小さな氷山目掛けて振り下ろしていた。
クロコダインは自分の斧をフレイザード目掛けて投げ付け、マァムの足を掴んでいた腕を切り裂いた。
「マァム!」
倒れるマァムをダイが受け止め、クロコダインとエルダはフレイザードの前に立ち、後からヒュンケルも現れた。
ダイ達はフレイザードを囲む。するとフレイザードは観念する、と口に出した。
だが、何かおかしかった。
回りにいた爆弾岩を退け、フレイザードは語った。
「たとえ全てを失ってとしても、俺の勝利だけはのがさねえ!!」
その言葉にダイ達は驚愕した。
「俺は自分の無傷を諦めただけだ。これから仕掛ける最後の技は、俺にとってもハンパじゃなく痛ェんでな!!」
そして胸に付けていたメダルを取ると、ヒュンケルとクロコダインは揃って驚いた。
「ま、まさか…フレイザードがあのメダルを捨てるとは…!」
「あ、あのメダルがどうかしたのかよ?」
「あのメダルは…」
ポップの言葉に、二人は話し出した。
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魔王軍の本拠地、鬼岩城完成の日。魔王軍六団長が初めて集結した時の話。
それに満足した大魔王、バーンは褒美を与えると言い軍団長の中心に火柱を起こした。
そこには一つのメダル。バーンへの忠誠心の証。
六団長は一斉にメダルへと手を伸ばし、そのメダルを手にしたのはフレイザードだった。
「あのメダルはいわば奴の栄光の象徴。命の次に大事な物なのだ!!」
「そ、そいつを捨てたってこたあ…つ、つまり…!」
ヒュンケルの言葉にポップの顔色は悪くなっていった。
「もう過去の栄光はいらねえ…新たな勝利を掴むために…俺は命をかけるのだあッ!!」
すると、フレイザードを中心に、大爆発が起こった。
ダイとポップは吹き飛ぶ体を岩で止め、ヒュンケルとエルダは互いを支える。マァムはクロコダインの図体に護られていた。
「フ、フレイザードの野郎!自爆しやがった!!?」
「いや!それだけの筈がない!ただ自爆するのなら、爆弾岩がいた方が破壊力がでかいはず…!!」
「死してもなお栄光を求めるとは…哀れな…」
すると、飛んできた破片が次々と襲い掛かってきた。
「こ、これ…フレイザードの体の岩だよ!」
「何!?」
ダイが岩を確認し、ヒュンケルが何かに気付いた時、頭上から岩の雨が振った。
「ま、まさかっ…!?」
「そう!そのまさかよ!この岩の一つ一つが俺なんだよッ!!」
フレイザードの岩が次々にダイ達を襲う。
クロコダインは斧で岩を振り払うが、それは一瞬だけ止まり、再び攻撃をした。
それによって倒れたクロコダインに、上空から声が聞こえた。
「なに馬鹿な事やってんだよワニ公が!てめえがいくら怪力だろうと、この技にはなんの意味もねぇんだよ!!」
「あ、あそこに!!」
ダイが指差す方を見ると、岩石を集め、空に顔を写したフレイザードがいた。
「これが俺の最終闘法、弾岩爆花散だっ!!」
「ぶ…ぶっ壊すのが無理なら、皆凍らせてやらあっ!」
ポップは岩石向けてヒャダルコを放つ。しかしそれはフレイザードの氷の岩に直撃し、そのままポップを襲った。
「ポップ君!!」
凍ってしまったポップにエルダが駆け寄り、それを見たダイが攻撃を仕掛けた。
だが、それはクロコダイン同様になってダイに襲い、フレイザードは氷の岩で止めを刺そうとした。
だがそれはヒュンケルによって受け止められ、砕かれてしまった。
「ダイ、奴の体をいくら砕いても無駄だ…砕くなら奴の核(コア)を砕かなくては…」
「核?」
フレイザードはハドラーが生み出したエネルギー岩石生命体。命の源である核を破壊すればフレイザードの体は維持出来なくなる。
「で、でも…こんなにいるのに、たった一つの岩なんか見つからないよ…」
「だが…それを砕かんかぎり…この弾岩の嵐を切り抜ける事は出来んぞ!」
その時、ヒュンケルの言葉を否定するように弾岩が彼を攻撃した。
「ケッ、何を言ってやがる!俺の弾岩爆花散は究極の秘技だ!破れるわけがねえんだよ!!」
「うあああっ!!」
再び襲った岩石の嵐に、ダイは倒れ、さらに攻撃を仕掛けるフレイザードにエルダは前に出た。
「ダイ君!」
「邪魔をするなっ!!」
エルダに向かう岩石の嵐。それに彼女は目を見開き、短剣を両手で構えた。
「メラッ!」
短剣に炎がまとわり、エルダは大地斬を構えた。
「火炎大地斬!!」
エルダが放った技はフレイザードの岩を壊し、岩石は一時止まった。だがそれは一斉にエルダに襲い掛かった。
「あああっ!!」
ダイ達のようにエルダも倒れる。一人だけ無事なマァムはダイに回復呪文を掛けようとするが、それは元の姿に戻ったフレイザードに邪魔された。
「くそ…あの女っ、僅かとはいえ俺の核を掠るとは。許せねぇ…!」
ダメージを受けて動けないエルダの元に向かい、氷で鋭い刃を作った。
「まずてめぇからあの世に送ってやる。有り難く思うんだな」
「っ…、くっ…!」
フレイザードがエルダ目掛けて刃を振り下ろした瞬間。
待てっ!!
後ろを振り向くと、ダイがよろめきながら立ち上がった。
「しぶてえぜ、ガキのくせによ」
「フレイザード…最後の勝負だ…!」
「ダイ!だめよ!逃げなさい!!」
マァムはダイの安否を気遣い叫ぶ。だが彼は聞く様子もなく、鞘に剣をしまった。
「これにしくじればお前の勝ち…。だけど、決まれば俺の勝ちだ!!」
ダイは最後の賭に出た。
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