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適任者として派遣されたアレルヤは、自分の設定に疑問を感じていた。
ア「女性に危害を加える役だなんて、人選ミスじゃないかな?穏やかさを身上としている僕には、そういう役は似合わないと思うんだけど」
刹「ああ、俺もそう思う」
「私も~」
テ「このミッションを遂行する為の特殊装備を、スメラギ・李・ノリエガから届けられている」
刹「特殊装備…?」
ア「中身は何だい?」
袋の中身を出すと、五円玉と糸が出てきた。
テ「三世紀程前に、日本で流通していた五円硬貨だ。指示によると、硬貨の中央に空いてる穴に糸を結び、アレルヤ・ハプティズムの前でそれを揺らせとある」
ア「僕の前でこんなものを揺らして、どうなるんだか」
刹「意味が解らないな」
テ「それでもやるしかなかろう」
ティエリアは五円玉に糸を通し、アレルヤの前にかざした。
テ「いくぞ」
ゆ~る ゆ~る ゆ~る ゆ〜る…
ア「スメラギさんは、こんな事をさせて、一体僕に、何を…っ、あ…あぁ!!」
アレルヤは頭を抑えて唸り俯いた次の瞬間。
「 …ァハハハハ 、…ハッハハハッ!何ともお優しくて馬鹿なアレルヤ様だ!こうもあっさりと催眠術に引っ掛かるとは、アレだな!21世紀なら俺俺詐欺に引っ掛かりそうなぐらいのマヌケっぷりだ」
「ア、アレルヤ…?」
刹「これは、アレルヤの中にある第二人格、ハレルヤ」
テ「凄いな、自分の分身をこうも馬鹿に出来るとは」
ハ「まあいいさ。折角表に出たんだ。久しぶりにシャバの空気を味合わせてもらうとすっか」
刹「刑務所から出処したての、犯罪者のような台詞だな」
「ちょっと怖いな…」
テ「スメラギ・李・ノリエガの人選は間違ってなかったようだ。我々のミッションに協力してもらうぞ、ハレルヤ「喧嘩番長だ!」
テ「何…?」
ハ「役作りだ。喧嘩をする為に生き、喧嘩をして死んでいく。そうさ、俺がなりきるのは喧嘩の中の喧嘩王則ち、喧嘩番長だッ!!」
ちゅ~。
↑ヒカルがパックジュースを飲んだ音。
刹「頼もしいな」
テ「その役作りに、意味があるとは思えんが」
刹「ハッ、まさか…ハレルヤも催眠術に」
ハ「はははは!俺は喧嘩番長だぜッ!!」
テ「掛かっているのか」
「凄い効き目だね~」
映画館から出て来たルイスと沙慈。二人は只今デート中だった。
「ルイス、映画どうだった?」
「よく解んなかった」
「普通の、恋愛映画じゃない?」
「ンフ~」
「笑ってごまかしてる。まあいいけど…それよりさ、これからどうする?」
「じゃあ~、洋服を見て、洋服を見て、洋服を見る」
「見るだけだよ。見るだけ!見るだけだからね!」
「買ってもらって、プレゼントされて、奢ってもらうの」
「うわ、この子、僕の人生食らい尽くすつもりだ」
「ンフ~」
「そこ笑ってごまかす訳?」
「ダ~ンダ~ラ、ダンダンダンダ~ダダ~ン。武力介入~。仲が宜しくていいなえぇお二人さんよ」
「…どなたです?」
「あ、貴方…喧嘩番長ね!」
「はいな」
ハレルヤの登場に、ルイスは沙慈の後ろに避難した。
「知り合いなの?ルイス」
「ううん。ただのカン」
「鋭過ぎるよ!」
「喧嘩番長は喧嘩の中だけで生きる男。愛だの、恋だの、デリケートに好きしてだの、そういうの見ると、体中に虫ずが走るんだよ!」
「だーったら見なきゃいいでしょ~?」
「ルイス!」
「成る程、その手があったか。あんたお利口さんだなしかし!俺は喧嘩しか出来ないただの馬鹿でよ!今の話は聞かなかった事にする!」
「聞いてるじゃない!」
「生意気な女だ」
「っ、やめて下さい!」
「やだね!俺は生きるぜ。他人の生き血を啜ってでもな!」
「そんな状況じゃないです!」
