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短編

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謎の少女

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【運命の日】


ついにこの日が来た。

連邦艦隊とELSの大群があと数キロ程で接触する。


連邦はまず粒子ミサイルを放つが、尚も健在するELSに大型砲を撃ち、MS隊を出撃させて掃討作戦に入った。

だがELSは融合する事で連邦の情報を読み取り、姿をMSや巡洋艦に変貌させて反撃に出た。


圧倒的な数と同様、いやそれに匹敵する戦力に連邦が少しずつ押されていった時、駆け付けたCBのガンダム、サバーニャとハルートが応戦を始めた。


「サバーニャ、ハルート。戦列に参加したです!」

「連邦艦隊の損失、既に15%に達しています!」

「トレミー、砲撃開始」

「了解!」


ミレイナとフェルトの報告を聞きながらラッセに攻撃を指示し、スメラギはイアンに通信を繋げた。


「イアン、調整はどう?」

『もーちょいだ!』


直ぐにクアンタを出せる様調整を続けるがまだ終わらず、スメラギが見る画面には未だに目覚めない刹那と、それを見守るヒカルの姿がいた。


本当は直ぐにでも出撃したかったが、スメラギに刹那の事を頼まれ、彼の様子を見ていたが、急に容体が急変した。


「刹那!」


苦しむ中、刹那は己の思考の中である光景を見ていた。



闇の中、一筋の光りが見える。


その荒れた大地の中で銃を持ち、ひたすら走る少年時代の自分。


実の両親を殺し、止めなかったばかりに自爆テロで家族を殺された少年時代のニールが泣き叫ぶ。


銃弾に体を貫かれ、殺された仲間や、アザディスタン内乱の時、傭兵に人質にされたマスード・ラフマディー。


世界を変えようと戦い、無念に破れたパイロットスーツ姿のニール・ディランディ。


身を寄り添わせている、絶命したリヒデンダールと背中に無骨な金属片が突き刺さっているクリスティナ。



何よりも護りたい家族。

こちらに笑い向けるヒカルソラに手を伸ばすが、その手は、血塗れていた。



「う、あ…あぁ…っ」



「ああああぁぁっ!!」





苦しみ、もがき出し、危険を感知した警報も鳴り出した。

その光景をじっと見ていたが、ヒカルは医務室の扉を開け、中に入った。

.

戦場は悪化しつつあり、一部のELSが最終防衛戦を突破。

それを命懸けで止める連邦軍の軍人達。


MSを侵食されながらも破壊する攻撃を止めず、最後は捨て身の攻撃でELSを破壊した。


破壊されたMSから流れる粒子。

その舞い散る粒子の中、まどろむ刹那の意識は地球に飛ばされ、ある地域に降り立っていた。



かつての自分の祖国クルジス。

その地をじっと見ていたが、一輪の黄色い花の花びらが飛ばされる光景に空を見上げた。


すると場所は変わり、そこはアザディスタンの王宮。

中には避難している市民に物資を配るシーリンや、直ぐ側では皇女マリナが少女から貰った黄色い花に共に笑いあっていた。


今度は軌道エレベーターの外壁に変わり、到着した作業車からは沙慈の姿もあり、そんな彼を待つ、脳量子波遮断施設に避難しているルイス。


激化する戦渦の中、必死にELSと対峙するアレルヤとマリー。

攻撃を受けても怯まないロックオン。


「連邦艦隊の損失、30%を切りました!」

「ポイント13から巡洋艦クラスのELS接近!」

「ラッセ!」

「おうよ!」


トレミーのブリッジでも、皆が必死に戦っていた。



[何してるんスか…]


懐かしい声に振り向くと、7年前に命を落としたリヒティが立っていた。


[皆まだ、必死に生きてるっすよ]

[世界を変えようとしてる]


彼の隣には、共に命を落としたクリスティナもいた。


[言ったはずだぜ、刹那]


新たな声の主は、右目に眼帯をした初代ロックオンことニール・ディランディ。


[お前は変わるんだ。変われなかった俺の代わりに…]


