CDドラマ・スペシャル
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ジリリリ、ジリリリ
ガチャ
「はい、こちらCB署捜査一係…何?やおいエリアで殺し?…そうか、解った」
黒いグラサンをかけた男性、ティエリアは電話を終えると受話器を置き、考える仕草をした。
「殺しですか?ボス」
「やおいエリア32だ、現場に向かってくれ、狙い撃ち」
「解りました」
ボスことティエリアに話し掛けた狙い撃ち、ロックオンはティエリアの指示に署を出た。
「ちょりっす」
「ちょりーっす!」
「狙い撃ちと一緒に、現場に行ってくれ」
「ちょりーっす!」
ハイテンションに話をするちょりっす、刹那は返事を返し、ロックオンの後を追った。
「ボス、僕はどうしたら」
一人署に残った、アレルヤがティエリアに話し掛けてきた。
「泥酔した胸の大きな女性が路上で暴れたらしく、ついさっき、署のブタ箱に放り込まれた。根気よく、彼女の口を聞いてやってくれ。ちなみに、そのシーンはシナリオに書かない」
「ああ、世界の悪意が見えるようだよ」
「頼んだぞ、アレルヤ」
「どうして、僕にはニックネームがないんですか?」
「フ、何故かな」
ガチャ
「ボスー、お茶を持ってきたですー!」
「ありがとう、遥ちゃん。君がいてくれて良かった」
「というかそのニックネーム本名なんじゃ「遥ちゃんの入れてくれるお茶は、我が署の名物だからね」
アレルヤの言葉を遮り、ティエリアは遥ちゃんことミレイナが持ってきたお茶を口にしたが、熱すぎたのか零し掛けた。
「ウフフ、ボスったら~お茶召さんです~」
「全くだ、アハハハ!」
「ですですですですですです~!」
「何で和んでるんですか!?」
「早く行けアレルヤ!」
「っ、解りました。アレルヤ・ハプティズム、目標へ飛翔します!」
「飛ばなくていい」
ティエリアに注意され、アレルヤは普通に署を出た。
「あ、そうですボス。今日からこの署に新しく来る方がいるです」
「新しく、新人か?」
「はいです、真っ直ぐ現場に行くように先程連絡を入れておいたです」
「…そうか。ありがとう、遥ちゃん」
「はい、失礼しますです~」
ミレイナは一旦出て行き、ティエリアは考える素振りを見せた。
.
殺しが行った現場にロックオンと刹那が到着し、先に着いていた刑事に挨拶した。
「CB署捜査一係だ」
「あああ~、これはこれは~どうもご苦労様です。エリア32派出所の、ビリー・カタギリ巡査です」
「害者は?」
「え~、こちらでのっぺりとご臨終なさっておいでですよ」
ロックオンは被せてあるビニールを上げ、害者を見た。
「…害者の身元は?」
「はい。え~名前はラッセ・アイオン(29)職業は、宇宙艇の操舵士だそうだし。
あ、操舵士だそうだす
いや、操舵士だそうです」
何度も言い間違えながら、ビリーは職業を告げた。
「ハァ、一言も喋らずに逝っちまったか。どうやらCDドラマに出る気はないようだな」
「ギャラは×××って噂が」
「黙れちょりっす」
「ちょりーっす!」
「…で、死因は?」
「はい。え~毒性のあるGN粒子を大量に浴びたのが原因だと思われます。え~凶器は恐らくアルヴァトーレでしょう」
「ここだけ本編に準じるのか」
「アルヴァトーレって、あれでしょ?あの金無地てよばれてる「黙れちょりっす!」
「ちょりーっす!」
余計な事を言い掛けた刹那を、ロックオンは黙らせた。
「よし、聞き込みを始めるぞ」
「そうりーしゅ!」
ドンッ
刹那はそう返して歩き出した時、誰かとぶつかってしまった。
「いたっ!」
「だ、大丈夫か?」
思わず素に戻り、尻餅を付いて痛みに耐える人物を見ると、それはタイトスカートの制服を着たヒカルだった。
「あ、ごめんなさい!ぶつかってすみません!」
ヒカルは慌てて立ち上がり、刹那に頭を下げた。
「本日よりCB署配属となりました、流したヒカル・エトワールです。宜しくお願いします」
ヒカルは敬礼し、刹那に笑い掛けた。
.