喧嘩番長と思い込むハレルヤを、物影から見る刹那、ヒカル、ティエリア。
殺「個展的なピンチだな」
テ「だからこそ効果がある」
「ルイスさんは全然動じてないけど。沙慈さんはかなり困り気味な様子」
殺「しかし、テロの現れる気配はない」
テ「ならば、ミッションを中止するしかないか」
「どうやって?」
暫く考えるティエリア。
テ「しまった…!彼は催眠術に掛かって、自分が喧嘩番長だと思い込んでいる!」
「どうしよっか〜」
「あたしに酷い事したら、パパが許さないんだからねすっごい人達を雇ってえっぐい事するんだから!」
「ほぉ~、そいつは楽しみだ。あんたらをやれば、凄い喧嘩が出来るって訳だな」
「あぁ~、火に油を~…」
「まずはお前等からだ!!」
「沙慈!」
「ルイス!」
「逝っちまえよっ!!」
抱き合う二人に襲い掛かるハレルヤ。
その時。
「待ちたまえ!」
「っ、誰だ!?」
「あ、あれは…」
「「ハム先生!!」」
「喧嘩番長とやら、一部始終。この目でしかと見させてもらったぞ」
「なら早く出て来てよ」
「何者だおめぇは?」
「グラハム・エーカー。この程昇進して、上級大尉となった」
「先生ですから!」
「何だ?このKYで馬鹿は、調子くれてんのか?あぁ?」
「その通りだ。私はKY。つまり、空気が読めず、すこぶる調子に乗っている。なおかつ我慢弱く、人の話を聞こうともしない。属に言う嫌われ者だ」
「そこまで言う?」
「しかし、そんな私でも、吐き気のするような悪は解る。そして、それを見てみぬ振りも出来はしない。退治させてもらうぞ!喧嘩番長!」
「自分に酔ってんじゃねぇこのナル野郎が!鏡見た事あんのかメタボッ!」
「くっ!ゲームに夢中で見た事はない!」
「だから!」
ハレルヤはハム先生向けて殴り掛かった。
が。
「でや! ハムパンチ!! 」
「ぐあっ!」
「 ハムキック!! 」
「うぐっ!」
「 ハムチョップチョップ、チョップッ!! 」
「うぐあ!な…何だ、この理不尽な強さは…」
「フ、これが、フラッグファイターの実力だよ」
「…訳、解んねぇぞ…あぁッ!」
ハレルヤは倒れ、沙慈とルイスがハム先生に駆け寄った。
「ハム先生!」
「ありがとうございます」
「少し待ちたまえ、止めを刺す。でや!」
「ぐわああッ!!」
「ハ、ハム先生…」
「やり過ぎです…」
その時、別の場所から違う人の声が聞こえた。
「君達、危ない所だったね」
「カタギリ先生」
「運よく僕達が通り掛かってよかったよ。さ、ここは自分に酔ってるハム先生に任せて立ち去ろう。知り合いだと思われても困るからね」
「そうですね先生」
「え?でも…喧嘩番長さん大丈夫ですか?」
「勘忍袋の尾が切れた!」
「どわ!」
刹「ティエリア」
テ「ああ。あの身のこなし卓越した能力。一介の教師のなせる技じゃない」
「今の私は」
「ぐふ!」
「阿修羅すら凌駕する存在だ!」
「ぐああ!」
刹「あの男が、此処に通り掛かったのは偶然か?それとも」
「ハワードの仇!」
「ぐひ!」
「ダリルの仇!」
「ぐふぅ!」
テ「調べてみる必要があるな。いや、ターゲットと断定してもおかしくはない」
「プロフェッサーの仇!」
「ぐはぁ!」
「ジョシュアの仇!」
「ぐふ!」
テ「この俺を頑なにまで否定する、あの男を」
「藤原啓治の分!」
「ぐわああ!」
刹「何か言ったか?」
「うんしょうさんの分!」
「ぶしっ!」
テ「こちらの事だ」
「ちょりーっす!」
「ぐひっ!」
「ねぇ、アレルヤヤバそうなんだけど、どうしよう?」
「そしてこれは、私の分!!」
テ「し、しまった!」
「ぐはあああぁッ!!」
ハム先生は喧嘩番長をやっつけた。
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