短編
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走った。
手に大きな銃を持ち、浸すら走り続けた。
敵を撃っては物影に隠れ、何かを探すように辺りを見回していた。
敵の銃弾が側の壁を壊し、再び走り出した。
そして漸く、探していたものを見付けた。
直ぐさま駆け寄り、無事を確認するが。
探していた少女は、血だらけだった。
「…っ、う… うわあああぁーーッ!! 」
「ッ!」
その光景に目を開けると、目の前には見慣れた天井が見えた。
それに乱れていた息を調えてから起き上がると、隣のベッドにはロックオンが眠っていた。
CBのガンダムマイスターに選ばれてから数週間の時が経ち、此処の基地にも、メンバー達にも慣れた。
そして何より、共にガンダムマイスターとして選ばれたヒカルは、毎日を楽しそうに過ごしていた。
不意に先程見た悪夢を思い出しそうになり、考えを止めるように頭を振り、ロックオンを起こさないように部屋を出た。
部屋を出てから、刹那は迷う事なくヒカルの部屋に向かった。
扉の前に立ち、教えられた番号を押して中に入り、ベッドで眠るヒカルに目を向けた。
刹那が入って来た事に気付かず、安心しきって眠るヒカル。
そんな彼女に刹那は中に入って近寄り、彼女の頬に手を伸ばし、彼女の体温を感じた。
「…ん」
その時、ヒカルがもぞっ、と動き、そっと目を開けた。
「…せ…つな…?どし…たの…?」
「…」
寝ぼけながらも問い掛けるヒカルだが、刹那は何も答えない。
そんな彼にヒカルは起き上がり、頬に添えてある刹那の手に触れた。
「何かあったの…?」
「…」
「?」
刹那が口調が少ないのは知っているが、質問にはちゃんと答えてくれる。
もう一度呼び掛けようとした時、刹那が小さく口を開いた。
「…お前が」
「ん?」
「…お前が、死んだ夢を見た…」
そう言った刹那の表情は、とても辛そうだった。
「あの戦場で…俺は走りながらはぐれたお前を探していた…」
「…」
「だが…見付けた時、お前はもう…」
続きを言おうとしたが、ヒカルが人差し指で刹那の唇を押さえ、言葉を止めた。
「ヒカル?」
「刹那…、一緒に寝よ?」
「……は?」
「ね、一緒に寝よ」
ヒカルに腕をぐいぐいと引かれ、仕方なく刹那は彼女のベッドに入り、ヒカルは刹那に縋り付いた。
「…刹那」
「何だ?」
「私は…ここにいるよ…」
「え?」
その言葉にヒカルの方を見ると、彼女は刹那の胸に頭を乗せていた。
「ずっとずっと…刹那の側にいるよ…」
「ヒカル…」
「だから…こわ…く…」
声は段々と小さくなり、刹那に抱き着いたままヒカルはまた眠ってしまった。
「…そうだな」
眠ったヒカルの頭を優しく撫でた後、刹那は彼女をそっと抱き締めた。
「俺達は、ずっと一緒だ…」
ヒカルの体温を感じながら、漸く刹那も眠りに付く事が出来た。
翌日、一緒に眠っていた所を目撃され、二人はロックオンに怒られた。
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