仲間達の姿が少しずつ見えなくなり、慌てて手を伸ばした先には、一つの花が現れた。

2年前のイノベイドとの最終決戦の時、ヒカルから手渡された黄色い花。


[生きている。そうだ、お前はまだ…]



生きているんだ




その花に触れた瞬間、眩しい光りに覆われた。












目を開けると前にはロックオンとラッセ、イアンが自分に笑いかけ、背中を押された先の部屋にいたスメラギとフェルトやミレイナも笑っていた。

その中のベッドの側にいたリンダがそこを自分に譲り、ベッドには彼女がいた。



小さな赤ん坊を腕に抱き、こちらを見上げるヒカル


この光景は、ソラが産まれた時の光景だ。


刹那はヒカルの肩に手を回して抱き寄せ、共にソラを見下ろした。





そうだ、俺はもう一度


三人で


.

医務室には水の粒がいくつも浮く。

それは刹那の手を握りながら祈るヒカルの涙。


もうどれ程時が過ぎたと思った時、刹那の手が自分の手を握り返した。


「…っ」


それに気付いて顔を上げると、刹那が目を覚ましてこちらを向いていた。


「…―――、刹那!」


抱き付いて泣き付くヒカルに、刹那はゆっくりと頭を撫でた。






「刹那が!?」

「はいです!」


ミレイナからの報告を受けていると通信が入り、そこには刹那が映っていた。


『心配かけてすまなかった』

「刹那…」

『ダブルオークアンタで出る』

「―――お願い」


頷き移動する刹那の後に、今度はヒカルが映った。


『スメラギさん』

「一先ずは。よかったわね、ヒカル


頷き、表情を変えた。


『…私も出ます』

「…解ったわ。フェルト、クアンタとレヴィアスの出撃準備を」

「了解です!」


その会話に通信を切り、ヒカルもコンテナに急いだ。


「アーデさんの意識データ、クアンタのターミナルユニットに転送完了です」

【感謝する、ミレイナ】


ミレイナが使うモニターにティエリアの姿が映し出された。


「アーデさん。ミレイナは、アーデさんがどんな姿になろうとも…」








『アーデさんが大好きです!』

「なんだと!?」


ブリッジから聞こえた娘の告白にイアンは思わず叫んだ。


「あらあら。よかったわね、素敵な彼氏ができて」

「リンダ!」


夫とは違い祝福する妻にも動揺していると、刹那とヒカルが到着した。


「フッ」

「笑い事じゃねぇだろ!お前のガキは男だから他人事なんだよ!ヒカル!お前次は女の子産めよ!」

「イアンさん、んな無茶な…」


会話を聞いていた刹那は小さく笑いながらクアンタに乗り込み、ヒカルはイアンの言葉に苦笑いしながらレヴィアスに向かった。


「クアンタで出る」

『言われなくても!』


クアンタを起動させるとコンソールパネルに立体映像が映し出された。

そこにはパイロットスーツに身を包んだ30㎝程のティエリアだった。


「第3ハッチオープン。ダブルオークアンタ、ガンダムレヴィアス、射出準備!」


ブリッジではフェルトが素早くコンソールを叩き、トレミーの中央のカタパルトが開いた。


「リニアボルテージ上昇、730を突破。射出タイミングを、刹那・F・セイエイに譲渡します!」

『了解!ダブルオークアンタ、刹那・F・セイエイ、出る!』


刹那のクアンタが放たれる砲撃と共に出撃し、その後にレヴィアスが位置に着いた。


「射出準備完了、タイミングをレヴィアスに譲渡します!」

『了解。ガンダムレヴィアス、ヒカルE・セイエイ…』


途中で言葉を止めたと思った時、フェルトが使うモニターにヒカルが映し出された。


『フェルト』

「…ヒカル?」


名を呼び、ニコッと笑った。



『行ってきます』



短く伝え、レヴィアスも宇宙に飛び出した。

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