中編
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例のマイスター達と接触する為、指定されたポイントに着くと、そこには彼等の母艦と、ロックオン達が見た新型のガンダムが一機、トレミーに向かって来た。
スメラギは着艦許可を出して、彼等が留守の間を見計らってイアンとリエが機体を調べていた。
「リエ、そっちは終わったか?」
「はい。でも、この機体…」
「ああ。どう見ても同形機だ…。取り敢えず、俺はスメラギの所に行ってくる。お前も少しは休めよ」
「はい」
出て行くイアンを見送り、暫くスローネと呼ばれるガンダムを見ていたが、リエも休む為にその場から退出した。
自室に戻る途中、ある通路でクリスティナとスローネのパイロット。ヨハンが話しているのを見掛けた。
向こうもリエに気付いたと思ったら、クリスティナはリエに駆け寄った。
「リエ!丁度いい所に来てくれたわ!」
「何?」
「ヨハンさんとフォト撮りたいの。撮ってくれる?」
カメラを渡され、溜め息を付きながら受け取ると、クリスティナはヨハンの隣に立ち、リエは何も言わずに一枚撮った。
「はい。これでいい?」
「ありがとうリエ!ヨハンさんもありがとうございました!!」
クリスティナはリエとヨハンに礼を言ってブリッジに戻り、リエも自室に戻ろうと一歩踏み出した。
その時。
パシ
「?」
ヨハンに腕を掴まれ、思わず振り返った。
「…何ですか?」
「自己紹介がまだだと思いまして。スローネアインのガンダムマイスター、ヨハン・トリニティです」
「…整備士のリエ・ルーシス」
自己紹介を終え、手を離すヨハンだったが、未だにリエの顔を見続けていた。
「…何か?」
「いや、この船には素敵な女性が多いと思いましてね」
(何言ってんのこいつ、タラシ?)
ただ見続けるヨハンにリエは警戒心をかなり出しながら睨んでいると、ヨハンはフ、と笑ってきた。
「?」
「怒った顔も可愛いですね」
「…………」
(こいつウザッ!!)
ある意味ロックオンより苦手な類に入るヨハンに、顔を反らして嫌な顔をしていると。
グイ。
「……え?」
気が付いた時、リエはヨハンに抱き締められていた。
「な、ちょっ、何を!?」
離れようとバタバタと暴れるが、何分男と女。ヨハンはビクともしなかった。
「離して!!いきなり何を!」
「…宜しければ」
「え?」
ヨハンが呟いた言葉に、リエは目を見開いた。
トリニティとの会談が終わり、パイロットスーツのまま通路を移動していたロックオン。
その移動中、あるものに目が行った。
それは、ヨハンに抱き締められていたリエだった。
「…なっ!?」
離れていても解るリエの嫌がるような行動に、ロックオンは駆け寄って助けようとしたその時。
バキッ!
「ッ!?」
リエがヨハンの頬を力強く殴った。
「帰れ…っ」
「リエ、さん…?」
殴られた本人であるヨハンも、頬を押さえながら呆然とした。
「私が貴様をブチのめす前にとっとと帰れッ!!」
リエはヨハンを追い出そうとポケットに入れていた工具を投げ付け、ヨハンは弁解する事も出来ず、諦めてその場から去った。
「ハア…ハア…」
ヨハンの姿が見えなくなった後、工具を投げていた腕を下ろし、リエの体は少し震えていた。
「…リエ」
「ッ!?」
呼び掛けて近寄ったロックオンにリエは驚くが、ロックオンだと知って警戒を解いた。
「ロック…オン…」
「大丈夫か?」
「…なんだ、見てたんなら…助けて欲しかったな…」
「そうしようとした矢先、お前があいつを殴って驚いたさ」
「…そう…」
俯いて拳を握るが、拳は未だ震えていた。
ロックオンはヨハンに投げ付けた工具を全て拾い、リエの手を取り、渡した。
「どうした?お前がこんな事するなんて」
「……」
「そんなにあいつが気にいらなかったのか?」
優しく問い掛けるロックオンに、リエは俯いた状態のまま渡された工具を握り、また震え出した。
「…触られた」
「え?」
「知らない奴に、全く関係ない男に、抱き着かれた…揚句には勧誘されて…最悪だよ…」
「リエ…」
唇を噛みながら悔しそうに呟くリエ。
そんな彼女を、ロックオンは優しく抱き締めた。
その行動にリエは目を見開き、ロックオンも殴られる事を覚悟してやったが、彼女からの反論はなかった。
「リエ?」
「…何?」
「いや、殴られるかと思ったんだが…」
「殴られたいの?」
「まさか」
軽く笑うロックオンに、リエからも少しだが笑い声が聞こえた。
「…ロックオンは」
「ん?」
抱き締めている為リエの顔は見れないが、それでもロックオンは彼女を見た。
「知らない奴でも、関係ない奴でもないから…平気なの…」
「そうか…そいつは光栄だ」
肩に回された腕の感触を実感しながら、リエはロックオンの胸に顔を押し付けて目を閉じた。
あの人も、私が不安な時や悩んでいた時、こうして抱き締めてくれた。
彼の大きな体と、頭を撫でてくれる手が、大好きだった。
「…ん?」
肩に置いていたロックオンの手がゆっくりと下がっていくのに気付いたリエは、顔を上げた。
「ロックオン。何故手が下に下がってるの?」
「あ、いや…それは…」
「?―――…っ!」
視線を泳がす彼に疑問を感じていたが、直ぐに目的が解った。
ロックオンの手が、リエの尻を触っていた。
「……っ、」
「いや~、いっつも腰巻で見えないから解らなかったけど、やっぱお前スタイルいいな」
「…っ!」
バゴッ!!
バキ! ボキ! ガキ! ドゴ!
我慢の限界が来たリエはまずロックオンの顎にアッパーをかまし、その後工具で彼をボコボコにした。
「………」
数分後、その場を通り掛かったアレルヤが見た物は、ロックオンが紐でぐるぐる巻にされていた光景だった。
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