短編
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自分が妊娠していると知らされた後、ヒカルはリンダから色々学び、ミレイナはちょくちょく抱き付いてはお腹に耳を当て、フェルトは軽い仕事をするにも心配していた。
「ヒカル!あたしが代わりにやるから休んでよ!」
「データ打つだけなら大丈夫だよ、そんなに慌てないで」
「でも、もしいきなり電源がショートして、感電したりとかなったら…」
「フェルトちゃん、私がイノベイターだって事忘れてる?」
最悪な事態を述べるフェルトに、ヒカルは率直に返すが、フェルトはまだ心配していた。
「フェルト」
そんな彼女に声を掛けたのは、スメラギだった。
「スメラギさん」
「フェルト、少し休憩して来なさい」
「え、でも…」
「ヒカルには私が付いてるから」
そう言われ、フェルトは休憩の為に部屋を出た。
「随分心配性になっちゃったわね、フェルト」
「ホントに、私が少しでも重い物持つと何処からか走ってくるんですよ」
苦笑いするヒカルにスメラギはケラケラと笑い、お腹をそっと触った。
「フェルトの両親はマイスターだったからね、無意識に自分とこの子を重ねているのかもしれないわ」
「…フェルトの両親の死因は、解らないんですよね」
「ええ、私も知らないわ」
スメラギは俯きながら言い、ヒカルも考えるように俯いた。
「…よし」
「ん?」
急に立ち上がったヒカルにスメラギは疑問を持った。
「スメラギさん、私ちょっと行ってきます」
「行くって、何処に?ちょっ、ヒカルー!?」
スメラギの止める声も虚しく、ヒカルは部屋を出て走り出した。
「フェルトー!」
「え?」
呼ばれて振り返ると、ヒカルがこちら向かって走っているのが見え、フェルトは慌てた。
「ちょっ、ヒカル!走らないで!」
「はい」
ヒカルはフェルトの前でピタッと止まり、両手を握った。
「フェルト。この子の名前、フェルトが付けて!」
「…え?」
突然言われた内容にフェルトは唖然とした。
「だから名前。フェルトが付けて」
「ど、どうして?名前ならヒカルか刹那が…」
「フェルトにはこの子の名付け親になって欲しいの」
その言葉に、フェルトは目を丸くした。
「刹那も私もマイスターだから、この先何が起こるか解らない。でも、フェルトが名付け親になってくれたらこの子は一人にはならない」
「ヒカル…」
「あ、勿論私はこの子を一人にする気はないよ。フェルトの気が進まなかったら断っても「やる!」…にゅ?」
ヒカルの声を遮るように、フェルトは叫んだ。
「あたしが名付け親になる、この子のもう一人のママになる!」
「フェルト…ありがとー!!」
ヒカルはフェルトに抱き付いて喜んだ。
こうして産まれてくる子供に二人のママが誕生した。
オマケ↓
「刹那ー、この子の名前フェルトに決めてもらう事にしたからー!」
「何!?」
密かに名前を考えていた刹那だった。
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