このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

短編

夢小説設定

この小説の夢小説設定
コードネーム
ファミリーネーム
本名のファーストネーム
本名のファミリーネーム
謎の少女

この章の夢小説設定
息子の名前
夢主のミドルネーム


俺はハレルヤ。アレルヤのもう一人の人格。


アレルヤと俺の性格は正反対で、俺は争いを好み、人を平気で殺せる。


アレルヤは優しい奴だが、そんな奴でも俺の分身だ。


だが、もしアレルヤが俺の存在を忘れてしまったら、俺はどうなるんだ?


あいつのように、ただ見守る事が俺には出来るのか…?





「あ、アレルヤ~!」

「あ、ヒカル


展望台に立ち、一人宇宙を眺めていたアレルヤを見付け、ヒカルは彼の側に向かった。


「一人でどうしたの?」

「いや、ちょっと外を見たくて…」

「ふ~ん」


ヒカルはそう言うなりアレルヤの隣に立ち、同じように宇宙を眺めた。


「宇宙って凄いよね~、私初めて宇宙に上がった時は無重力に焦っちゃったよ」

「初めてって、刹那と来た時に?」

「うん。それまではずっと地上にいたから。アレルヤは?」

「僕も最初は戸惑ったけど直ぐに慣れたね」


たわいもない話を続ける二人。

だが、その会話を邪魔しようとする者がいた。


「え?ハレルヤ…?」

「ん?」


突然独り言を言うアレルヤに、ヒカルは首を傾げた。


「何を…駄目だよ!そんな事したら…ッ」

「アレルヤ?どうしたの?」

ヒカル!僕から離れて…早く…っ」

「え?」



ドスッ



理由を聞こうとした瞬間、アレルヤはヒカルの首に手刀をして気絶させ、倒れる彼女を抱えた。


「余計な事すんじゃねぇよアレルヤ。俺はただ、話がしたかっただけなんだよ」


気絶したヒカルの顔を見てニヤリと笑ったのはアレルヤではなく、もう一人の人格、ハレルヤだった。





彼はそのままヒカルを抱えて自室に戻り、彼女をベッドに寝かせた。


「アレルヤを通して何度も見ていたが、ガキの割には良い体してんじゃねぇか…」


ヒカルの上着を脱がせて上半身をインナー姿にするとハレルヤはヒカルの上に乗り掛かった。


「俺がお前に手を出した事を知ったら、刹那のガキは激怒するだろうな…」


頬に手を沿え、顔を近付けた瞬間。



ガシッ



「ッ!?」


急にヒカルがハレルヤの手を掴み、それに一瞬目線を手に向けた後ヒカルの顔を見ると、彼女はただ黙ってハレルヤを直視していた。


「何だ、起きちまったのか?つまんねぇな」

「……」

「何だよ?アレルヤと違う話方だから驚いたのか?俺はアレルヤじゃねぇ。俺は…」


「ハレルヤ」


ハレルヤの言葉を遮るように、ヒカルは彼の名前を口に出した。


「お前…何で、俺の事…」


自分を知っている事に少し驚いていると、ヒカルはハレルヤから離れた。


「この子に何の用?」

「…は?」

「用があるから、アナタは出て来たんじゃないの?」


ヒカルはハレルヤを向きながら、立ち上がった。


「てめぇ…誰だ?」


明らかにヒカルではない事に気付き、ハレルヤは彼女も別人格を持っていたと解釈した。


「何だよ、同じ別人格同士、名前くらい教えてもらってもいいだろ?」

「アタシは…フレイヤ

フレイヤ?それがお前の名前か?」


フレイヤと名乗った少女はコクリと頷き、ハレルヤは皮肉そうに笑った。


「で、そのフレイヤさんが俺に何の用だ?」

「何も」

「あ?」

「アタシはこの子が危なかったから出て来ただけ。アナタに用はないわ」

「…ッ、何だと!?」


ハレルヤは怒り、フレイヤの胸倉を掴もうとしたが、彼女は風のように避けた。


「この野郎…っ」

「アナタは」

「あ?」

「アナタはヒカルに何をしたかったの?」

「ハッ、んなヤボな事、話しちまっていいのか?」


からかうようにフレイヤを挑発するが、彼女は眉一つ動かさなかった。


「…あーたく、ただ驚かそうと思ったんだよ。俺を見た時の反応を見たかったんだよ」

「…アレルヤ・ハプティズムは」

「今度は何だよ!?」


またしても言葉を遮ったフレイヤに、内心ハレルヤは苛立った。


「アナタの事を知っているのね…」

「は?知ってるも何も、アレルヤは俺の分身だ」


ハレルヤはそう言ってアレルヤの悪口を小声で呟いていると、フレイヤは悲しそうに笑った。


「なら、アナタのもう一人のアナタを大切にしてあげてね」

「あ?誰があんな奴…」



「存在を知っていて見守るのと、存在を知らないで見守るの。どちらが辛いと思う…?」



そう言い残してフレイヤはハレルヤに倒れ込み、気を失ってしまった。


「何だ?こいつ…」


取り敢えずヒカルをベッドに運び、溜め息を付いた時頭の中で叫ぶ奴が現れた。


(ハレルヤ、ハレルヤ!)

「あ?何だよアレルヤ」

(何だよじゃないよ!ヒカルに酷い事してないよね!?)

「するも何も、邪魔されたのはこっちの…」



存在を知っていて見守るのと、存在を知らないで見守るの。どちらが辛いと思う…?


「……」


不意にフレイヤの言葉を思い出し、ハレルヤは言葉を止めた。


(ハレルヤ?)

「…いや、何でもねぇ。こいつが起きる前にお前に返すぜ」

(え?ちょっと、ハレルヤ!?)


アレルヤの止める言葉も聞かずにハレルヤは体をアレルヤに返し、目の前のベッドで眠るヒカルに安堵した


「ハレルヤ、ヒカルに何したの?」

(……)

「ハレルヤ!」

(うるせぇな!俺は暫く寝る。起こすんじゃねぇぞ)

「ハレルヤ!人の話を…」

「んぅ~…、あれ?アレルヤ…?」


ヒカルに何かしたか聞きたかったが、ハレルヤは眠ってしまい、ヒカルは目覚めてアレルヤを見た。


「アレルヤ?…あれ?私、何でアレルヤの部屋に…?」

「あ、えっと、あの、その…」


寝ぼけながら尋ねるヒカルに、言い訳を考えるアレルヤ。

その後何とか事情をごまかし、ヒカルは自室に戻った。


「ハァ…ハレルヤ、余り勝手な事しないでよね…」


一人呟くアレルヤだが、ハレルヤからの返事はなかった。






後にハレルヤは、フレイヤヒカルにとってどういった存在なのか、アレルヤを通して知った。


同時にあの時彼女が言った言葉の意味を理解し、


アレルヤの為、そして自分が死なない為に、アレルヤに力を貸す事を決めた。

.
4/19ページ
スキ