第二期
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ダブルオーのドライブを手に入れたリボンズは運よくOガンダムを発見し、それを機体に装着。
その頃、刹那も大破したダブルオーのコックピットで目を覚まし、目の前を浮いていた花に手を延ばした。
「…ヒカル…っ」
彼女の瞳と同じ黄色い花。それを見た刹那の瞳には、今まで一緒に過ごしてきたヒカルの笑顔が浮かんだ。
一番最初に見た笑顔、自分のガンダムを見て喜ぶ顔、初めて宇宙で乗り、感動した顔、マイスター達と笑い合う顔。
刹那
「俺は二度と…」
カプセルの中で眠り続け、目覚めた記憶を失ったヒカル。
「もう二度と、ヒカルを失いたくはない…!」
花を掴もうと更に手を延ばした時、ある光りを発見した。
「あ、あれは…」
.
Oガンダムにドライブを装着させ、刹那を探すリボンズ。だが見付けたダブルオーに、ドライブが装着されていなかった。
それに辺りを見回し、上を見た。
その先には、エクシアがいた。
「ガンダムエクシア、刹那・F・セイエイ。未来を切り開く!」
エクシアはGNソードをOガンダムに向け、Oガンダムが放つ砲を避け、機体を衛星に叩き付けた。
そのまま白兵戦となり、エクシアのビームサーベルがOガンダムのコックピットを裂き、続いてエクシアのコックピットも裂かれた。
互いにソードを構え、エクシアはOガンダム向けて走り、ソードに貫かれたOガンダムは爆破した。
爆破した時、エクシアのコックピットから花が宇宙に流され、コックピットに残された刹那の目には、一粒の涙が零れていた。
.
大破したレイアスのコックピットの中。気絶していたヒカルに、ある声が聞こえた。
―――、ソフィア
「…っ、ぁ…」
それにゆっくりと目を開けると、目の前にはある女性がいた。
ソフィア…
「…フレイヤ」
フレイヤはヒカルが負った傷を見ながら、済まなそうな顔をした。
ごめんね、ソフィア…アタシのせいで、アナタは…
「私…人間じゃなかったんだ…だからパパとママは、私を外に出したくなかったんだ…」
違うわ、アナタは人間よ。二人はアナタが大切だから、大事だったから護っていたのよ
「やっぱり、小さい頃会ったのは…リボンズ・アルマークだった…」
二人はアナタに戦いなんてして欲しくなかった、だからあの人から逃げ続けていたの
「でも、私は結局マイスターに…」
それを選んだのは、アナタでしょ?
「……」
後悔してるの?
「…していない…」
ソフィア
「CBに入って…ロックオンと笑って、アレルヤと笑って、ティエリアと笑って…刹那を、好きになった…」
ヒカルはヘルメットを取り、左手のグローブを取り、薬指に嵌めてある指輪を軽く触った。
「刹那は、ずっと待っていてくれた…人間でないと知っても、私の側にいると言ってくれた…」
アナタはどうしたい…ソフィア
「…帰りたい…」
ヒカルの目から涙が零れ、零れた涙が中に舞った。
「刹那の元に、帰りたい…」
そして再び、ヒカルは気を失った。
.
数ヶ月後、アザディスタン王国は地球連邦政府の支援を受けて再建を果たし、皇女マリナは、その支援を中東に広げる事を、国民の前で宣言した。
ルイスの細胞異常は刹那の放った脳量子波のおかげで完全に進行を止め、彼女は今、沙慈と共にいた。
カタロンのメンバーも地球連邦に参加し、真の平和を残す事に協力した。
ライルは家族の墓に向かい、自分がCBのロックオンとして残る事を、隣に作られたアニューの墓にも報告した。
アレルヤはマリーと共に歩みながら、自分達が生きている意味を探し続けた。
ティエリアはヴェーダの一部となって、来るべき対話の時まで見守ると言って消えた。
様々な花が植えられた花畑に座り、一番多く咲く黄色い花を積む、黒い髪を靡かせる女性。
その彼女の背後に、一人の男性が立った。
「ヒカル」
声を掛けられ、女性は手を止めて後ろを向いた。
「刹那…」
ヒカルは刹那に笑い掛け、積んだ花束を持って立ち上がった。
「その花、どうするんだ?まさか…」
「持って行ったりしないよ。ただ、亡くなった人達に向けて、どうしても撒きたくて…」
その時、強い風が吹き、ヒカルは持っていた花束を空に投げ、空中に広がった。
「皆に、届くかな…」
「ああ…きっとな」
刹那はヒカルの肩に手を置いて引き寄せ、彼女を抱き締めた。
「やっと返せるな」
「え?」
少し体を放した刹那はポケットから何かを出し、それをヒカルの首に掛けた。
「私のロケット…」
「悪かったな、ずっと持ったままで」
「ううん、ちゃんと持っててくれて、ありがとう」
ヒカルはそう笑ってロケットの中を見たが、ある事に気付き、刹那も不思議がって中を見て、赤面した。
中には、ヒカルが両親といる写真。それに四年前のヒカルの写真が入っていた。
「…ぷっ」
「っ!」
「嬉しい~!刹那は私の写真ずっと持っててくれたんだ~!」
「お、おい!それを渡せ!」
「いやー!折角だからずっと入れてよ~!」
「ヒカルッ」
刹那に捕まらないよう逃げ回るヒカル。だが足を躓き、転びかけた時。
「ヒカル!」
「キャッ!!」
刹那は庇うようにヒカルを引き寄せ、二人は花畑に倒れ込んだ。
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「…刹那」
「何だ?」
倒れ込んだまま、ヒカルは刹那に問い掛けた。
「私、刹那の側にいていいのかな…」
「…何故だ?」
「だって、私はイノベイターだし、もしかしたらいつかのアニューさんみたいに、皆に危害を…」
続こうとした言葉は、抱き締められて遮られた。
「そんな事は起きない」
「どうして?だって私は刹那にも攻撃したし…」
「だがトレミーにはせず、俺にも怪我はなかった。お前は絶対、そんな事はしない…」
「でも…」
「もしそうなった時は、俺がお前を止めてやる」
起き上がって互いの顔を見合い、刹那はヒカルの頬に触れた。
「何があっても、ヒカルを離す気はない」
「…うん」
二人は引き寄せられるように口付けを交わし、風によって花が舞い上がった。
「行こう、ヒカル」
「ええ、刹那」
手を取り合い、刹那とヒカルは共に歩き出した。
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光学迷彩を張ったトレミーが、宇宙向けて飛び立つ。
そのブリッジには、CBのメンバー達がいた。
「行こう、俺達にはまだ、やる事がある」
「うん。皆が命を引き換えにして変えた世界を、見続けなくちゃ」
「そうね」
「二度と、あんな戦いを招かないように」
中央の席に座るスメラギ。
左右の席にはフェルトとミレイナ、補助席にはイアンとリンダ夫妻。
前方にはラッセとロックオン。
そしてスメラギの後ろには刹那とヒカルが立ち、前を見据えていた。
俺達はCB。戦争根絶を目指す者。世界から見放されようとも、俺達は、世界と対峙し続ける。
武力を行進してでも、世界の抑止力となって生きる。
だからこそ俺達は、存在し続けなければならない。
未来の為に
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