聞き込みを終え、ロックオンと刹那とビリー、そして新たに加わったヒカルは署に戻って来た。
「ボス、只今戻りました」
「ちょりっすました」
「ご苦労、で、そっちが例の…」
「は、はい!ヒカル・エトワールです!本日よりこちらに配属となりました、宜しくお願いします!」
ロックオンと刹那の後に入ってきたヒカルは、緊張しながらもティエリアに挨拶した。
「そう緊張しなくてもいい、私はここの署のボスだ。そしてこっちは」
「お茶汲みの遥ちゃんです~!お茶をどうぞです」
「あ、ありがとうございます」
ティエリアとミレイナはそれぞれ自己紹介し、ヒカルはミレイナからお茶を受け取った。
「ところで、狙い撃ち、ラッセ殺しの手掛かりは?」
「鑑識により、凶器がアルヴァトーレである事は特定出来たので、その入手ルートを当たってみたのですが、ここ数年、アルヴァトーレは市場には出回ってないようで」
「プラモ出てないし」
「黙れちょりっす」
「ちょりーっす」
「はい。え~凶器は海外から密輸されたか、人工改造された模造品である可能性がありますね」
「解った。博士の言う通り、密輸ルートと模造品、この2つの線から凶器の行方を追ってくれ」
「解りました」
ガチャッ
「も、戻りました…」
「どうした?アレルヤ、やつれた顔をして」
「泥酔した女性の愚痴を永遠聞かされてたんです。私には戦う理由がないとか、エミリオがどうとか要領の得ない話ばかりして、ちゃんとしていれば、グラマラスな美人で通るのに…やあ、ヒカル。元気かい?」
「え?あ、はい…」
戻って来たアレルヤは今までの事を話し、見掛けたヒカルに手を振り、ヒカルは戸惑いながらも返した。
「さて、今後の捜査についてだが」
「僕の話を聞いて下さい」
「断る!」
「ティエリア!」
「ブー!役に成りきってないので、ハプティズムさん減点1です~」
「そんな、ミレイナ!」
「ブーブー!私の名前は遥ちゃんですー、ハプティズムさん減点2です!」
ミレイナはアレルヤに文句を言いながら、チャリンコで部屋を巡回した。
「ああ、世界の悪意が見えるようだよ…」
「よし、今日の捜査はここまでにしよう。狙い撃ち、どうだ?軽く一杯」
「いいですね、お供します」
「ちょりっすも、ちょりっすか?」
「ちょりっすますます」
「それから」
「いいです。もうなんとなくオチは解ってますから、僕は家に戻って、マリーを取り戻す算段でも、もんもんと考える事に」
「ブーブーブー!協調性無しだブー!ハプティズムさんますます減点だブー!」
「そんな!ちゃんと空気を読んだじゃないか遥ちゃん!」
「まあまあ、そんなにカリカリしてると、解決する事件も解決しなくなる」
「誰ですか貴方は!?」
「博士だよ」
「ああ、博士だ」
「ハア…どうして、この人にニックネームがあって僕にはないんだ?」
「ふ、何故かな?」
ゾロゾロと出て行く一行を、ヒカルはポカンとしながら見送った。
すると
「何をしている」
「え?」
ティエリアに呼ばれ、ヒカルは目を見開いた。
「君も早く来い、ヒカル」
「え、お、お供してもいいんですか…?」
「ボスがそう言ってんだからいいんだよ。さ、行こうぜ」
「でも、あの!」
ロックオンに背中を押され、ヒカルも飲みに参加させられた。
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